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2024年05月28日

スマホを代替するAI搭載の新商品レビュー! - Ai Pin

元Appleの2人のエンジニアが立ち上げた米スタートアップHumane Inc.は、ディスプレーを持たない小型AI(人工知能)アシスタントデバイス「Ai Pin」を、699ドル(1ドル=150円換算で、約10万5000円)で、2024年4月から販売開始しました。本レポートでは、実際に「Ai Pin」を使ってみて、その使用感や市場評価をKDDIアメリカの一色よりお送りします。


一色 望KDDIアメリカ
本誌の記者。KDDIオープンイノベーションファンドのアメリカ サンフランシスコ拠点でスタートアップとKDDIの事業創造を目指し、ディールソーシング(投資先探し)と投資評価に取り組み、既存の投資先企業もサポートしながらMUGENLABO Magazineの制作に携わる。趣味は世の中のトレンドサーチと、美味しいお店巡り、旅行、ジム通い。

Ai Pinとは

2007年のiPhoneの登場以来、革命的な進化を遂げてきたスマートフォンですが、それから15年以上が経った今、これに取って代わるAI搭載ガジェットが現れ、市場で注目を集めています。

Ai Pin は、シャツやブラウスなどの衣服の胸元にマグネットで装着できる小型のウェアラブルデバイスです。カメラと Qualcomm のチップを搭載しており、通話やテキスト作成、写真撮影ができたり、Open AI ベースのバーチャルアシスタントに話しかけたりすることができます。Ai Pin は、スマートフォンのようなスクリーンは有しておらず、音声とタッチパッド、ジェスチャーで操作します。また、レーザーインクディスプレイを採用しており、レーザーで手のひらにテキストや画像を表示することが可能です。

商品および機能概要

Ai Pin本体は手のひらサイズの正方形であり、マグネットで衣服の胸ポケットなどに装着して使用します。画面がなく、ほとんどの機能は音声ベースで操作されますが、音声のみで起動することはなく、タッチパッドに触れる動作が必要となります。また、広角カメラによって、手のひらを前後したり、指をつまむなどの動作を認識できるようになっています。

できること

・音声コマンドで質問に答えることができる
・カメラを使って物体や文字を認識し、説明を付けることができる
・50言語での翻訳ができる
・手のひらにレーザーでインターフェースを投影できる
・ジェスチャー操作(手のひらを傾けたり、つまむなど)ができる
・静止画や15秒の動画を撮影できる

できないこと

・電話をかけたり、メッセージを送受信したりすることはできない
・基本的な質問にも正しく答えられなかったり、コンテキストを正しく理解できないことがある

市場の評価と感想

アメリカ現地のテックギークなYouTuberやメディア記事などでは、期待に反して想像以上に少なく、機能に対する批判の声が圧倒的に多くなっています。

主な批判内容は以下の通りです(一部私個人の感想を含む)。

一色一色
性能面では、音声認識が不正確であったり、バッテリー消耗が激しかったり、充電時間が長かったりなど安定感に欠けてると感じました。
機能面では、レストランを特定することや、天気情報を提供することなどの基本的なタスクが認識できなかったり、電話アプリなどの完全な接続性を欠いているため、サービスの管理やスマートフォンの完全な置き換えが難しいと感じました。

最後に

たしかにそのビジョンはウェアラブルAIアシスタントの革新的なコンセプトで、スマートフォンの未来を予感させるものでしたが、現在の性能、使い勝手から考慮すると、スマートフォンをリプレイスするには到底及ばないと感じさせられました。ただし、Humane 社アナウンスによれば諸々の機能は2024年夏にアップデート予定であるとのことで、今後の発展に期待したいです!

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