- インタビュー
2024年03月05日
若手外国人材キャリアプラットフォーム「JPort」〜外国人も日本人も安心できる社会インフラ〜 -SPeak
- 株式会社SPeak
唐橋宗三 - 代表取締役CEO
KDDIは、日本最大級の若手外国人材コミュニティ・キャリア支援するコンテンツサイト「JPort Journal」を展開するスタートアップ株式会社SPeakへ出資したことを公表しました。「KDDI Open Innovation Fund 3号」を通じたもので、出資額や評価額などの詳細は非公開。
今回は代表取締役CEOの唐橋宗三氏にお話を伺いました。
代表取締役CEOの唐橋宗三氏に伺いました
何をしている会社ですか?
唐橋:各国から日本の大学で学ぶ・働く若手外国人材のための日本最大級の若手外国人材コミュニティ・キャリア支援するコンテンツサイト「JPort Journal」および企業人事が若手外国人材へグローバル採用広報できるプラットフォーム「JPort Match」の2つのプロダクトを展開しています。5,000名以上の優秀な若手外国人材が利用しています。個人顧客(以下、Cユーザー)は利用料無料・法人顧客(以下、Bユーザー)の方々は企業規模に応じた年間掲載料課金となり、東京海上グループのような超大手や地元優良準大手・中堅企業や外資企業など幅広い企業で、海外展開やダイバーシティ推進を目的にグローバルな知名度アップ・母集団形成を可能にしています。Cユーザーである若手外国人材の約9割の方々が日本での就職を希望しているにも関わらず「就職率35%」となっている中で、日本という異国の地で「JPort」のコミュニティ・コンテンツは若手外国人材ユーザーの人生の一番近くに寄り添い、一番長く中心にいる存在です。詳しくは、IVSLAUNCHPAD2023KYOTOのファイナリスト登壇ピッチをご覧いただければ幸いです。
JPortサービスイメージ
なぜ会社を立ち上げたのですか?
唐橋:Global People make Global Companies & Societyというビジョンへ向かい、日本での国籍のDEIを推し進め、グローバル人材先進国にするために起業しました。私自身の原体験を紐解くと、神奈川県出身のふつうの日本人として生まれ育ったのですが、16歳で日本の高校を中退、単身アメリカ東海岸の高校・大学へと8年間留学したことで人生がダイバーシティにより彩られました。日本という国が持つポテンシャルや課題を身に染みて感じました。外国人の妻とも米国で出会い、日本で結婚してからは10年以上、妻は「外国人」として、そして母として一緒に生活しています。外国人の妻を持つことが、Borderless Japanへの想いを、より強くし、自分ごととして日々感じられていることに間違いはないです。しかし、何よりも一番の起業のきっかけとなったのは、社会人大学院時代に出会った、たくさんの優秀な若手外国人材との出会いでした。すごく優秀な留学生が「就職でES苦戦してて落ち込んでる」「クレカや携帯が契約できなかった」「また家借りるのに外国人NGだった」と言った声に日々触れ、このままでは日本は今後増加すると言われている若手外国人材から「選ばれない国」になってしまうと強く危機感を覚え、グローバルなヒトと会社、日本社会をより良くするために自分がやらなければいけないと強く感じました。
▼【創業者のダイバーシティ原点】SPeak代表・唐橋の人生を変えた出会い
(https://note.jporthr.jp/n/n263916a87531?magazine_key=mbe40ebe98733#vWnHZ)
これからの目標はありますか?
唐橋:当社はキャリアの会社ではありません。日本を優秀な若手外国人材にとってインクルーシブで選ばれる国にし、日本人も外国人も安心できる社会インフラを作る会社です。今後は、キャリア事業の強化だけでなく、若手外国人材の日本での2番目の課題である「金融」、3番目の課題「住まい」を解決するために、JPortが「Japan's Passport」に発展を遂げて、現在のCユーザーである若手外国人材向けFintechサービスを展開していきます。社会インフラとしてJPortを展開し、外国人材市場開拓を狙う様々なサービス提供される事業会社の方々と連携して、ユーザーの幸福度向上およびサービス事業会社へ安心ができる新たな消費者市場の開拓に貢献していきます。「外国人」というあまりにも粗いカテゴリーで判断するのではなく、「ひとり・ひとり」のポテンシャルやリスクを見える化していきます。
KDDIからの出資を通して期待していることはありますか?
唐橋:まずは、日本を代表する通信会社であるKDDIのアセットをJPortのコミュニティやコンテンツと連動させていただければと思っています。将来的には、当社のCユーザーである若手外国人材市場へ対して、日本で暮らすために必要不可欠な通信インフラをJPort x KDDIといった形でサービス提供していければと期待しています。また、KDDIの方々は、オープンイノベーションに先進的に取り組んできたイメージがすごくあるので、直接的な事業シナジーももちろんですが、スタートアップの事業成長・企業価値向上を目指していく際に、ノウハウやネットワークにおいても私たちが学ばせていただけることが非常に多いのではと期待しています。
最後に一言お願いします
唐橋:キャリア・金融・住まいの分野で連携ができる方々とぜひ情報交換をさせていただければと思っています。日本を優秀な金の卵(日本の大学で学び、日本の会社で働く若手外国人材)にとって、よりインクルーシブで安心できる国にすることは、SDGsの10個目の目標「人や国の不平等をなくそう」に直接つながります。ぜひ三方よしとなりそうな事業共創が考えられそうであればぜひディスカッションから始めさせていただければ幸いです。