スタートアップに会いたい！Vol.29-京セラ

京セラ株式会社 大崎　哲広: 研究開発本部オープンイノベーション推進部部責任者

連載「スタートアップに会いたい！」では、KDDI ∞ Laboにパートナーとして参画する大企業50社以上が、スタートアップと共に取り組んでいきたい課題や、スタートアップへ提供できる多様なアセットについて解説するコーナーです。大企業全社の課題・アセットは「MUGENLABO支援プログラム 2021」からご確認いただけます。

電通に続く第29回目は京セラです。京セラの課題解決に挑戦したいスタートアップの皆様は、ぜひKDDI ∞ Labo事務局までご一報ください！

大崎氏に伺いました

何をしている会社ですか？

大崎：弊社はファインセラミックスを応用した産業・自動車用部品、半導体関連部品、電子デバイス、情報・通信機器、医療用製品などの生産、販売を行っています。
近年では、「情報通信」「自動車関連」「環境・エネルギー」「医療・ヘルスケア」の4分野を重点市場と捉え、経営資源を集中し、事業活動を行っています。

今後は、既存事業の拡大と新規事業の双方による成長が重要と考えており、既存事業の拡大として、データセンター向け光通信、半導体メモリ、AIチップなどがかなりのスピードで伸びていくものと考えています。また、新規事業領域として、5GやADAS（Advanced Driver-Assistance Systems：先進運転支援システム）、再生可能エネルギーなどを注力分野として取り組んでいく考えです。今後も成長を持続していくうえで、多様かつ独自性の高い製品を他社に先駆けて開発し続ける必要があり、M&A、外部企業との業務・資本提携やベンチャーとの共同開発、オープンイノベーションなどの取り組みを積極的に進めて行きます。

これまでのオープンイノベーションの取り組み事例は？

大崎：京セラの研究開発では「情報通信」「自動車関連」「環境・エネルギー」「医療・ヘルスケア」の分野でそれぞれオープンイノベーションに取り組んでいます。

「情報通信」
横浜市・神奈川県住宅供給公社・若葉台まちづくりセンター・佐川急便・白山機工との共同で横浜市の団地における再配達削減や、宅配ボックスの利便性向上を目指したIoT宅配ボックスを設置して実証実験を進めています。
「自動車関連」
京都のベンチャーEVメーカーであるGLM社と、モビリティ関連の多数の先進技術を搭載したフル電動のコンセプトカーを作りました。また東京大学発ベンチャーの「先進モビリティ社」と各地で自動運転バスの実証実験を行っています。
「環境・エネルギー」
鹿児島県の日置市にあるソーラー発電施設と蓄電池、また発電機などを使って再生可能エネルギーの地産地消を行うエネルギーマネジメントの実証実験を行っています。
「医療・ヘルスケア」
ライオンと京セラが共同開発した子供向け歯ブラシ”Possi”やベンチャーであるAuB社と腸内フローラの解析データを用い、人の健康維持やアスリートのパフォーマンス向上の研究を進めています。

他にも地域のベンチャーとの共創プログラムなどに参加、実証実験の場の提供や支援を進めています。

御社の課題は何ですか？スタートアップのみなさまへ求めていることは何ですか？

大崎：弊社の事業は部品事業が主体であり、これまでは顧客が抱える様々な課題の解決を行ってきました。現在は社会が急速に変化しており、今や顧客でも先行きが見えない状況となっています。

そのような中で、今後の社会への価値創出に関して、スタートアップと一緒に考えていき、社会課題の解決に向けて連携していきたいと思っています。また、もの売りビジネス偏重から脱却し、「もの x こと」へシフトしたいと考えております。そのような観点で強みのあるスタートアップには是非お声がけいただきたいです。

スタートアップへ御社から提供できるアセットはありますか？

大崎：下記の二点、ご用意しております。是非一度当社と面会の上、詳細をご説明できれば幸いです。

京セラ電子デバイス（開発品）貸出
　プロトタイプ作成支援、研究開発段階のデバイス貸出
　 ※詳しくは当社と面会時に紹介いたします。
京セラみなとみらいリサーチセンター共創施設
　オープンイノベーションを一層推進するための「共創スペース」として利用
　ピッチ開催サポート
　 ※詳しくは下記当社HPをご確認下さい。