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2023年06月23日

AWE USA 2023参加レポートVol.1ーー注目企業による展示ブース

KDDI Open Innovation Fundのサンフランシスコ拠点では、北米や欧州のスタートアップ企業への投資や事業連携を目的として活動しています。このコーナでは現地で発見した最新のテクノロジーやサービス、トレンドなどをKDDIアメリカの一色よりお送りします。


今回は、5/31~6/2にアメリカシリコンバレーにて開催されたXRに特化した世界最大のテックイベントAWE USA 2023(Augmented World Expo, 以下AWE)についてお伝えします。


一色 望KDDIアメリカ
本誌の記者。KDDIオープンイノベーションファンドのアメリカ サンフランシスコ拠点でスタートアップとKDDIの事業創造を目指し、ディールソーシング(投資先探し)と投資評価に取り組み、既存の投資先企業もサポートしながらMUGENLABO Magazineの制作に携わる。趣味は世の中のトレンドサーチと、美味しいお店巡り、旅行、ジム通い。

AWE概要

AWEは、ARやVRなどのXR領域に特化した世界最大級のイベントです。アメリカでは10年以上前から開始されているイベントで、今回が14回目の開催となります。その後ヨーロッパやアジアでも開催されてきました。

AWE2023の参加者数は、約7,000人以上、展示社数は300社以上と、昨年の約2倍にまで増加しました。これは、XR技術の普及に伴い、XR技術への人々の関心の高まりや、XR市場の拡大を示していると言えます。

私は昨年もこのイベントに参加していたのですが、昨年と比較すると日本やその他海外からの出張者が多く、展示会場もスペースが拡大し、かなり賑わっているように感じました。また、昨年の展示テーマは「XRの未来」でしたが、今年のテーマは「XRの現在」に変更されました。これは、XRが未来のものではなく、すでに現実世界で活用され始めていることを示しています。


HP

オープニング基調講演

オープニングの基調講演はAWEのCEOでファウンダーでもあるOri Inbar氏が務めました。今話題のChatGPTを利用したアバターのプレゼンテーションを行い、観衆の注目を集めました。彼はプレゼンの中で、主だったメディアによる「Metaverse was dead (メタバースはもう死んでいる)」という最近の論調に対して、XR業界がこれまでに達成してきた成果を強調し、AIを除けばXRがテクノロジー分野で最も急速に成長している分野であると述べました。

彼のプレゼンテーションでは、2023年のXR市場規模は380億ドルになると予測され、すでに12億人以上のユーザーが何らかの形でXR技術を使用していることについて触れられました。

SnapとNianticによる豪華ラウンジ

今年は、TitaniumSponsorでもあるSnapNianticが会場内にひときわ大きなラウンジを設置し、参加者を惹きつけました。Snap ARラウンジでは、SnapChatのアプリ上で動かす事が出来るレンズ(ARフィルター)を作成するためのツールLens Studioを使って、AR技術のテクノロジーをアパレルやEC業界に活用する事例を体験できるブースが設置されました。実際に高級ブランドの新作や、靴の試着がAR機能で体験できました。

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こちらがSnapARラウンジの一角に設置されたTry-on体験ブース。両端のスクリーンではARによる洋服などの試着を、真ん中のスクリーンでは靴の試着ができるようになっていました。

Nianticのラウンジでは、今回のAWEの中でアップデートが発表されたAR開発プラットフォーム「8th Wall」と「Lightship」について、より詳しく学べる機会を参加者に提供しました。そのほかにも、同社の看板ゲームPokemon Goにちなんでポケモンのぬいぐるみが飾られていたり、飲食物が配られていたりと、参加者の憩い、交流の場にもなっていたのではないかと思います。


Nianticラウンジの様子

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とても広々としたスペースでしたがネットワーキングの場としてたくさんの参加者で賑わっていました!

300社以上が参加する展示会場

Expo会場では、スポンサーでもあるMagic Leap、Meta、XREALなどXR業界をリードする企業のブースが目立っていました。Magic Leapは独自のAR技術を搭載したヘッドセット「Magic Leap 2」を展示し、体験するまで1時間近くかかるほどの行列をなしていました…!


Magic Leapのブース

Metaは、このAWE開催中に「Meta Quest 3」を発表しましたが、残念ながら会場では実機を体験することはできず、代わりに「Meta Quest 2」を展示していました。


Metaの体験ブース

またそのほかにも、イスラエルのスタートアップ企業Sightfulは、新製品として「Spacetop」を発表しました。この製品は世界初のARラップトップと呼ばれ、ラップトップの画面部分がなく、XREALのARグラスとキーボードが接続される不思議な外観をしています。通常のラップトップとは異なり、複数の画面を同時に開くことができるため、100インチ相当のスクリーンを提供することができます。Sightfulは今年のBest In Showも受賞しています。


Sightfulの展示ブース

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価格は2,000ドルほどで、現在のところ、規制をクリアしている米国でのみ販売されているそうです。

日本勢では、SONYのモバイルモーションキャプチャーmocopiや、Canon USAの自動車ディーラー向けソリューションの展示がされていました。また、スタートアップブースでは在米日本人起業家が率いるVRARRIや、中国発のDataMeshのデモもトライすることができました。


VRARRIのブース

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医療や歯科系の手術、工場内の機械操作などのB向けトレーニングコンテンツを2週間程度で作成可能とのことでした!

Canon USAのブースでは、車の運転席に座ってゴーグルをつけながら車の内装の変化などをチェックすることが出来ました。ディーラーで実際に導入されているとのことで、手に持ってかざすタイプのグラスは新鮮でしたが、手軽に試しやすくてよいと思いました!


Canon USAのブース

DataMeshの体験では工場内がデジタルツインで忠実に再現されており、感動しました。Snapdragon SpacesのPartnerにも選出されており、注目の企業です。


DataMesh体験の様子

後編では、スタートアップピッチについてお伝えします!

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