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2026年05月11日

日本で学ぶ外国人材が「力を発揮できない」構造を変える「JPort」の挑戦 - SPeak

株式会社SPeak
唐橋 宗三
代表取締役CEO

2026年4月28日、KDDI ∞ Laboの月次全体会において、スタートアップ3社が大企業に向けてピッチを行った。登壇されたスタートアップにMUGENLABO Magazine編集部のめぇ〜ちゃんがインタビューを行ったので皆様にご紹介!

本日ご紹介するのは、外国人材を支援するプラットフォームを運営するSPeak


今回は、SPeak代表取締役CEOの唐橋 宗三氏に話を伺った。


 

めぇ〜ちゃんめぇ〜ちゃん
SPeakは、主に日本で学び・働きたいと考える若手外国人材と、グローバル人材を求める企業をつなぐプラットフォームを展開しています。今回は、SPeak代表取締役CEOの唐橋 宗三さんに話を伺いました!

若手外国人材を支える2つのプロダクト

サービス概要を教えてください。

唐橋 :各国から日本の大学で学ぶ・働く若手外国人材のための日本最大級の若手外国人材コミュニティ・キャリア支援するコンテンツサイト「JPort Journal」および企業人事が若手外国人材へグローバル採用広報できるプラットフォーム「JPort Match」の2つのプロダクトを展開しています。

11,000名以上の優秀な若手外国人材が利用しています。個人顧客(以下、Cユーザー)は利用料無料・法人顧客(以下、Bユーザー)の方々は機能に応じた年間掲載料課金となり、東京海上ホールディングス・住友林業・亀田製菓のような大手や地元優良準大手・中堅企業・中小企業や外資企業など幅広い企業で、海外展開・理系人材・ダイバーシティ推進・外国人マネジメントを目的にグローバルな知名度アップ・母集団形成を可能にしています。

Cユーザーである若手外国人材の約9割の方々が日本での就職を希望しているにも関わらず「就職率35%」となっている中で、日本という異国の地で「JPort」のコミュニティ・コンテンツは若手外国人材ユーザーの人生の一番近くに寄り添い、一番長く中心にいる存在です。詳しくは、IVSLAUNCHPAD2023KYOTOのファイナリスト登壇ピッチをご覧いただければ幸いです。

「このままでは、日本は選ばれなくなる」—— 創業の原点

若手外国人材キャリアプラットフォーム「JPort」を始めようと思った、創業のきっかけを教えてください。

唐橋:Global People make Global Companies & Societyというビジョンへ向かい、日本での若手外国人材のための社会インフラを推し進め、グローバル人材先進国にするために起業しました。私自身の原体験を紐解くと、神奈川県出身のふつうの日本人として生まれ育ったのですが、16歳で日本の高校を中退、単身アメリカ東海岸の高校・大学へと8年間留学したことで人生がダイバーシティにより彩られました。日本という国が持つポテンシャルや課題を身に染みて感じました。

外国人の妻とも米国で出会い、日本で結婚してからは10年以上、妻は「外国人」として、そして母として一緒に生活しています。外国人の妻を持つことが、Borderless Japanへの想いをより強くし、自分ごととして日々感じられていることに間違いはないです。

しかし、何よりも一番の起業のきっかけとなったのは、社会人大学院時代に出会った、たくさんの優秀な若手外国人材との出会いでした。すごく優秀な留学生が「就職でES苦戦してて落ち込んでる」「クレカや携帯が契約できなかった」「また家借りるのに外国人NGだった」と言った声に日々触れ、このままでは日本は今後増加すると言われている若手外国人材から「選ばれない国」になってしまうと強く危機感を覚え、グローバルなヒトと会社、日本社会をより良くするために自分がやらなければいけないと強く感じました。

▼【創業者のダイバーシティ原点】SPeak代表・唐橋の人生を変えた出会い
https://note.jporthr.jp/n/n263916a87531?magazine_key=mbe40ebe98733#vWnHZ

サービスイメージ

なぜ今、外国人材のキャリア支援が必要なのか

「JPort」はどのような課題を解決するために開発されましたか。具体的にお聞かせください。

唐橋:JPortは、「日本で学ぶ外国人材が、その力を十分に活かしてキャリアを築けていない」という課題を解決するために開発されました。

現在、日本には多くの優秀な留学生が存在する一方で、実際に日本企業に就職できる割合は30〜40%程度にとどまっています。その背景には、日本特有の就職活動(いわゆる“就活”)の仕組みや情報の非対称性、そして企業側の受け入れ体制の不足があります。

特に学生側においては、

  • 就職活動の進め方が分からない
  • 身近にロールモデルがいない
  • 情報が不足していることによる不安
  • 自信を持って挑戦できない

といった課題を抱えており、本来の能力を発揮できないまま機会を逃してしまうケースも少なくありません。
さらに企業側においても、

  • 海外展開を推進するためのグローバル人材の獲得競争の激化
  • 理系人材の慢性的な不足
  • 知名度の観点から優秀な人材にリーチできない
  • 増加するエッセンシャルワーカーとしての外国人材のマネジメントや通訳対応の負担

といった複合的な課題を抱えています。

その結果として、
学生は「どの企業が自分に合うのか分からない」
企業は「優秀な人材に出会えない・活かし方が分からない」
というミスマッチが生まれています。

JPortは、こうした構造的なギャップを解消し、外国人材と企業双方にとって最適なマッチングを実現することを目的としています。さらに現在のキャリア支援事業を通じて蓄積されるデータベースは、今後展開していく金融(クレジットカード・口座開設)や生活支援(住まい・通信・保険など)といった領域の基盤にもなっています。外国人材は、キャリアだけでなく「信用」「住居」「生活インフラ」といった面でも多くの課題を抱えており、JPortはそれらを一体的に解決するプラットフォームへと進化していきます。

これにより、単なる就職支援にとどまらず、若手外国人材が日本で安心して働き、生活し、長期的に活躍できる環境づくりに貢献していきます。

サービスイメージ

ただの求人ではない。「コミュニティ×データ」というアプローチ

外国人材向けのキャリア支援サービスは他にも存在する中で、具体的な機能や他の類似サービスとの違いについてお聞かせください。

唐橋:JPortの特徴は、「単なる求人サービスではなく、コミュニティとデータを基盤としたキャリアプラットフォーム」である点です。多くのサービスが「求人掲載」や「人材紹介」に留まる中で、JPortは以下の3つを一体で提供しています。

  1. 留学生コミュニティ(JPort Journal)
    学生同士や先輩とのつながりを通じて、キャリア情報や実体験を共有するコミュニティを形成しています。
    これにより、就活における心理的ハードルを下げ、主体的な意思決定を支援します。
  2. マッチングプラットフォーム(JPort Match)
    理系・グローバル志向の学生など、既存の求人媒体ではリーチしにくい層に対して、
    企業が直接アプローチできる仕組みを提供しています。
    なお、双方向型のため、学生側からの応募が増えるだけでなく、希少人材に対して、企業側からスカウトを送ることも可能です。
  3. キャリアデータの蓄積
    学生の志向性や行動データをもとに、より精度の高いマッチングや企業へのフィードバックを実現しています。

これらを組み合わせることで、「出会う前」から「活躍するまで」を一貫して支援できる点が、他サービスとの大きな違いです。

JPortが生んできた、確かな手応え

導入実績やお客様からの評価や感想をお聞かせください。

唐橋:現在、JPortの2つのサービスは11,000名以上のユーザーにご利用いただいており、月間PV数も数十万規模に成長しています。留学生にとっては、就職活動について学ぶだけでなく、「外国人材採用に積極的な企業と出会える場」として認知が広がってきています。

また、事業としても高い成長を続けており、ARRは前年比約270%の成長を記録しています。実際に、JPort Match上での年間マッチング数は5,000件を超えており、企業と留学生の接点創出において着実に実績を積み上げています。

東京海上ホールディングス・住友林業・亀田製菓のような大手や、地元優良準大手・中堅企業・中小企業、外資企業など幅広い企業で、海外展開・理系人材・ダイバーシティ推進・外国人マネジメントを目的に、グローバルな知名度アップ・母集団形成を可能にしています。

企業様からは、
「これまで接点のなかった優秀な留学生と出会える」
「これまで使ってきた媒体ではどうしても国籍の偏りがあった(中韓)が、JPortはダイバーシティがとても豊か。これまでで一番いろんな国からの応募者で、日本語力も高い学生が多かった。これからも長く利用していきたい」
「登録している学生の大学時代に頑張ったことなどの入力率が高いので、採用の精度が高まる」
といった評価をいただいており、特にグローバル展開を志向する企業を中心に導入が進んでいます。

また、日本の大学においても外国人留学生の就職支援は大きな課題となっており、JPortはその領域においても価値提供を行っています。

具体的には、大学キャリアセンター向けに「Job hunting guide book in Japan(英語・日本語対応の就活ガイドブック)」を制作・提供しており、複数の大学からご注文をいただくなど、教育機関からの信頼も獲得しています。
このように、JPortは企業・学生・大学の三者から支持されるコンテンツとコミュニティを基盤に、外国人材のキャリア支援におけるエコシステムを構築しています。

外国人材の増加は、追い風か

近年、日本で学ぶ・働く外国人材が増加していますが、こうした環境変化は御社サービスに影響はありますか。

唐橋:外国人材の増加は、JPortにとって大きな追い風となっています。
現在、日本国内でも外国人政策に関する議論が活発化しており、「ルールを守り、付加価値を生み出す外国人材」をどのように受け入れていくかが重要なテーマとなっています。特に、日本の労働力人口の減少を背景に、GDPを押し上げる人材としての外国人材の受け入れは、今後も中長期的に推進されていくと考えています。また、日本の大学における外国人留学生は、教育の国際化だけでなく、2034年問題を控える大学経営の観点からも重要な存在となっており、その重要性は年々高まっています。

さらに国際的に見ると、アメリカや一部の先進国では移民・留学生政策の見直しや制限の動きも見られる中で、日本は相対的に外国人材の受け入れを推進する余地が大きい国の一つです。
この点において、日本が他の先進国に先んじて人材獲得競争をリードできる可能性もあると考えています。

実際にJPortにおいても、日本国内の留学生が多くを占めるものの、海外大学に在籍する学生の登録や、日本企業とのマッチングが徐々に増加しており、サービスは国内に閉じたものから、グローバルな人材流動を支えるプラットフォームへと進化しつつあります。

一方で、こうした環境変化に対して、受け入れ側である企業や社会の仕組みはまだ十分に整っているとは言えません。「人材は増えているのに活かしきれていない」という構造的課題は依然として存在しています。

そのため、外国人材と企業をつなぎ、定着・活躍までを支援するJPortの役割は、今後さらに重要性を増していくと認識しています。実際に、登録学生数や企業からの問い合わせは継続的に増加しており、市場の拡大とともにサービスの需要も高まっています。

目指すのは、外国人材の「人生のOS」

貴社が目指す今後の事業展開や、実現したい社会の未来像について、ビジョンをお聞かせください。

唐橋:私たちは、「Global People make Global Companies & Society」というビジョンのもと、外国人材が日本で当たり前に活躍できる社会インフラを構築していきたいと考えています。

今後はキャリア支援にとどまらず、

  • 金融(クレジットカード・口座開設)
  • 住まい(賃貸・生活インフラ)
  • 定着支援(入社手続きや入社後の定着支援・コミュニティ)

といった領域にもサービスを拡張し、来日から就職、そして定着・活躍までを一気通貫で支えるプラットフォームへと進化させていきます。

外国人材が安心して働き、生活できる環境を整えることは、日本人にとっても働きやすく、多様性を活かせる社会の実現につながります。

私たちは、外国人材だけでなく日本人にとっても安心できる社会基盤をつくることを目指しています。

最終的には、日本における外国人材の「人生のOS」となる存在を目指し、
企業と個人双方の可能性を最大化する社会の実現に貢献してまいります。

KDDI 丹羽
★推しコメント★

日本で学びたい、働きたいと考える外国人材は増え続けている一方、情報や仕組みなどの不足によって、十分に活かされていない現状があります。
SPeakが取り組んでいるのは「採用」そのものではなく、人が活躍し続けられる環境づくりです。
キャリア支援にとどまらず、生活や定着まで見植えている点に社会インフラとしてのポテンシャルを強く感じています!

それでは次回の記事もお楽しみに♪

株式会社SPeak
https://speak-corp.com/
若手外国人材コミュニティ・キャリア支援するコンテンツサイトや企業人事が若手外国人材へグローバル採用広報できるプラットフォームを運営

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