- インタビュー
2021年08月11日
スタートアップに会いたい!Vol.27- 三井不動産
- 三井不動産株式会社
山下 千恵 - プリンシパル
連載「スタートアップに会いたい!」では、KDDI ∞ Laboにパートナーとして参画する大企業50社以上が、スタートアップと共に取り組んでいきたい課題や、スタートアップへ提供できる多様なアセットについて解説するコーナーです。大企業全社の課題・アセットは「MUGENLABO支援プログラム 2021」からご確認いただけます。
フジテレビジョンに続く第27回目は三井不動産です。三井不動産の課題解決に挑戦したいスタートアップの皆様は、ぜひKDDI ∞ Labo事務局までご一報ください!
山下氏に伺いました
何をしている会社ですか?
山下:三井不動産は、街づくりの「企画・開発・営業・運営」を手がける、総合不動産デベロッパーです。オフィスビル・商業施設・ホテル・リゾート・物流施設・住宅、これらを組み合わせた複合施設など、まさに総合的な街づくりを行っています。今後目指していく当社のあり姿を、「VISION2025」として下記のように定めています。
【VISION2025】
- 街づくりを通して、持続可能な社会の構築を実現
- テクノロジーを活用し、不動産業そのものをイノベーション
- グローバルカンパニーへの進化
その中で、三井不動産のベンチャー共創事業である「31VENTURES」は、「既存事業の強化」と「新規事業の開発」を目指して、スタートアップ・大企業双方と向き合ったオープンイノベーションを促進しています。
これまでのオープンイノベーションの取り組み事例は?
山下:当社は「VISION2025」の中で、「テクノロジーを活用し、不動産業そのものをイノベーション」を掲げ、事業変革に取り組んでいます。31VENTURESは、ファンドやスタートアップ向けオフィスの運営などを通じ、スタートアップとの共創による新産業の創造を推進しています。ベンチャー共創事業部が設立した2015年以降、31VENTURESが橋渡しとなり、各本部とスタートアップのマッチングを500件以上、実証実験や事業連携事例は約100件を生み出しています。
主なスタートアップとの連携実績をいくつかご紹介します。
- すべてのカギをクラウド化する「フォトシンス」
・「Akerun 来訪管理システム」の実証実験を日本橋室町三井タワーで開始(2020 年)
・「Akerun 入退室管理システム」を「ワークスタイリング」にて正式導入(2018 年) - 産業向けサイバーセキュリティソリューション「SCADA fence」
・当社が保有する首都圏の複合施設においてビル管理システムの実証実験を実施(2019 年) - AI による画像認識技術をもつ「ViSenze」
・三井ショッピングパーク公式通販サイト「&mall」に画像認識技術を導入(2019 年)
御社の課題は何ですか?スタートアップのみなさまへ求めていることは何ですか?
山下:2015年に設立した「31VENTURES Global Innovation Fund 1号」の後継として、2020年9月に85億円規模の「31VENTURES Global Innovation Fund 2号」を設立しました。投資テーマとしては下記のように定めており、これらに当てはまるスタートアップとの連携による事業創造を推進したいと考えています。
- Real Estate as a Serviceの要素となりうる商品やサービスを提供するスタートアップ
- 業務効率化・デジタル化等、当社業務の改善・デジタルトランスフォーメーションに資するスタートアップ
- スマートシティの構成要素技術となるスタートアップ
- 当社の事業領域と異なる新たなビジネスの発掘
スタートアップへ御社から提供できるアセットはありますか?
山下:31VENTURESでは、共創事業の創出に向けて「ワークスペース」「資金」「コミュニティ」という3つのソリューションを提供しています。この3つのソリューションを切り口に、三井不動産グループの人的リソース、事業ノウハウ、商圏、街づくりのフィールドを提供することで、スタートアップの事業拡大を積極的にサポートし、協業につなげています。
startup workspace THE E.A.S.T.
例えば2021年4月より、31VENTURESの「ワークスペース」事業として「startup workspace THE E.A.S.T.(スタートアップワークスペース ジ・イースト)」が始動しました。これまでの原体験を糧に課題解決に燃える熱量あふれる「大人起業家」を集積する、東京イーストサイドの新たなワークスペースブランドです。
フラッグシップ拠点となるTHE E.A.S.T.日本橋富沢町(2021年4月1日開業)は、7階建てのビル一棟丸ごとがスタートアップ向けの施設です。
①コワーキング(フリー席)②シェア(固定席)③プライベート(個室)の3プランを設け、起業準備中の個人から様々なステージのスタートアップ企業に至るまでが入居し、熱量が伝播し互いに切磋琢磨しあう環境設計をしました。
ミーティングルームやWEB会議ブースはもちろん、熱いディスカッションが伝播する「のれんルーム」、集中作業のための「フォーカスゾーン」、配信イベントスペースなど充実したオプション設備をそろえ、柔軟な借り方・働き方を提供するワークスペースづくりを実現しています。
当社は「startup workspace THE E.A.S.T.」を単なるオフィス事業ではなく、共創を実現するパートナーを生み出す場として今後も積極的に展開していきます。スタートアップの皆様にとってここが出世ビルとなる、飛躍成長の場として活用いただければ嬉しいです。
最後に一言お願いします
山下:私たちはこれからもスタートアップと共に、街づくりにおけるさらなるデジタル技術の活用、そしてデジタルで代替できないリアル空間の価値向上を同時に目指していきたいと考えています。「街」という最高の舞台を用意していますので、共に新しい世界を作りましょう!
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