- インタビュー
2024年06月20日
廃棄予定の酒粕から「新しい美味しさ」を届ける- エシカル・スピリッツ
- エシカル・スピリッツ株式会社
小野 力 - 代表取締役CEO
2024年6月7日、KDDI ∞ Laboの月次全体会において、スタートアップ6社が大企業に向けてピッチを行いました。登壇されたスタートアップにMUGENLABO Magazine編集部のめぇ〜ちゃんがインタビューをしたので皆様にお届けいたします。
7社目はエシカル・スピリッツです。廃棄素材を活用したクラフトジンを展開。 廃棄予定の酒粕を再蒸留したクラフトジン「LAST」シリーズの生産・販売するスタートアップです。今回は、エシカル・スピリッツの代表取締役CEO 小野 力氏にお話を伺いました。
- めぇ〜ちゃん
- エシカル・スピリッツは東京の蔵前を拠点に、未活用素材の価値を引き出す蒸留酒「クラフトジン」を、主に製造販売している酒類メーカーです!
代表取締役CEOの小野氏に伺いました
何をしている会社ですか?
立野:2020年3月、日本酒生産工程の最後に生成され本来は捨てられてしまう素材であった「酒粕」の価値が再蒸留することで発揮できることに気づき、エシカルジン『LAST』の生産、販売を開始しました。
その注目は生産方法のみならず、ウイスキー業界で最も権威のある品評会WWAのジン部門「World Gin Awards 2021」にて国別の最高賞を、英国「IWSC2021」では最高賞である GOLD OUTSTANDING を受賞し、世界での上位9作品に日本勢として唯一選ばれるなどジンとしても高い評価をいただいています。
2021年5月、エシカル生産及び消費に特化した世界初※の再生型蒸留所『東京リバーサイド蒸溜所』を東京蔵前にオープン。蒸留所内には、オフィシャルストアと自社で運営するクラフトジンに特化したバーダイニングを併設しています。
同年6月、国立森林総合研究所が切り拓いた研究成果を元に、民間事業者として初となる"木のお酒"『WoodSpirits』の製品化及び販売への挑戦を発表し、同時に1.4億円の資金調達を実施しました。
2022年8月には、サントリーホールディングス等から約2億円の資金調達を発表しました。新たな再生型蒸留所の建設と、海外販路の更なる拡大に向けて躍進中です。
そして2023年、新宿区の特産品である「内藤とうがらし」を使った歌舞伎町オリジナルジン「Ne10(エヌイーテン)」を東急歌舞伎町タワー開業に合わせ東急株式会社と歌舞伎町の地元の方々と開発したり、日本航空オリジナルジン「Re FLY(リフライ)」をラウンジから出るコーヒー粉を活用して開発するなど、未活用素材を活用したい企業や地域とのコラボレーションも広げています。
「Starring the hidden gem(隠れた才能をステージへ)」を理念に、味わったことのない「新しい美味しさ」を世の中に届け、世界をリードするサステイナブルなスピリッツブランドを目指します。
※自社調べ
サービスイメージ
なぜこの会社を立ち上げたのですか?
立野:コーポレートメッセージとして、「Starring the hidden gem(隠れた才能をステージへ)」を、フィロソフィーとして、以下3つを掲げています:
- Nothing is Meaningless 無駄なモノは、ひとつもない。
たとえ、廃棄されるかもしれないものだとしても、視点を変えてみれば、それは才能の原石かもしれない。物事の捉え方、消費の在り方、人の個性も、あらゆる角度から光を当て、見つめることですべてに意味と価値があることを知り、すべてをフェアに受け入れることができます。 - Dig the New Tasty まだ存在しない、美味しさの探究。
探し求めているのは新たなクラフトジンではない。
未だこの世界に存在しない、私たちの知らない“美味しさ”である。
数年前には知られていなかった味わいが、生活を面白く変えてしまうことがある。そんな未発掘の美味しさを、常に探究し、追求し続けます。 - Beyond the Ethical エシカルが当たり前になる、その先へ。
“エシカルであることだけが価値”ではなくなる世界。
美味しいものや最高品質のものが、選ばずともすべてエシカルであることが、生活のあたりまえになることを目指して。私たちは「エシカル」をスタンダードと捉え、その先の未来をリードします。
これらは全て、「酒粕」という毎年発生する日本酒の副産物が「クラフトジン」という形で見過ごされていた価値を最大限発揮し、主役になれることからスタートしています。
また、我々からするとそういった未活用素材は、「味わったことのない」「新しい美味しい」をお客様にお届けできるということであり、そしてその結果として循環型消費社会にも貢献できます。
これからの目標はありますか?
立野:未活用素材による味わったことのない「新しい美味しさ」を追求し進化し続け、そして社会に普及させていく、という2つの観点をベースに事業発展させたいと考えています。
味わったことのない「新しい美味しさ」の追求と普及により、消費社会そのものの構造が循環型になっていく、そんな未来を目指して活動しています。
最後に一言お願いします
立野:ちょっとした思いつきが「新しい美味しさ」に繋がります。是非アイデア段階でもお声がけ頂けたら幸いです。よろしくお願い致します!
- めぇ〜ちゃん
- 皆さんも未活用素材を活用した「新しい美味しさ」をぜひ体験してみてくださいね!それでは次回もお楽しみに!
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