- インタビュー
2022年03月18日
DXを推進するデータ管理技術 - Scalar
- 株式会社Scalar
深津 航 - CEO/COO
2022年2月18日、KDDI ∞ Laboの月次全体会において、スタートアップ6社が大企業に向けてピッチを行いました。MUGENLABO Magazine編集部のめぇ〜ちゃんが登壇企業にインタビューを行いました。
4社目はScalarです。アプリケーション・コンポーネントやミドルウェアを運営するスタートアップです。今回は、株式会社ScalarCEO/COOの深津航氏に話を聞きました。
- めぇ〜ちゃん
- 『Scalar DB』はトランザクションマネージャーです。データベース固有の機能および実装に依存せずにトランザクションを実現します!
CEO/COOの深津氏に伺いました
何をしている会社ですか?
深津:株式会社Scalarは、高い信頼性を有する独自のデータ管理技術によってDX支援を目指しています。「Scalar DB」は多様なデータベース上で動作する汎用的なトランザクションマネージャです。トランザクション機能を有さないデータベースに対しても、複数の異なるデータベースに跨がるトランザクションを実現します。加えて、データベースとアプリケーションを分離することでアプリケーションのポータビリティを高めます。
「Scalar DL」はビザンチン故障検知ミドルウェアです。データベースに対する改ざん等を含むビザンチン故障を高い精度で検知し、管理するデータの高い真正性を保証します。これらの製品を使いやすくするミドルウェアとして、WebのUIを素早く構築するための「Scalar Web UI Components」を提供しており、さらに電子文書の証拠を保全する「Scalar eDocument Evidence」、会社間のワークフローを実現する「Scalar Workflow」といったアプリケーション・コンポーネント、個人情報等の同意管理を行うためのテンプレートなどを提供しております。
なぜ会社を立ち上げたのですか?
深津:前職の日本オラクルで様々な顧客のシステムの提案や導入に関わってきたのですが、これからは様々なデータベースや様々なクラウドを組み合わせて使っていく時代になると感じていました。特にDXが加速すると、業務アプリケーションは1つの単体のシステムとして構築するのではなく、機能ごとに構築して組み合わせていき、更には会社間も跨いで利用する形になると想像しています。
そのような中でブロックチェーンの動きが始まり、会社の枠を越えてデータを共有する仕組みが出来つつありました。しかしながらブロックチェーンの技術をエンタープライズで利用するには様々な課題があり、データベースとブロックチェーンの両方の課題を解決する次世代のデータベースが求められると考えていました。その時にCTOで共同代表である山田と出会い、「ソフトウェア開発やコンピュータサイエンスの領域ではアメリカが圧倒的に強い状態が続いていて悔しい、日本発のテクノロジーで世界と戦いたい」という言葉で起業を決めました。
DXを推進する際には、社内にある様々なサービスごとにデータベースが作られることとなります。また会社を跨いだサービスの場合は相互のデータの信頼性が重要になります。従来は紙や電子署名で担保してきましたが、DXの推進によって多くのデータが行き来するため、その信頼性と一貫性がより求められることになります。このような課題に対してScalarは、信頼性を担保するデータ管理技術に注力したミドルウェアの開発と提供を行っております。
これからの目標はありますか?
深津:今後はデータの一貫性や信頼性を担保することがDXの推進の足かせになることが予想され、その課題解決を目指しています。更に、AI技術が進歩し自動運転やIoTとの連携が強化されると、配信されるソフトウェアや取得するデータに対する信頼性も求められていきます。こういった課題にも取り組みを進めています。
最後に一言お願いします
深津:自社システムやサービスを展開する際には、必ずデータベースを利用することになるかと思います。弊社の技術をご利用いただくことで、データベースだけでなくアプリケーションも含めて課題を解決できればと考えております。既にいくつかの企業様と共ににサービスの開発を行っており、近々展開を開始する予定です。ぜひ一度ご相談いただければ幸いです!
- めぇ〜ちゃん
-
大企業がDXを進めていくにはデータ管理の信頼性はとても大切ですね!
それでは次回もお楽しみに!
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