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「攻撃のAI化」に「防御のAI化」で対抗する ― ヤグラ

株式会社ヤグラ
迎 健太
代表取締役・CISSP

2026年7月1日、KDDI ∞ Laboの月次全体会において、スタートアップ4社が大企業に向けてピッチを行った。登壇されたスタートアップにMUGENLABO Magazine編集部のめぇ〜ちゃんがインタビューを行ったので皆様にご紹介!


今回はヤグラ。サイバー攻撃の検知・防御・教育を一貫して支援する「セキュリティAIエージェント」を開発するスタートアップ。ヤグラ代表取締役・CISSPの迎 健太氏に話を伺った。


めぇ〜ちゃんめぇ〜ちゃん
AI SOCでサイバー防御の自動化を実現するスタートアップです!

AI時代の脅威に挑む創業の原点

創業の背景について教えてください。生成AI時代のサイバーセキュリティにおいて、どのような課題認識があったのでしょうか?

迎:私はもともと「世界を変える組織を自分たちで作りたい」という想いで学生時代から起業してきました。ヤグラを創業したのは、AIによってサイバーセキュリティが根本から変わる転換点に立ち会い、その変化を作る側に回りたいと考えたからです。
これからの時代、サイバーは単なるITの一分野ではなく、国家や産業の競争力そのものになります。

一方で、生成AIにより攻撃の質と量は急激に変化しているのに、防御側は人材不足と従来型ツールのまま取り残されている。このギャップこそが私たちの課題認識です。「2030年、日本一のサイバー企業になる」をビジョンに掲げていますが、これは日本から世界に通用するサイバー企業を生み出すための通過点だと考えています。

AIが実現する次世代SOC

御社の提供するサービスについて、どのような価値を提供しているのか教えてください。

迎:中核は「AI SOC」です。自社開発のSIEM・データレイク基盤の上に構築したサービスで、お客様の各種ログを集約し、アラートの監視・調査・封じ込めまでをAIが自動で実行します。
従来は専門アナリストが人手で行っていたログ分析や影響調査を、AIが24時間365日、一件も漏らさず行うイメージです。
ログ基盤からAIによる対応までをワンストップで持っているため、高額な海外製SIEMと人手のSOCサービスを別々に契約する従来の構成と比べて、対応スピードと網羅性を上げながらコストを大幅に下げられます。

あわせて、AIが最新の攻撃手口を再現するフィッシング訓練「ヤグラアウェアネス」を提供しており、エンタープライズ品質のセキュリティ教育・訓練運用をAIの力で中堅企業にも届けることが共通の価値です。


サービスイメージ

攻撃のAI化に防御のAI化で挑む

生成AIの普及によりサイバー攻撃はどのように変化しており、その中で御社のプロダクトはどのような役割を果たすのでしょうか。

迎:生成AIによって、攻撃は「安く・大量に・巧妙に」なりました。
自然な日本語のフィッシングが個社ごとにパーソナライズされて自動生成され、新しい手口が登場から流行するまでのスピードも格段に上がっています。

攻撃の量が増えれば、防御側で起きるのはアラートの洪水です。人手のSOCでは精査しきれず、本当に危険な兆候が埋もれてしまう。ここがAI SOCの役割です。
攻撃者がAIで攻撃を量産するなら、防御側もAIで調査・対応を自動化して初めて対等に戦えます。私たちはデータレイクに集約したログを背景情報としてAIが一件一件のアラートを自動調査し、危険なものは封じ込めまで実行します。「攻撃のAI化」に「防御のAI化」で対抗するのが私たちのプロダクトです。

AI SOCを支える独自の強み

既存のセキュリティソリューションと比較した際の差別化ポイントや強みを教えてください。

迎:大きく2つあります。1つ目は、ログ基盤とAI運用を一体で持っていることです。
既存の構成では高額な海外製SIEMを導入した上で、人手のSOCサービスを別途契約する必要がありました。ヤグラは自社のSIEM・データレイクとAI SOCをワンストップで提供するため、この二重コストを大幅に圧縮できます。

2つ目は、対応が人の数に依存しないことです。既存のSOCやMDRはアナリストの人数に縛られ、深夜帯の対応や調査の深さにばらつきが出ますが、AI SOCはすべてのアラートを同じ深さで即座に調査します。
また、ログデータをお預かりすれば短期間で高品質な分析をお見せできる機動力も強みで、商談では「まずNDAを結んでログをAI分析し、価値を見てから判断いただく」という進め方をしています。
価格勝負ではなく、品質と体験の差で戦うのが方針です。


サービスイメージ

人とAIで実現する防御体制

「AIで防御を自動化する」だけでなく、「人(従業員)」へのアプローチにも注力されている印象です。セキュリティの中で人の役割をどのように捉えていますか。

迎:防御の自動化をどれだけ進めても、新しい攻撃を最初に発見するのは現場の従業員の「あれ、おかしいな」という気づきと報告であることが多いです。
人は最も狙われる入口であると同時に、最初のセンサーでもあります。だから私たちはヤグラアウェアネスで「騙されない人を作る」のではなく、「気づいて報告できる組織文化を作る」ことを重視しています。

クリックしてしまうこと自体は責めるべきではなく、報告が早ければAI SOCが即座に調査・封じ込めに動けるので、被害は最小化できます。
従来の「クリック率を下げる」ではなく「報告率・報告速度を上げる」をKPIに置くのはこの思想からで、人の報告とAIの対応が噛み合って初めて、組織の防御力は完成すると考えています。


サービスイメージ

日本発のサイバー企業を目指して

今後の事業展開や中長期的に目指している姿について教えてください。

迎:短期的に目指しているのは、セキュリティ運用を「人の目に見えない形」で自動化することです。
アラートの検知、調査、封じ込めといった運用業務が、担当者が意識することなく裏側でAIによって完結している──セキュリティ運用に人が張り付く時代を終わらせることが直近のテーマです。

自社のSIEM・データレイクとAI SOCを一体で持っているからこそ、ログの集約から対応までを裏側で完結させられます。
中期的には、従業員の報告(人)とAIの自動対応(技術)が一気通貫で回る、検知から教育までを統合したプラットフォームへ進化させます。そして2030年に日本一のサイバー企業になること、さらにその先は、日本発で世界に通用するサイバー企業として、「あの会社が日本のサイバー産業を変えた」と言われる存在を目指しています。

KDDI 瀬戸谷
★推しコメント★
生成AIの普及によりサイバー攻撃が高度化・大量化する中、防御側にもAI活用が求められる時代になっています。私が感じたヤグラの魅力は、単なる検知や可視化に留まらず、調査や封じ込めまでをAIが担う点にあります。特に印象的だったのは、「攻撃のAI化には防御のAI化で対抗する」という明快な思想と、人を排除するのではなく、人とAIが連携する前提でプロダクトを設計していることです。
AI SOCとセキュリティ教育を組み合わせ、組織全体の防御力向上を目指すアプローチには大きな可能性を感じました。日本発のサイバーセキュリティ企業として、今後の成長が楽しみなスタートアップです。
それでは次回の記事もお楽しみに♪

株式会社ヤグラ
https://yagurasec.com/
サイバー攻撃の検知・防御・教育を一貫して支援する「セキュリティAIエージェント」を開発

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