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2022年01月12日

アメリカで急成長したスマートロッカー「Luxer One」を実際に使ってみた

KDDI Open Innovation Fundのサンフランシスコ拠点では、北米や欧州のスタートアップ企業への投資や事業連携を目的として活動しています。このコーナでは現地で発見した最新のテクノロジーやサービス、トレンドなどをKDDIアメリカの一色よりお送りします。

第一弾としてアメリカで生活を始めてから日常的に活用しているスマートロッカーと、世界のスマートロッカー事情について紹介いたします。


一色 望KDDIアメリカ
本誌の記者。KDDIオープンイノベーションファンドのアメリカ サンフランシスコ拠点でスタートアップとKDDIの事業創造を目指し、ディールソーシング(投資先探し)と投資評価に取り組み、既存の投資先企業もサポートしながらMUGENLABO Magazineの制作に携わる。趣味は世の中のトレンドサーチと、美味しいお店巡り、旅行、ジム通い。
一色一色
今回のレポートでは、アメリカで生活を始めてからすっかり日常的に活用しているスマートロッカーと、世界のスマートロッカー事情についてご紹介します!

アメリカ サンフランシスコ発のスマートロッカー「Luxer One」とは

Luxer Oneは、安全な配送と便利な荷物の受け取りを可能にする、スマートロッカー業界をリードするスタートアップです。
2014年の設立以降、米国とカナダを中心に急成長を遂げ、4年あまりで市場シェアの約3割を獲得しました。その後、2018年にセキュリティやアクセス制御の大手グローバルカンパニーであるスウェーデンのASSA ABLOYに買収されています。
Luxer Oneのスマートロッカーはオフィス、住居用マンション、図書館などの公共施設、大学などに導入されています。
サンフランシスコ近辺に住んでいる知り合いなどに聞いてみても、戸数の多い大規模マンションであるほど、Luxer Oneが導入されている割合が高い気がします。
Luxer Oneが併設されているマンションの場合は、ECなどの荷物の受け渡しはすべてLuxer Oneのロッカーを介して行われます。
たとえ自宅にいる時間帯であっても、対面で受け取る必要はありません。
従来の米国の大規模マンションの荷物管理は、ロッカールームが一室用意されていて、そこにすべての配送物が格納され、住人はそこで自分の荷物を探す仕組みだったようです。
この場合、
・山積された荷物から自分の荷物を探し出せず時間がかかる
・他の住人に届いた荷物を間違えて持って帰ってしまう
などの課題がありましたが、Luxer Oneのソリューションによってこれらを解決することができます。


Luxer One

実際に使ってみた

使い方はごく簡単です。

  1. Luxer Oneのアプリをダウンロードして、アカウントを作ります。
  2. 荷物がマンションに併設されているロッカーに届いたら、アプリやメールによってリアルタイムで通知が来ます。
  3. ロッカールームに行き、ロッカーに併設されているタブレットにアプリ上で表示されるQRコードをスキャンするか、4桁のセキュリティ番号を入力します。その後、サインをします。
  4. サインが完了したら、荷物が入っているロッカーが自動的に開けられます。
  5. 荷物を取り出したら、扉を主導で閉めます。

受け取り以降のフローは、日本でヤマト運輸さんが展開するPUDOとほぼ近しいのですが、
日本の場合はまだこのようなスマートロッカーが住居に併設されているケースは少なく、受け取り場所の指定が必要です。

一色一色
マンションに併設されているロッカーも、自宅の鍵と連動しているものは多いですが、アプリで完結するものはあまり見かけないように思います!


ロッカー画面

世界各国のスマートロッカー事情

世界のスマートロック市場の需要は2028年までに4,190万台に達し、2021年から2028年にかけて21.4%のCAGRを記録すると予測されており、今後も拡大基調が見込まれています。
少し調べると、中国でも2010年ごろからアリババなど大手をはじめスマートロッカー事業への参入が著しく、アプリで荷物の受け渡しができることはもちろん、配送状況の確認や、集荷依頼、受け取りの際の本人確認の顔認証機能なども入っているそうです。
現在では有名コーヒーチェーンなど、店舗併設型のデリバリー専用スマートロッカーの導入が増えているようです。これに伴い、商品をミニプログラムで購入し、スマートロッカーでドリンクを受け取る、というピックアップ購入の流れがユーザーに定着しています。

また、ヨーロッパではポーランド発のInPostというスマートロッカーが人気のようで、ポーランド国内の約4割近くの荷物を同社で扱っているそうです。機能は中国のものと似ていて、アプリと連動した荷物の受け取りのほか、追跡や集荷依頼もできるようになっています。設置箇所は日本のスマートロッカー同様、住居よりも街中に設置されているケースが多いようです。

一色一色
今回は、世界的に成長を続けるスマートロッカーについて調べてみました。
コロナ禍において社会課題となったラストワンマイル問題や、非接触型の荷物の受け渡しのソリューションとして今後の発展が注目されそうです。
荷物の配送だけでなく、フードデリバリーやピックアップなど他業態との親和性も高いため、日本においても今後、オフィスや店舗、住居などで、より普及していくのではないでしょうか。
また、スマートロッカーの周辺領域としてセキュリティ、スマートホームなどもこの市場成長を後押しする要因になると考えられますので、引き続きウォッチしていきたいと思います!

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