- インタビュー
2021年12月02日
「旅ナカで仲間に出会う」体験をオンラインに、クラブツーリズムとKDDIが共創
クラブツーリズムは9月にKDDIと業務提携し、新たなサブスクリプションサービス「クラブツーリズムPASS」を発行すると公表している。10月から開始されているもので、クラブツーリズムPASS会員には趣味のオンライン講座やトークライブイベント、趣味のコンテンツが用意される。学べるオンデマンド配信コンテンツは歴史や鉄道など100本以上が用意されており、毎月のアップデートも予定されている。また、旅行ガイドブックや趣味に特化した月刊雑誌の読み放題サービスも提供される。
クラブツーリズムPASS会員に入会するにはクラブツーリズムインターネット会員に登録する必要があり、月額会費の決済はauかんたん決済が対応している。auかんたん決済には別途au IDの登録が必要。月額費用は550円で、来年3月までは最大2カ月の利用料が無料になっている。
クラブツーリズムPASSでは趣味などのコンテンツやイベントを通じて仲間と繋がるコミュニティづくりを進める。両社の提携の背景にはやはり、感染症拡大で大きな痛手を負った「旅行」をなんとか次の姿に進めたいという思いがあったようだ。プロジェクトを担当したKDDIサービス統括本部の手島氏はサービスの狙いを次のようにコメントしている。
クラブツーリズムPASSはオンライン上に趣味や好きなことを楽しんだり、深めたりするプラットフォームを構築しています。お客さまが好きなことを探究するためのコンテンツや、旅・イベントなどのリアルな体験、そして、共通の趣味を通じた仲間と出会い、繋がることができる様々な機会を提供予定です。クラブツーリズムにしかできない『旅ナカで仲間に出会う』体験をオンラインにアップデートすることでどこでもいつでも提供できることが強みであり特徴になっています。
KDDI 手島 健二氏
一方、クラブツーリズム側はこの急激な変化に対応するため、思い切った一手としてオープンイノベーション、つまり共創を選択した。クラブツーリズムの新・クラブ1000事業推進部長の勅使河原 大二氏はそのチャレンジをこう明かす。
我々はウィズコロナの市場に柔軟に対応していくことが求められ、デジタルトランスフォーメーションの推進により既存のビジネスモデルを進化させる必要がありました。本事業は当社が今まで取り組んでこなかったデジタルコンテンツの領域であり、当社だけで取り組むのは難しいと考えています。
ポイントとなるのはKDDIとの協業で推進した、という点です。巨大な通信インフラを有し、デジタルソリューションに関し日本有数の知見を持つKDDIのリソースを活用し、今までクラブツーリズム独力では難しかった、デジタルコンテンツの充実化とデジタルトランスフォーメーション(DX戦略)を実現したいと考えています。
クラブツーリズム 勅使河原 大二氏
協業にあたっては、それぞれの持ち味が活かされた。クラブツーリズム側には旅行を中心とする商品企画やコンテンツ制作、関連媒体からの集客力、顧客窓口などの強みがあり、一方のKDDIにはIT関連技術や豊富な顧客基盤・データがある。
お互いの強みのリソースを掛け合わせてスタートする協業が「クラブツーリズムパス」になった
KDDI 手島 健二氏
協業の結果、クラブツーリズム側ではデジタルへの取り組みを通じて社員の意識も変わりつつあるという。
発表した結果、社内外から当社の新しい挑戦に対する厳しい意見と好意的な評価の両方をいただきました。分かりやすいところで言えば株価に影響しました。社内で起こった意識の変化は、サイトがオープンしてから新デジタル時代を見据えた新規事業を成功させようと全社員が強い意識で取り組むようになったことです。課題点は、新しいサイトの会員利便性を向上させていくことですね
クラブツーリズム 勅使河原 大二氏
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