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2022年08月09日

COLLISION2022参加レポートーー海外トレンドレポート

KDDI Open Innovation Fundのサンフランシスコ拠点では、北米や欧州のスタートアップ企業への投資や事業連携を目的として活動しています。このコーナでは現地で発見した最新のテクノロジーやサービス、トレンドなどをKDDIアメリカの一色よりお送りします。6/20~6/23にカナダのトロントにて開催された大型テックカンファレンスCOLLISION2022の参加レポートをお届けいたします。


一色 望KDDIアメリカ
本誌の記者。KDDIオープンイノベーションファンドのアメリカ サンフランシスコ拠点でスタートアップとKDDIの事業創造を目指し、ディールソーシング(投資先探し)と投資評価に取り組み、既存の投資先企業もサポートしながらMUGENLABO Magazineの制作に携わる。趣味は世の中のトレンドサーチと、美味しいお店巡り、旅行、ジム通い。

COLLISION 概要

COLLISIONはカナダ国内最大、かつ世界的にも有名なテックカンファレンスであり、著名地元紙Forbesでは「北米で最も急速に成長しているテクノロジーカンファレンス」として紹介されています。ヨーロッパのイベントWeb Summitの創設チームによる北米版のサミットで、2014年にラスベガスを開催地として始まり、2019年より最も活気があるテック都市のひとつとして注目を集めるカナダ・トロントにて年次開催されています。
2022年はイベント開催前にチケットが完売し、140以上の国々から1557社のスタートアップ、850名の投資家が参加したとみられ、推定38,000名以上が来場しました。


会場の様子

一色一色
EnterpriseTechを中心に30社のスタートアップと面会しました!

面会した主な企業

  1. wedge networks
    wedge networksは、マルウェアの脅威をネットワークレイヤでリアルタイムに検知するクラウドベースのソフトウェアをモビリティ中心に提供しています。昨年11月にトレンドマイクロのCVCをリードとしてシリーズAラウンドでの資金調達を達成し、現在では20か国以上、1億以上のエンドポイントに展開されています。

  2. ORNA
    ORNAは、中小企業向けセキュリティオーケストレーション、SOAR (Security Orchestration, Automation and Response)を提供しています。このサービスによって、インシデント対応・インシデント管理・脅威情報収集といったセキュリティ運用の自動化及び効率化を実現できます。
  3. BDATA
    BDATAは、ブロックチェーンを活用したIoT向けネットワークセキュリティデバイスおよび管理サービスを提供しています。各デバイスの不変情報をベースとして、独自機器で都度認証をかけて通信を行います(ゼロトラスト)。
  4. SST Wireless Inc.
    SST Wireless Inc.は、産業機械向けのIoTツールとして、予防保全をメインに温度、振動センサー、ゲートウェイ、ダッシュボードをセットとしてサービスを提供しています。日本では、株式会社ブリヂストンが顧客となっています。

  5. Rideshark
    Ridesharkはユーザーが相乗り通勤をスムーズに予約、支払い、通信、追跡できるアプリを提供しています。
    とある調査結果によると、北米では通勤に自家用車を使う人が3分の2以上とも言われており、相乗り通勤をすることによって環境への負荷軽減も期待されます。
  6. CryptoMill Cybersecurity Solutions
    CryptoMill Cybersecurity Solutionsはデータをファイルレベルで暗号化し機密情報の安全性を強化するソリューションを提供しています。
    データそのものを暗号化により保護するため、外部からのクラウドへのハッキングやデータ漏洩などの脅威に備えることができます。
  7. GPHY
    GPHYはワークプレイスマネジメントプラットフォームを提供しており、自社オフィスの席予約や出席率管理などが可能なサービスです。
    リモートワークとオフィス通勤のハイブリット型の新しい働き方が定着してきた今、関連するサービスが北米でも増えてきている印象があります。
  8. Sensei Labs
    Sensei Labsはプロジェクト管理・ワークコラボレーションツールを提供しています。従来Excelなどで行われていたガントチャートなどをダッシュボードで可視化するだけでなく、KPI管理やフラッシュレポートの作成、既存のアプリケーションとの連携もスムーズに行えます。
    企業のデジタルトランスフォーメーションが進む中、導入が進みそうなプロダクトです。
  9. Mobility View Inc.
    Mobility View Inc.はテレワークの従業員に対し、ビジネスとプライベートの利用とコストを見分け、スマホやホームインターネットのビジネス利用だけにかかるコストを支払うソフトウェアを提供しています。
    1. 会場全体の様子

      会場では、主にアーリーステージのスタートアップと投資家および大手企業とのネットワーキングに焦点が当てられ、各参加者に1名のアテンダーがつき、参加者の興味関心に応じたプログラムやスタートアップのレコメンドがなされました。また、スタートアップと企業とのマッチングプラットフォームとして活用されていました。

      その他にも会場には様々な企業がブースを出展し、全体のうち60%はカナダをベースとする企業でした。カテゴリー別ではSaaS・セキュリティ・AI・Future of workなどのEnterprise TechやSocial Goodのジャンルが特に多く、大手企業ではYahooやTikTok、Walmartなどがブースを出展していました。

      そして、スタートアップピッチではヘッドセットを使って脳波を読み取りメンタルヘルスを改善するDOTMindUnlockedが優勝しました。


      TikTokブース

      最後に

      今回はCOLLISION2022についてお届けしました。
      本イベントをきっかけに、カナダの政府や大学を巻き込んだ積極的なスタートアップ支援の取り組みを実感できたように思います。

      イベント参加前から、カナダ大使館の方からイベントの告知をいただいたり、主催者による参加者ひとりひとりへのサポートが手厚くなされたり、スタートアップと企業がマッチングするためのプラットフォームが提供されたりと、他のイベントではあまり見られない働きかけがあり、このイベントへの熱意を感じることができました。

      また、今回私自身はトロントに初めて訪問したのですが、自然と都会的な面が入り交じった、アメリカとはまた少し違う美しい街並みがとても素敵でした。ゆっくりする時間はあまり取れなかったのですが、またプライベートで訪問してみたいと思います。

      一色一色
      最後までご覧いただきありがとうございました。今後も引き続き、現地からのレポートをお届けいたします。

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