
2026年05月18日
ロボットが変える、 風力発電の現場 - LEBO ROBOTICS
- LEBO ROBOTICS株式会社
代表取締役 - 浜村 圭太郎
2026年5月14日、KDDI ∞ Laboの月次全体会において、スタートアップ4社が大企業に向けてピッチを行った。登壇されたスタートアップにMUGENLABO Magazine編集部のめぇ〜ちゃんがインタビューを行ったので皆様にご紹介!
今回はLEBO ROBOTICS。風力発電ブレードの点検・補修をロボットと3Dデータ活用で高度化し、現場の安全性と効率を飛躍的に高めることを目指すスタートアップ。LEBO ROBOTICS 代表取締役の浜村 圭太郎氏に話を伺った。
目次
めぇ〜ちゃん- LEBO ROBOTICSは、高所での危険な作業や人手不足といった課題に向き合い、現場データをもとに「安全・高効率・低コスト」を同時に実現するメンテナンスの仕組みを構築するスタートアップです!風力発電を支える仕事そのものを進化させ、持続可能なエネルギー社会の実現に貢献しています。
風力発電の成長を支える、もう一つのインフラ
事業概要を教えて下さい
浜村 :LEBO ROBOTICSは、風力発電の拡大に伴って顕在化しているメンテナンスの課題に向き合うために立ち上げた会社です。風力発電機のブレードは、雨風や落雷などによって損傷しやすく、放置すると発電効率が大きく低下します。しかし、点検や補修は地上100メートル近い高所で行う必要があり、危険で専門性も高い作業です。そのため、世界的に作業員が不足し、コストも上がり続けています。結果として点検頻度が十分に確保できず、発電ロスが生まれているのが現状です。
私たちはこの構造的な課題に対して、ロボットとAIを活用したメンテナンスの仕組みを提供しています。具体的には、ブレード上を移動して補修を行うブレードメンテナンスロボットの開発・提供や、ドローン等で取得した画像をAI解析する点検サービスに加え、高耐久・速乾性を備えた補修材の開発・販売やメーカーとの共同開発までを一体で展開しています。
これにより、高所作業の安全性を高めながら省人化を実現し、作業効率の向上とコスト削減につなげています。
最終的には、点検・診断・補修をデータでつなぎ、予防保全を実現することで、風力発電の安定稼働と発電効率の最大化に貢献したいと考えています。LEBO ROBOTICSは、再生可能エネルギーを支えるインフラとして、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

サービスイメージ
運用に潜むボトルネック
創業のきっかけを教えてください
浜村 :LEBO ROBOTICSが風力発電のメンテナンスにロボットで挑戦しようと考えたきっかけは、再生可能エネルギーの普及における“ボトルネックが運用にある”と気づいたことです。風力発電は今後大きく拡大していく一方で、実際の現場では高所での危険な作業や人手不足、コストの増大といった課題があり、特にブレード補修は人に大きく依存しています。このままでは、設備が増えても安定的に運用していくことが難しくなると感じました。
また、現場を知る中で、過酷な環境で作業する人の負担の大きさにも強い課題意識を持ちました。
そこで私たちは、ロボット技術によってメンテナンスを効率化・安全化することで、再生可能エネルギーの普及そのものを加速できるのではないかと考え、この領域に挑戦しています。
人手依存からの脱却──ロボットが担う次世代メンテナンス
現場や事業者の方にどんな変化が生まれていますか
浜村 :LEBO ROBOTICSのロボットやサービスを導入いただくことで、現場と事業者の双方に大きな変化が生まれています。
まず現場では、これまで人が行っていた高所での危険な作業をロボットが担うことで、安全性が大きく向上しました。特に猛暑など過酷な環境下でも、負荷の高い作業をロボットが代替できるため、作業員の負担軽減にもつながっています。また、ロボットで対応可能な作業と人手でしかできない作業を切り分けることで、全体の作業効率が大きく改善しました。
さらに、ロボットは短い周期で安価・安全・短時間での作業が可能なため、定期メンテナンスとして計画的に組み込むことができるようになりました。その結果、突発的な補修と切り分けた運用が可能となり、事業者にとってはコストの予見性が高まり、管理がしやすくなるというメリットも生まれています。
事業者の観点では、作業時間の短縮により風車の停止期間が減り、発電ロスの低減にもつながっています。加えて、作業の標準化によって品質のばらつきが減り、安定した補修が実現されています。私たちは、単に作業を代替するだけでなく、風力発電の運用そのものをより効率的で持続可能な形へ変えていくことを目指しています。

サービスイメージ
点検・補修・運用を変える、現場起点のイノベーション
実際に導入した企業や現場からは、どのような反応や声が届いていますか
浜村 :ドローンや地上の望遠カメラを活用した風車点検を、日本で本格的に商業導入したのは私たちであると自負しています。導入いただいた風力発電事業者からは、「点検後の写真整理や報告書作成にかかる手間が大幅に削減された」との声をいただいています。従来はWordやExcelへの貼り付け作業に多くの時間を要していましたが、弊社のサービスにより作業工数は約1/10に削減されました。その結果、データ評価や補修計画の検討など、本来注力すべき業務に時間を使えるようになり、業務の効率化だけでなく質の向上にもつながったと高く評価されています。
欧米市場を見据えた、次世代補修モデル
先日発表された新たな取り組みについて、なぜ今発表されたのか詳細を教えて下さい
浜村 :今回このタイミングで3Dデータ活用について発信したのは、ブレード補修ロボットの“完全自動制御化”に向けた取り組みを本格的に開始したためです。
当社は開発当初から、単なる作業支援ではなく、将来的な完全自動化を前提にロボットを設計してきました。そのため、カメラやスキャナに加え、多様なセンサーを搭載し、現場の状態を高精度にデータ化できる基盤を構築しています。
現在はこれらのセンサーデータをもとに、人がパラメータを設定して運用していますが、2027年春には、3Dデータを活用した完全自動制御型ブレード補修ロボットのローンチを予定しています。
この自動化により、
- 作業効率は従来比で3〜4倍
- コストは約1/3
まで削減できる見込みです。
さらに、日本より人件費が約3倍高い欧米市場に展開することで、人手作業を前提としてきた従来の補修モデルを根本から置き換える、高い競争力を持つソリューションになると考えています。すでにドイツに100%子会社として欧州拠点を設立し、今年から欧米市場への本格参入を目指しています。

サービスイメージ
美しい世界を、次の世代へ
LEBO ROBOTICSが目指す、これからのエネルギー社会や仕事のあり方について教えてください
浜村 :LEBO ROBOTICSは、叶えたいVisionとして「Comfortable Living, Sustainable Future」を掲げ、人々の快適な生活と環境保全が両立する社会の実現を目指しています。創業者は、経済発展の裏で自然が失われていく現実を各国で目の当たりにし、利便性と環境のトレードオフに強い問題意識を持ちました。
私たちは、快適な暮らしを否定するのではなく、日々使用するエネルギーをできる限り再生可能エネルギーへと転換することで解決すべきだと考えています。自由な発想と技術で再生可能エネルギーの普及を加速させるとともに、風力発電の運用効率を高め、人の働く環境も改善する。小さくとも確かな一歩を積み重ね、次世代に持続可能で美しい世界を残すことに貢献していきます。
KDDI 山本- ★推しポイント★
LEBO ROBOTICSの魅力は、再生可能エネルギーという大きなテーマを、現場のリアルな課題から変えにいっている点です。風力発電はクリーンで理想的なエネルギーですが、その裏側では高所で危険な作業や人手不足といった課題が積み重なっています。
LEBO ROBOTICSは、ロボットとAI、そして3Dデータを活用することで、そうした無理のある仕事を仕組みとして置き換えようとしています。効率やコスト改善はもちろん、人が安心して働ける環境をつくること。そして再生可能エネルギーが“持続的に回り続ける社会”を支えること。その両立に本気で向き合っているスタートアップであり注目の一社です!
それでは次回もお楽しみに♪


