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2023年05月15日

寝具等の引き取り・再生素材化を行うプラットフォームの提供 - yuni

株式会社yuni
内橋 堅志
代表取締役社長

2023年4月21日、KDDI ∞ Laboの月次全体会において、スタートアップ6社が大企業に向けてピッチを行いました。MUGENLABO Magazine編集部のめぇ〜ちゃんが登壇企業にインタビューを行いました。

4社目はyuniです。寝具等の綿・羽毛・ウレタン・ブレス製品のお引き取りと再生素材化を行うプラットフォーム「susteb」を提供するスタートアップです。今回は、yuni代表取締役社長の内橋 堅志氏に話を聞きました。


めぇ〜ちゃんめぇ〜ちゃん
susteb」は、寝具等の綿・羽毛・ウレタン・ブレス製品のお引き取りと再生素材化を行うプラットフォームです。廃棄をなくし素材に変えることで、焼却処分場を再生工場に、日本を廃棄大国から資源大国へ変えることを目指しています。

代表取締役社長の内橋氏に伺いました

何をしている会社ですか?

内橋:私達は、寝具等の綿・羽毛・ウレタン・ブレス製品のお引き取りと再生素材化に取り組むGX(グリーン・トランスフォーメーション)プラットフォーム「susteb」を運営しています。sustebでは、廃棄予定のまだ使える製品をお引き取りし、自社工場や提携工場で再生素材化し、素材の研究開発を通して世の中に流通させています。

お引き取りは自治体・法人・個人すべてから行っており、従来の焼却処分と比べて遜色ない価格で再生を行うことができるため、スムーズな移行が進んでいます。回収した製品は90%以上が再生され、クライアントの必要とする再生素材に作り変え、再流通させています。

再生素材は通常、再生過程でコストがかかったり電気を大量に使用することが多いため、価格や二酸化炭素排出量が増加してしまいがちなのですが、sustebの再生素材は新品の素材より価格が安く、かつ二酸化炭素排出量もおよそ77%削減することができます。

このように、寝具の焼却処分をそのまま再生素材に転換することができ、CO2排出量を大幅に削減するため脱炭素も実現することができる、このようなサービスは世界に類を見ません。廃棄課題先進国である日本が、世界に先駆けて寝具の廃棄を手掛けることで、廃棄の資源化によるGX(グリーン・トランスフォーメーション)を社会実装し、日本を廃棄大国から資源大国へと変えていくことを目指しています。


susteb

なぜ会社を立ち上げたのですか?

内橋:日本は世界で最も焼却処分が多い国で、世界の焼却処分場の7割が日本に存在します。中でも寝具の年間廃棄は1億枚近く、およそ1人1枚捨てている計算です。しかし寝具のリサイクル率は2%と、廃棄される寝具はほぼ全てが焼却処分され、灰と二酸化炭素に変わり、埋め立てられています。

一方で、寝具は天然素材を多量に含む商材です。綿布団1枚に綿花畑100坪分、羽毛布団1枚に水鳥200羽分の羽毛が使われています。これらを再生することができれば、莫大な資源となります。私は実家が寝具メーカーをしており、高校卒業後から手伝いをしてきました。

その中で寝具の焼却処分の実態を知りました。その後、大学で情報学を学び、自身の寝具と情報学のキャリアを活かして課題解決ができるのではないかと思いyuniを立ち上げました。

これからの目標はありますか?

内橋:日本は世界的に見てもトップクラスの廃棄大国ですが、この廃棄課題先進国で、世界的にほとんど行われていない寝具の再生で先進事例を作り、この廃棄大国を資源大国へ変えていきたいと考えています。現在年間20万枚程度の寝具をお引き取り・再生素材化しており、これは日本国内の年間廃棄の約0.2%に相当します。私達は、10年後に現在の50倍、1000万枚の寝具を扱うことを目指しています。

これによって、1万人の障がい者就労支援、廃棄物由来のCO2を0.5%削減、国産綿の自給率を0%から10%へ変えるソーシャルインパクトを生み出します。また、廃棄物由来の再生素材がアパレル、自動車、建築をはじめあらゆる領域で普通に使われるようになり、産業廃棄物や二酸化炭素排出量の少ない、現在の化学素材の代替となる素材が全ての人の選択肢に入る社会を作ります。

私達は Sustainability is new Degital. 、つまり、デジタル革命の次はサステナビリティ革命が起こると考えています。デジタル革命で一歩遅れたことで失われた30年を過ごした日本ですが、大量廃棄という宝の山を持ち、ワンガリ・マータイ氏の有名な演説にあるように「もったいない」の概念を持つ日本はサステナビリティ革命の中心になれると考えています。

最後に一言お願いします

内橋:sustebではお引き取りと再生素材化で多数の企業と連携させていただいていますが、その連携方法は様々です。お引き取りに関してはもちろん、寝具やクッション等の販売事業者との連携も多いのですが、顧客が持ち込みを行ってお引き取りする連携として、マンションやクリーニング店、百貨店との連携も進んでいます。

また、再生に関して、フランチャイズの(我々が技術提供を行う)再生工場も計画が進んでいますし、商社さんと連携して工場を全国展開したいと考えています。素材の流通に関して、メーカーや商社さんが多いですが、研究室と連携した新素材の開発なども行っています。このように、すぐには事業が思いつかなくても、共創パートナーのみなさんと一緒に考えながら協業できればと思っています。どうぞよろしくお願い致します!

めぇ〜ちゃんめぇ〜ちゃん
日本は世界各国と比べて焼却処分場が圧倒的に多い国です。何でも焼却するのではなく、再生することで環境に良い活動を広げていきたいですね。

それでは次回もお楽しみに!

株式会社yuni
https://yuni.co.jp/
寝具等の綿・羽毛・ウレタン・ブレス製品の引き取り・再生素材化を行うプラットフォーム「susteb」の提供

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