- インタビュー
2024年01月12日
東大松尾研からスピンアウト!LLMで企業のDXを支援- ELYZA
- 株式会社ELYZA
松浦大貴 - DXコンサルティングチームマネージャー
2023年12月14日、KDDI ∞ Laboの月次全体会において、スタートアップ8社が大企業に向けてピッチを行いました。登壇されたスタートアップにMUGENLABO Magazine編集部のめぇ〜ちゃんがインタビューをしたので皆様にお届けいたします。
4社目はELYZAです。リテールテックと自然言語処理の領域にフォーカスしたAIの研究・開発を行うスタートアップです。今回は、ELYZAのDXコンサルティングチームマネージャー 松浦大貴氏に話を聞きました。
- めぇ〜ちゃん
- AI導入の検討段階における要件定義などのコンサルティングから、モデルの開発・検証、システムへの導入や運用支援まで、一貫したAIソリューション事業を提供しています。
マネージャーの松浦氏に伺いました
何をしている会社ですか?
松浦:ELYZAは、「未踏の領域で、あたりまえを創る」という理念のもと、日本語の大規模言語モデルに焦点を当て、企業との共同研究やクラウドサービスの開発をしています。先端技術の研究開発とコンサルティングによって、企業成長に貢献する形で言語生成AIの導入実装を推進します。
研究については、2023年8月に、日本語の公開モデルでは最高水準の商用利用可能な70億パラメータの「日本語LLM「ELYZA-japanese-Llama-2-7b」」の開発をしています。
また、コンサルティングを通じて企業とご一緒する中で、LLMを実際の業務で導入し、業務効率化を実現することにも寄与しています。
言語生成AIソリューション事業について
なぜ会社を立ち上げたのですか?
松浦:東京大学・松尾研究室からスピンアウトする形でELYZAは設立しました。代表の曽根岡は学生時代に起業をしたものの、チームのモチベーションが持たずに頓挫した経験から、起業2社目であるELYZAでは10年以上追い続けることができるミッションが必要と考え、「未踏の領域であたりまえを作る」を掲げて2018年に起業しました。
ELYZAの創業当時は、自然言語処理(NLP)は人間と比較すると精度がまだ低く、画像分野のような人間を超える精度の実現は不可能だとされていました。一方で、「人間が人間たらしめられている」のは言語の力であることもあり、「社会実装において未踏の領域」として、自然言語処理(NLP)に注力をする形で会社を設立しました。
創業後、大規模言語モデル(LLM)の登場もあり、ELYZAも早期からLLMの研究開発・社会実装を進めてまいりました。
これからの目標はありますか?
松浦: 世界的にも、まだLLM活用は黎明期で、現在は多くの企業が「業務を効率化できないか」と探っている状況です。
その一方、LLMの可能性はもっとあると思っています。例えば、人や産業、国自体をエンパワーするような使われ方をしていくと思っています。また、一人で暮らしているご老人にとって、LLMとのコミュニケーションが生活の彩りになることもあると思います。人と人の間にLLMがあることで、攻撃的な発言をされて心を傷つけられることが減るかもしれません。さらに、日本全体で見れば、マルチモーダルな製造業のあり方を変えたり、日本の優れたおもてなしやオペレーション、コンテンツなどが海外に輸出できるようになるかもしれません。
ELYZAはこれらの大きな変化の中で、新しい当たり前を作っていきたいです。
最後に一言お願いします
松浦:ChatGPTが世の中で大きく取り上げられるようになりました。しかし、技術・社会実装の両面において、多くの未解決問題が残っています。私たちELYZAは、未踏の問題の解決を目指し、言語生成AIの真の実用化に向けて取り組んでいきます。
- めぇ〜ちゃん
- 2023年、日本での生成AI市場価値は1,118億円を超え、将来的な成長が見込まれている中、日本語に特化した大規模言語モデル(LLM)を開発しているELYZA社に注目です!それでは次回もお楽しみに!
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