SXSW2022概要

SXSWとは、毎年3月にテキサス州オースティンにて開催される、音楽・映画・インタラクティブなどを組み合わせた大規模なイベントです。かつてはTwitterやFoursquare、Airbnbなどを世に送り込んだイベントとしても知られ、スタートアップの登竜門とも言われます。

ルーツは1987年にインディーズの音楽フェスティバルとして開始されたことだそうですが、その後年々規模を拡大して、映画やゲームなどのエンタメコンテンツや、最新のテック企業が集まる複合型のイベントとして成長してきました。2019年には100か国以上から40万人を超える来場者が集まったと見られています。

他の世界規模のイベントと同様、パンデミックの影響を受け、SXSWも2019年以降は現地での開催を見送ってきましたが、今年は実に3年ぶりの現地開催を実現しました。VRChat上でもオースティンの街を模したバーチャル会場が用意され、オンラインとのハイブリッド開催となりました。

今年の来場者数は、例年の75～80％程度に留まったと推定されていますが、それでも開催地周辺のホテルはほぼ満室状態で、開催地に向かうフライトも満席、イベント期間中も街全体が人で溢れ、パンデミックであることを忘れさせるほど盛況であったように感じました。

ただ、私は今回初めての参加だったので盛況であったように感じましたが、現地で知り合ったオースティン在住の方によると、例年と比較して盛り上がりは欠けていたそうです。海外からの出展者、来場者がめっきり減ってしまったことが大きな要因とのことでした。

SXSW2022の見どころ

SXSWの特徴として、街の特定の会場だけでイベントが催されるのではなく、周辺のホテルやカフェ、公園など街のいたるところでカンファレンスやセッション、各企業のブース出展がなされており、オースティン全体がお祭りモードとなってこのイベントを盛り上げます。

各地で街を歩いていると突然ドローンが飛んできたり、大音量で音楽が流れてきたり、ウォールペインティングのパフォーマンスが始まったりと、他のテックカンファレンスやイベントにはない独特な雰囲気のあるとても面白いイベントでした。地元の参加者なのか家族連れで参加している人を何組も見かけ、展示会場で子どもが走り回っていた光景もまた衝撃的でした。

今年のSXSWでは、バズワードとしてすっかり浸透してきたNFTのほか、WEB3、メタバース、クリエイターエコノミーなどといったテック界隈でのホットトレンドが、セッションやブースでも頻繁に取り上げられました。考えてみれば、もともと音楽や映画などのコンテンツを発端とするSXSWがNFTやクリエイターなどに注目するのは当然のこととも言えます。

中でもMeta(旧Facebook)CEOのMark Zuckerbergがバーチャルで登壇したセッションは最も広いセッション会場が満席となりました。このセッションで、数ヵ月後にInstagramでNFTが導入されることが発表されました。また、女性起業家やLGBTQに焦点を当てたブースやイベントも活発だったように思います。

次回のレポートでは、

• 注目を集めた出展ブースやセッション（主にNFTプロジェクトなど）
• SXSW Pitch（計9ジャンル、45社のスタートアップピッチ）
• CREATIVE INDUSTRIES EXPO（SXSWで最大の展示会）

などの様子をそれぞれ取り上げていきたいと思います。ご興味のある方は、是非第二部/第三部をご一読いただければと思います。

（第二部に続く）