- インタビュー
2021年02月16日
企業とスポーツの新しい関係を模索ーーookamiと第一生命の共創 Vol.2
課題とチャンスのコーナーでは毎回、コラボレーションした企業とスタートアップのケーススタディーをお届けします。
前半では、スポーツエンターテインメント事業Player!を運営するookamiと第一生命保険の取り組みについて、スタートアップサイドからこのプロジェクトの狙いをお伝えしました。後半では第一生命サイドで本プロジェクトを企画・推進する同社イノベーション推進部の野村直矢さんにお話を伺います。
同社がスポーツエンターテインメント事業に参戦する意義や目指すゴールについて語っていただきました。(太字の質問は MUGENLABO Magazine編集部、回答は第一生命イノベーション推進部の野村さん)
企業がスポーツチームを「応援」する課題
共創に至った経緯について教えてください
野村:実は第一生命では約1年前から、寄付機能がついたスポーツ応援プラットフォーム構築のプロジェクトが動いていました。これは本来東京オリンピック前のローンチを見据えていたのですが、コロナ禍でオリンピックも延期になりその想定が崩れた経緯があります。
なるほど、オリンピックはスポーツに注目の集まる格好のタイミングでしたよね
野村:そんな中、ステイホームを余儀なくされるアスリート自身が、YouTubeの動画投稿やクラウドファンディングを実施するトレンドが生まれましたよね。つまり自前で新たにプラットフォームを構築する意義が薄れてしまったんです。
その中で、自分たちがやろうとしていたことに近しいプラットフォームを運営するookami社と出会い、第一生命からコラボできないかと打診しました。
なぜスポーツエンターテインメント事業が持ち上がっていたのでしょうか
野村:第一生命はQOL向上や頑張る人の応援をする・寄り添うことを理念に掲げています。そこで今回は、ookami社との共創という形で「Cheerding」(Cheerdingは”Cheer up”+”Funding”をかけ合わせた造語)プロジェクトを立ち上げ、マイナースポーツのアスリートやそのファンを切り口に、動画コンテンツでスポーツのことを知ってもらいつつ、寄付機能でファンの想いを届ける仕組みを考えました。
コロナ等も影響し、スタートアップとの共創となりましたが、協業することで得られたフィードバックなどはありますか?
野村:スポーツチームやアスリートをエンタープライズが応援する形として、まず協賛金が求められる点に違和感を感じていたんです。実際、今回のプロジェクトでもフォーカスしたいスポーツ団体から「まずは協賛金を」と求められたりしました。
そこで今回は第一生命として協賛金を出すことなく、ファンと選手が想いをカタチにし、繋がれることにこだわりました。ookami社がコネクションを有する大学スポーツチームを軸に交渉し、大手企業として協賛金無しでスポーツのプロジェクトにかかわることができたことは、私たちだけではできなかったことだと思います。
協賛金ありきではなく、別の関係性を模索した
野村:はい、第一生命が保険のお客さまとしてあまり接点を持たない若い世代の反応を見ることも今回のプロジェクトの目的にありました。結果、社外の関係先や保険のお客さまからも、この「Cheerding」プロジェクトに参画したいという声がかかり、想定していたよりも影響の広がりが大きくありましたね。テレビ局からもお声がけがあり、関連する番組を放映し、番組に連動させる形でCAMPFIREのプロジェクトを展開しています。
協業によって新しい関係が見えたり、具体的な反響があるのはよいですね
野村:社内からは、このような新しい取組に関心がなさそうな部署や社員からも連絡があり、「実はこういうの好きだった」とか「寄付したよ」などポジティブな反応を多くもらいました。こうした波及の価値をしっかり分析し、若い世代に今回のプロジェクトだけでなく、第一生命のファンになってもらえるような仕掛けを両社で検討していきたいです。
「Cheerding」プロジェクトに少しでも興味を持っていただいた方には、ぜひPlayer!のwebやアプリに触れたり、テレビ番組を見たり、CAMPFIREのプロジェクトに参加したり、自分にあった方法で共感をカタチにしてもらえたら嬉しいです!
ありがとうございました
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