
2026年09月10日
宇宙バイオ実験を身近に。IDDKが挑む“宇宙実験の民主化” ― IDDK
- 株式会社IDDK
上野 宗一郎 - 代表取締役
宇宙を活用したオープンイノベーションを通じて、新たな事業創出を目指す「MUGENLABO UNIVERSE」。スタートアップ、大企業、有識者が集う本プログラムに、新たな実証実験パートナー4社が参画した。
本記事では各スタートアップの特徴と提供する実験環境をご紹介。2社目は株式会社IDDK。今回は代表取締役の上野 宗一郎氏へ話を伺った。
目次
めぇ〜ちゃん- 人工衛星、宇宙ステーションでも搭載できる“手のひらサイズのラボ”。従来より桁違いに低コストで、誰もが宇宙実験に挑戦できる環境を提供するスタートアップです!
宇宙実験を身近にする独自技術と事業展開
事業概要について教えてください。
上野:IDDKは、独自のレンズレス顕微観察技術「MID(マイクロイメージングデバイス)」を核に、宇宙実験・製造のインフラ構築を目指す企業です。
MIDにより研究開発に欠かせない顕微観察を宇宙で使う上で大幅な小型化・低コスト化を実現し、「宇宙実験の民主化」を掲げて、創薬・食品・マテリアル開発、半導体などの企業や研究機関に、衛星搭載型の宇宙実験サービスを提供しています。
微小重力環境で広がる新たな実験の可能性
この環境でどのような実験・検証が可能ですか?
上野:人工衛星に搭載したバイオ実験用超小型実験装置「MBSLAB」による、微小重力環境でのバイオ実験が可能です。微生物や細胞の軌道上培養と、MIDによるその場顕微観察・画像データの地上ダウンリンクまでを装置内で自動完結します。
具体的には、微生物・麹菌などを用いた発酵実験、細胞培養や微生物挙動の観察、宇宙環境が生物に与える影響の検証など、創薬・食品・化粧品分野の研究開発に直結する実験・検証を想定しています。比較的短いサイクルで実験機会を設定できる点も特長です。
現在、マテリアル合成や半導体実証環境の開発も計画しており、宇宙で行う研究開発を支えます。

サービスイメージ
小型・低コスト・自動化を実現する宇宙実験
他の環境にはない特徴・強みを教えてください。
上野:独自のMID技術により、顕微観察を伴う研究開発の装置を従来の顕微鏡では不可能なレベルまで小型・軽量化でき、宇宙実験を成立させています。
人工衛星、宇宙ステーションなど様々な機会を提供でき、自社での打ち上げ枠を確保しており、年に数回の打ち上げ機会を提供できます。
装置開発の標準化により、従来の宇宙実験に比べ大幅な低コスト化を実現できます。
また、MBSLABでは、培養から観察・データ取得までを1つの装置内で自動化しており、宇宙飛行士がいない環境でも実験が可能です。
ワンストップサービスとして提供するため、お客様に特別な宇宙関連の知見は不要です。
「発酵×宇宙」から広がる実用化への挑戦
代表的な活用事例を教えてください。
上野:2025年4月、初号機「MBSLAB-ZERO」がATMOS Space Cargo社の衛星(SpaceX社ロケットで打上げ)に搭載され、宇宙空間への到達を実証しました。
現在は2027年の本格商用化に向けて実験機会を順次拡大しています。
応用分野では「発酵×宇宙」を先行テーマとし、酒造・醸造メーカーとの共同の取り組みを進めているほか、国内外の宇宙機関・大学・研究機関・企業13機関(4カ国)と協定(MOU)を締結し、創薬・食品・アグリ分野での宇宙実験の具体化を進めています。また、現在、マテリアル開発や半導体実証に向けた取り組みを行っております。
宇宙での研究開発に挑む企業を幅広く支援
どのような企業・スタートアップに活用してほしいですか?
上野:創薬・バイオ、食品・発酵、化粧品分野で、微小重力という地上にない環境を研究開発や新規事業のテーマ探索に活かしたい企業・スタートアップにご活用いただきたいです。
また、宇宙空間での実証実験や、宇宙を活用した商品開発などを検討されている企業様にもご活用頂きたいです。
宇宙分野の知見は不要で、「まず小さく試す」段階からご相談いただけます。
誰もが宇宙を活用できる時代への第一歩
宇宙活用や新規事業に挑戦する皆さまへのメッセージをお願いします。
上野:世界では宇宙の産業化に向けての動きが活発になっているなか、宇宙実験は、もはや一部の機関だけのものではありません。小さく・速く・低コストに試せる時代が始まっています。
微小重力環境には、地上では得られない発見の種があります。皆さまの技術やアイデアを宇宙で試す最初の一歩を、私たちがお手伝いします。
