
2026年05月14日
現場に、すぐAIロボ。すべての人が「やりがい」と「創造性」に集中できる社会を実現- Muso Action
- Muso Action 株式会社
村山 龍太郎 - 代表取締役社長CEO
2026年4月28日、KDDI ∞ Laboの月次全体会において、スタートアップ3社が大企業に向けてピッチを行った。登壇されたスタートアップにMUGENLABO Magazine編集部のめぇ〜ちゃんがインタビューを行ったので皆様にご紹介!
本日ご紹介するのは、業界別のロボット基盤モデル(VLA)とスマートな力制御の技術を組み合わせ、汎用ロボット向けのソフトウェアを開発するMuso Action。
今回は、Muso Action代表取締役社長CEOの村山 龍太郎氏に話を伺った。
目次
めぇ〜ちゃん- 『Muso Action』は、ロボット基盤モデルを活用し、物流・製造・小売の軽作業を自動化する汎用ロボットワーカーの提供をしています。
現場起点で進化する、Muso Actionのロボティクス戦略
Muso Actionの事業概要や、どんな課題に取り組んでいるのかを教えてください
村山 :Muso Actionは、ロボット基盤モデル(生成AIの技術を活用したロボット動作を生成するソフトウェア)を活用した「汎用ロボットワーカー:Muso Roid」を、製造・物流・小売などの現場に提供するスタートアップです。
月額課金制のRaaS(Robot as a Service)モデルにより、人手不足が深刻化する現場の軽作業を、ロボットが人の代わりに担うことを目指しています。特に「力加減」を要する繊細な作業や、人との協働が求められる現場に強みを持ち、力制御と遠隔操作技術をコア技術に据えている点が最大の特徴です。
少子高齢化に伴う労働人口の急減という構造的な社会課題に対し、単なる自動化装置ではなく「現場で人と並んで働く仲間としてのロボット」を実装することで、持続可能な労働環境の実現に取り組んでいます。自らが現場に立ち、一次情報をプロダクトに還元し続けることも、私たちが大切にしている姿勢です。

サービスイメージ
10年以上のロボット開発経験から見えた、“次に解くべき課題”
創業のきっかけを教えてください
村山:創業の原点は、私自身がSoftBankでのPepper、GROOVE XでのLOVOT、Preferred RoboticsでのKachakaなど、10年以上にわたりロボット事業の最前線に携わってきた経験にあります。
コンシューマー向け・業務向け双方のロボットを世に送り出す中で痛感したのは、「現場の軽作業」こそがロボット化の最大のフロンティアであり、同時に最大の未開拓領域だということでした。工場、倉庫、店舗のバックヤードには、「人にしかできない」とされてきた細やかな作業が無数に存在します。
一方、近年の生成AIの急速な進化により、これまで自動化が不可能だった多品種少量・非定型の作業にも、ロボットが対応できる道筋が一気に開けてきました。
「技術の潮目と社会課題が交わる、今このタイミングでやらなければならない」という強い確信を持ち、Muso Actionを創業するに至りました。
現場責任者が本来の仕事に集中できる環境を、ロボットで実現する
現場の課題や、ロボットを導入することでの現場の変化を教えてください
村山:製造・物流・小売の現場では、採用難と定着難が年々深刻化しています。ピッキング、仕分け、検品、箱詰め、品出し、組立てなど、一見単純に見える作業でも「人が集まらない」「夜勤シフトが埋まらない」「ベテランが辞めると品質が保てない」という声が絶えません。現場責任者は本来の管理や改善業務ではなく、日々のシフト穴埋めに追われているのが実情です。Muso Actionの汎用ロボットワーカーは、こうした軽作業を人と並んで24時間こなすことを目指しています。導入後は、現場責任者が本来の付加価値業務に集中でき、従業員はより高度な工程や判断を要する仕事に移れるようになります。結果として、採用・教育コストの削減、稼働率の向上、そして何より「働く人が疲弊しない現場」への転換が進みます。ロボットが単なるコスト削減手段ではなく、現場の働きがいを取り戻す存在になる——これが私たちの目指す変化です。

サービスイメージ
力制御×生成AIで実現する、新しいロボットのかたち
「汎用ロボットワーカー」は、他の産業用ロボットとは何が違うのでしょうか
村山:従来の産業用ロボットは、あらかじめ決められた動きを高速・高精度で繰り返すことに特化しており、タスクが変わるたびに高額な再ティーチングや治具の作り直しが必要でした。
一方、Muso Actionが提供する「汎用ロボットワーカー:Muso Roid」は、ロボット基盤モデルを活用し、人と同じように「状況を見て、判断して、手を動かす」ことができます。力制御と遠隔操作も組み合わせることで、柔らかい対象物を壊さず掴む、ロボットが失敗したら遠隔オペレーターが支援する、といった現場で必須の柔軟性を実現しています。
また、月額課金モデルのため、大掛かりな初期投資や専門技術者を社内に抱えることなく導入できる点も大きな違いです。単一タスク専用機ではなく、「人のように複数の仕事を覚え、現場ごとに適応していく働き手」としてのロボット——これが、私たちが大手競合と一線を画す最大の差別化ポイントです。
「人機協働」が当たり前になる社会へ──Muso Actionが描く未来
Muso Actionが目指している、これからの働き方や社会の姿について教えてください
村山:Muso Actionが目指すのは、「人が足りない仕事」から順にロボットが肩代わりしていく社会です。
労働人口が急減していく日本で、すべての現場に人を配置し続けることはもはや現実的ではありません。だからこそ、汎用ロボットワーカーが人と並んで働く「人機協働」の世界を、できるだけ早く社会実装したいと考えています。
ロボットが現場の軽作業を担うことで、人はより創造的で、人間らしい判断や対人スキルを発揮する仕事に専念できるようになります。工場や倉庫で働く人々の尊厳を守りながら、日本が世界に誇るものづくり・物流インフラを次の50年へとつないでいく。これは単なる自動化ではなく、「働く」という行為そのものを再定義する挑戦だと捉えています。Muso Actionは、その未来を最前線で切り拓くチームでありたいと思っています。
KDDI 瀬戸谷- ★推しコメント★
Muso Actionの魅力は、単なる“ロボット開発企業”ではなく、人手不足が深刻化する製造・物流・小売の現場に対し、「人と協働するロボット」を本気で社会実装しようとしている点にあると思います。生成AIを活用したロボット基盤モデルに加え、力制御や遠隔操作技術を組み合わせることで、従来は自動化が難しかった繊細な軽作業にも挑戦しているのが特徴で、特に印象的だったのは、机上の理論ではなく、実際に現場へ入り一次情報をもとにプロダクトを磨き続けている姿勢です。単なる省人化ではなく、“働く人が疲弊しない現場”を目指している点に、Muso Actionならではの思想と可能性を感じています。
それでは次回の記事もお楽しみに♪


