- インタビュー
2023年05月26日
スタートアップに会いたい!Vol.65- 京急電鉄
- 京浜急行電鉄株式会社
坂巻 康治 - 新しい価値共創室
課長補佐
- 京浜急行電鉄株式会社
羽根 一貴 - 新しい価値共創室
主査
- 京浜急行電鉄株式会社
字引 里織 - 新しい価値共創室
主査
連載「スタートアップに会いたい!」では、KDDI ∞ Laboにパートナーとして参画する大企業80社以上が、スタートアップと共に取り組んでいきたい課題や、スタートアップへ提供できる多様なアセットについて解説するコーナーです。大企業全社の課題・アセットは「MUGENLABO支援プログラム 2023」からご確認いただけます。
名古屋鉄道に続く第65回目は京急電鉄です。京急電鉄の課題解決に挑戦したいスタートアップの皆様は、ぜひKDDI ∞ Labo事務局までご一報ください!
坂巻氏、羽根氏、字引氏に伺いました
何をしている会社ですか?
坂巻:当社は1898年(明治31年)に創立した鉄道を中心とした事業グループです。これまで120年以上にわたり人々の移動を支える移動インフラを中心に事業展開してまいりましたが、コロナ禍によってビジネスモデルを根底から見直さなければならなくなりました。
デジタルテクノロジーによって移動自体を便利にするだけでなく、外出の機会や行動範囲を拡げ、その”目的”となるような多彩で豊かな顧客体験を生み出し続けていくとともに、モビリティを軸として、それら顧客体験をシームレスに統合することで街や地域全体を活性化し、これまでにない新たなライフスタイルの提供を目指していきたいと考えております。また、VUCA時代特有の社会変化に対しても臨機応変に対応し、新しい価値を創出していくことも必要だと考えています。
これまでのオープンイノベーションの取り組み事例は?
羽根:これまではベンチャーキャピタルファンドへの出資や、直接投資などの取り組みを拡充してまいりました。また、共創・社会実装の場として3度のアクセラレータープログラムを開催し、その受け皿として品川エリアにオープンイノベーション拠点を構えるなど、スタートアップエコシステムの環境整備も進めております。これらの活動がうまくまわることで、顧客ニーズをとらえた新たな顧客体験の創出を目指してまいりました。
例えば、過去3回のアクセラレータープログラムでは累計約400社にご応募いただき、計22社を採択しました。当社グループが保有するアセットや顧客接点とスタートアップの技術やアイデア等を掛け合わすことで、新たな事業の発掘や既存事業のアップデートを図り、実証実験や共同事業化を行い、最終的には2社への直接出資に結びついております。
また、オープンイノベーション拠点「AND ON SHINAGAWA」は品川にあるコワーキングスペースで、スタートアップ企業や大企業だけでなく、大学や自治体、ベンチャーキャピタルなど多くのプレーヤーを巻き込み、アイデア創出から実行、スケールまでをN対Nで実現するオープンイノベーションコミュニティになっております。
京急電鉄イメージ
御社の課題は何ですか?スタートアップのみなさまへ求めていることは何ですか?
字引:当社にとってもちろんモビリティを軸として考えておりますが、当社を取り巻く周辺環境は大きく変わっており、社会変化で生まれる新たなニーズ・課題を捉えることが何より大切だと考えております。
鉄道業界ではまだまだDXが進んでおらず、事業環境の変化に対応した既存事業のデジタルテクノロジーによる効率化を中心にしつつ、社会課題や顧客課題を解決する新しい価値の創造という部分にもチャレンジしていきたいと考えております。
また、沿線地域と当社グループのサステナビリティが推進されることによって豊かなライフスタイルが創出されると思っております。
スタートアップへ御社から提供できるアセットはありますか?
羽根:当社グループにとって「沿線」こそが一番のアセットだと考えております。鉄道、バス、タクシーをはじめとして、グループのほとんどが沿線で事業展開をしております。品川や羽田空港、川崎、横浜、そして三浦半島と、エリアによってさまざまな特徴・特色がありますので、スタートアップの皆さんにとってもいろいろな可能性を感じていただけるのではないでしょうか。
また、当社グループはそれほど大きな組織ではない分、グループを機動的かつ横断的に使えることもメリットになるかもしれません。なお、リアルの場としては当社運営オープンイノベーション拠点「AND ON SHINAGAWA」を使うこともできます。
最後に一言お願いします
坂巻:当社のサービスがアップグレードされ新しい価値が生み出されれば、それを利用する沿線にお住いの皆さまのライフスタイルがより良い方向に変わっていくと考えております。
品川、羽田、川崎、横浜、逗子、葉山、鎌倉、横須賀、三浦など魅力的な地域をもっともっと魅力のあるまちににしていきたいので、同じ思いを持つスタートアップの皆さんと一緒に新しい価値を共創していきたいです!
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