
2026年09月08日
宇宙を実験場に。AstroXが切り拓く成層圏・宇宙実証の新たな可能性― AstroX
- AstroX株式会社
大谷 和彦 - Business Development Group Director
宇宙を活用したオープンイノベーションを通じて、新たな事業創出を目指す「MUGENLABO UNIVERSE」。スタートアップ、大企業、有識者が集う本プログラムに、新たな実証実験パートナー4社が参画した。
本記事では各スタートアップの特徴と提供する実験環境をご紹介。1社目はAstroX株式会社。今回はBusiness Development Group Directorの大谷和彦氏へ話を伺った。
目次
めぇ〜ちゃん- 成層圏から宇宙まで、技術実証・科学観測・PRなど、多様な挑戦を実環境へ運ぶペイロード輸送サービスを行うスタートアップです!
宇宙開発の未来を切り拓くAstroXの挑戦
事業概要について教えてください。
大谷:宇宙開発で "Japan as No. 1" を取り戻す、をビジョンとする宇宙スタートアップです。気球でロケットを成層圏まで運び空中からロケットを発射する「Rockoon (ロックーン)」形式での宇宙輸送事業を推進しています。
2026年度には民間では世界初となるRockoonによる宇宙空間到達ミッションを、2029年度には世界初となるRockoonによる人工衛星軌道投入ミッションを計画しています。
地上では試せない宇宙環境で技術を実証
この環境でどのような実験・検証が可能ですか?
大谷:成層圏から宇宙空間まで、地上では再現が難しい実環境を活用したさまざまな実験・検証が可能です。
例えば、低温・低圧・強放射線などの複合環境下における電子機器、センサ、通信機器、材料等の動作確認・耐環境試験、地球・大気観測、将来の宇宙ミッションに向けた技術実証などに活用できます。また、研究開発用途に加え、自社製品やブランドを成層圏・宇宙へ運び、その様子を映像・コンテンツ化するなど、PR・マーケティングでの活用も可能です。
企業・大学を問わず、「地上では試せないことを、実際の成層圏・宇宙環境で試す」ための機会を提供します。

サービスイメージ
「実環境」で試せるAstroX独自の強み
他の環境にはない特徴・強みを教えてください。
大谷:AstroXの特徴は、地上設備で宇宙環境を「模擬」するのではなく、実際にペイロードを成層圏・宇宙へ運び、「実環境で検証」できることです。
気球を活用した成層圏輸送と、気球でロケットを成層圏まで運び空中発射するRockoon方式を組み合わせることで、成層圏から高度100km以上の宇宙空間まで、目的に応じた実証機会を提供します。
研究機関の科学観測や宇宙機器の技術実証だけでなく、宇宙分野への参入を検討する企業の製品評価やPRなど、多様な用途に活用できることも強みです。
成層圏と宇宙を活用した注目の観測事例
代表的な活用事例を教えてください。
大谷:代表例として、高知工科大学とのペイロード輸送プロジェクトがあります。
同大学が開発するインフラサウンドセンサを、AstroXのサブオービタルロケットと成層圏を飛行する気球システムの双方に搭載し、宇宙近傍・成層圏・地上という3つの高度域でのインフラサウンド同時観測を計画しています。
インフラサウンドは、火山噴火・津波・隕石突入などの大規模現象の観測への活用が期待され、将来的には火星大気での観測も視野に入れた研究です。成層圏と宇宙への輸送機会を科学観測に活用する具体的な事例となっています。
宇宙を新たな挑戦の場にする企業・技術
どのような企業・スタートアップに活用してほしいですか?
大谷:成層圏以遠での科学観測や宇宙機を開発している方はもちろん、材料、電子機器、センサー、通信、モビリティなど、自社の技術やアイデアを「本物の成層圏・宇宙環境」で試してみたい方にも、ぜひご活用いただきたいです。
さらに、宇宙分野への新規参入から宇宙を活用したPR・ブランド体験まで、従来の宇宙産業の枠を越え、宇宙から新しい価値を生み出したい幅広い業界の皆様と、新たな可能性を一緒に切り拓いていきたいと考えています。
「宇宙はインフラ、使い方はMUGEN」
宇宙活用や新規事業に挑戦する皆さまへのメッセージをお願いします。
大谷:宇宙活用の第一歩は、必ずしも壮大な宇宙事業である必要はありません。「この技術を宇宙で試してみたい」「自社製品を宇宙へ持っていったら面白そう」から始められます。AstroXは、成層圏・宇宙をより身近な実験・事業の場にしていきます。
「宇宙はインフラ、使い方はMUGEN」です。
ぜひ宇宙を皆さまの事業成長の機会として活用し、共に新しい未来を創っていきましょう。
