代表取締役社長の劉氏に伺いました

何をしている会社ですか？

劉：natは「人々の便利で豊かな暮らしを実現する。」をビジョンに、日本の住宅関連産業を最先端の技術でサポートする「Scanat（スキャナット）」を開発・運営しています。「Scanat」はiOSデバイス（iPhone/iPadのPro機種）に搭載されているLiDARセンサーを活用したアプリで、使い方はとても簡単です。

部屋などの対象物をビデオ撮影感覚でスキャンするだけで、高品質な3Dモデルが作成でき、アプリ上でmm単位での計測が可能です。当社独自のアルゴリズムで、わずか1分程度で点群データと深度写真を組み合わせて処理しているので、点群のみよりもリアルな3Dモデルの作成ができます。また、一般的なフリーアプリではcm単位での計測しかできませんが、「Scanat」はアプリ上でのmm単位の計測を実現している、世界でも唯一のアプリです。

現在は、現地調査や図面作成を行う住宅・建設業界を中心にご利用いただいております。長年の人手によるメジャー計測とは一線を画した、職人不足や若手育成に悩まされているリフォーム業界にイノベーションを起こすプロダクトを自社で開発しています。アプリ使用料（1ID年払72,000円、月払9,000円）のサブスクリプションモデルを採用し、法人契約ユーザーから1万円の初期導入費用、オプション費用としてデバイスレンタル料・図面作成代行費用を獲得しています。

なぜ会社を立ち上げたのですか？

劉：2018年に自分がマンションを購入した際、家具や雑貨屋で購入したいものがあっても自宅に入るかをその場で確認できないことに不便さを感じ、どこでも気軽に自宅のサイズが確認できる仕組みがほしいと思ったのが最初のきっかけです。当時自動運転が出始めた頃で、LiDARセンサーに着目しました。簡単に言うと、レーザー光を飛ばして跳ね返ってくる時間で距離を測るこのセンサーを活用して、部屋のサイズを計測して3Dモデルを作り、スマホで見られるようになれば、家具購入のシミュレーションが簡単にできるようになると考えました。

初めは車載LiDARセンサーを使った検証を重ね、物と壁等の距離が高精度で計測できたので可能性を感じました。建設業を営む知人の社長に相談したところ、リフォーム業界でも同様のニーズがあると知り、本格的に仕組みの開発に取り組みました。
また、2020年にApple社がLiDARセンサーを搭載したiPad Proを発売したことにより、LiDARセンサーの有効性と将来性を感じ、開発をiOSアプリに切り替え、現在に至るまで開発を進めています。

これからの目標はありますか？

劉：現在は法人向けのみの展開ですが、最終的には一般消費者と法人を結ぶ、便利な住環境を支えるライフスタイルプラットフォームの構築を目指しています。衣食住のうち、「衣」や「食」はデジタル化が進んでいて、スマホで注文すれば何でも届きますが、「住」の領域はまだまだです。「住」は購入頻度が低いうえに、複雑かつ高価なので、スマホだけで完結できるソリューションがありません。natは、洋服を変えるように、自分の好みに「住」をカスタマイズできる未来を実現していきたいと考えています。

誰もが自分のスマホでスキャンして自宅を可視化し、住む環境を自由にシミュレーションができるようになり、家具の購入やリフォームの依頼もすべてスマホで完結する、「衣」「食」と同じで、「住」もスマホひとつで簡単に注文できる世界がきます。
次世代の「住」関連サービスを構築し、日本のマーケットシェアNo.1を目指します。

最後に一言お願いします

劉：「Scanat」はこれからも会社とともに成長していきます。室内の空間計測はいまだにメジャーで計測し、紙に図面と数値を書くようなアナログ作業を行なっています。計測業務のイノベーションを起こしていくために、Scanatの導入やご紹介など、ぜひお力をお貸しください！