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2024年09月12日

登壇25社紹介:KDDI ∞ Labo全体会登壇まとめ第3弾ーーモビリティ・エンタメ・ヘルスケア・環境領域スタートアップ【1月~6月・保存版】

全3回でお届けする、2024年上期KDDI ∞ Labo登壇スタートアップ紹介。第3弾も第2弾に続き、登壇スタートアップ25社を領域別にご紹介します。


モビリティと物流

モビリティと物流の領域では、個人事業主ドライバーと荷主を直接つなぐプラットフォームの登場や、自動運転技術の進化により、より効率的で柔軟な物流システムの構築が進められています。

  1. 物流の未来を切り拓く!配送サービス革命 – CBcloud

  2. ピックゴー

    CBcloudは、個人事業主ドライバーと荷主を直接つなぐ配送プラットフォーム「ピックゴー」を提供しています。このサービスは、全国7万人以上の個人事業主ドライバーと1万台以上の車両台数(※登壇した2024年4月時点)を有する協力会社ネットワークを活用し、幅広い業種の荷主企業に対して柔軟な配送サービスを提供しています。

    代表取締役CEOの松本隆一氏は、配送業界の人手不足と非効率な運用に着目し、ITを活用した革新的なソリューションを開発。義父の遺志を継ぎ、ドライバーの労働環境改善を目指して起業しました。

    ピックゴーは配送の効率化と同時にドライバーの働き方改革にも寄与しています。CBcloudは、ドライバー個々人の努力や業務への向き合う姿勢を可視化し、サービスの価値が正当に評価される仕組みづくりを基盤としています。これにより、ドライバーがより柔軟に働ける環境を整備し、物流業界の人手不足の構造的課題の解決を目指しています。さらに実際の配送サービス提供だけでなく、自社エンジニアによるシステム開発力を活用した「スマリュー」というオーダーメイド型システム開発サービスも展開しています。この総合的なアプローチにより、物流コストの最適化と売上拡大の両立を支援しています。

  3. 物流・小売業界の人手不足を解消! – ROMS

  4. ROMSの自動化ソリューション「NFC(ナノ・フルフィルメントセンター)」

    ROMSは、小型自動倉庫とロボットピックを組み合わせた自動化ソリューション「NFC(ナノ・フルフィルメントセンター)」を展開しています。NFCは100〜500㎡の設置面積で業界最高の効率を実現する小型自動倉庫・ロボットピックシステムで、EC・小売・物流事業者の倉庫・センター運営を効率化しています。

    代表取締役社長の前野洋介氏は、米国での自動化・ロボット領域の経験を活かし、小規模にフォーカスした高効率の物流システムを開発。三井物産での14年間の経験後、常に挑戦を続けたいという思いから起業を決意したそうです。
    ROMSは、完全な無人化ではなく、人と自動化のハイブリッド稼働による省人化を目指しています。同社は、NFCに加えて小売事業者向けの小型無人店舗兼配送デポ「RCS(ロボティクス・コンビニエンス・ストア)」も提供しています。これらのソリューションを通じて、ROMSは中小規模領域における省人化のリーダーとなることを目指しています。

  5. 屋内でも地下でも居場所が分かる位置情報サービスを展開! – MetCom

  6. MetComの3D位置情報サービスイメージ

    MetComは、GPSの弱点を補完する屋内外のシームレスな3D位置情報サービスを提供しています。このサービスは、GPSが不得意とする屋内測位や垂直方向測位(Z軸)を可能にし、屋外・屋内・地下のシームレスな3D位置情報を提供しています。

    同社取締役CFOの荒木勤氏によると、このサービスは屋内・地下でも高精度な位置情報を提供し、物流や交通システムの効率化に貢献しているそうです。MetComは電波測位と気圧分析技術(特許技術)を組み合わせた地上基地局を整備・運用しており、GPS電波が届かない場所でも、X,Y,Zの位置をGPSと同様の使い勝手で、同等以上の精度で把握することができます。MetComは、GPSに依存しない地上システムとして、測位における「When(時刻)」と「Where(位置)」を提供し、万が一、GPSの利用が不能となる事態が発生した場合でも、社会の継続性を担保するために重要な役割を果たすことを目指しています。

エンターテインメントとメディア

エンターテインメントとメディア分野ではWeb3技術を活用したコンテンツ配信や、AIを用いたクリエイティブ支援ツールの開発、2.5次元IPの展開など、デジタル技術とクリエイティビティの融合が新たな可能性を生み出していました。

  1. 最先端技術でリアルとデジタルの空間演出を提供 – stu
  2. stuは、リアルとデジタルの境界を曖昧にする最先端の空間演出技術で業界に新風を吹き込もうというスタートアップです。同社は「エンターテインメントの再発明」を手掛ける総合エンターテインメント会社で、現在4つの事業領域を展開しています。

    「TECH HOUSE」ではコアとなるテクノロジー体験の再開発を、「ART&CREATIVE」では伝統的なデザイン技法と最新の表現アプローチの融合を推進しています。「PRODUCTION」では映像制作のワークフローへのDX導入を図り、「MARKETING」ではグローバルスタンダードなマーケティング手法の導入を行っています。

    同社CEOの黒田貴泰氏は、グローバルヒットコンテンツの創出を長期的な目標として掲げ、複数人の脚本家による組織的なストーリーテリングや、最新のテクノロジーを活用した制作プロセスの効率化に取り組んでいます。

  3. 3つのVTuber関連サービスを展開 – any style

  4. my dear. nest

    any styleは、急成長するVTuber市場に着目し、独自のエコシステムを構築しています。同社は3つのVTuber関連事業を展開しており、その中心となるのが「my dear. nest」です。代表取締役の萩原湧人氏は「my dear. nest」が企業にとって新たな顧客層へのリーチを可能にし、VTuberにとって安定した収益源を提供するものだと説明しました。

    企業はこのプラットフォームを活用することで、VTuberと一緒に特産品のライブコマースやゲーム大会を開催したり、レジャー施設や観光地への集客、新規VTuberの制作など、多様な企画を実施することが可能になります。特に若い世代で活発になっている「推し活」の熱量が高いVTuberファン層へのリーチに興味がある企業に対し、効果的なマーケティング手法を提供しています。

  5. 視聴者参加型動画コンテンツを制作 – DramaBase

  6. DramaBaseのインタラクティブドラマ

    DramaBaseが提供する視聴者参加型動画コンテンツは、受動的だった視聴体験を能動的な参加型エンターテインメントへと昇華させようという取り組みを提案しています。同社は、インタラクティブドラマを中心にインタラクティブコンテンツの企画開発を手がけるスタートアップです。

    代表取締役の渡邉一眞氏は、ゲーム業界で培った「ユーザーを熱中させるノウハウ」を巧みに動画コンテンツに応用し、視聴者の選択がストーリーや演出に影響を与えるインタラクティブドラマを制作しています。

    DramaBaseのサービスは、企業のPR課題に合わせてオーダーメイドで開発するコンテンツと、ノーコードでインタラクティブ動画を制作できるプラットフォームの二つの形態を提供しています。実際の事例として、地方活性化や学校の活性化といったPR課題をインタラクティブドラマを活用して解決し、集客(入学者)支援で実績を上げています。

  7. 2.5次元IPの開発と異業種コラボで事業を拡大 – ウタイテ
  8. ウタイテは、YouTubeやTikTokなどの配信プラットフォーム上で活動する「歌い手」と呼ばれる2.5次元のIPを開発、運営、プロモーションするスタートアップです。歌い手の市場は、VTuberと同様に伸び続けており、アニメやゲーム、グッズ、イベント、玩具など、さまざまな領域とコラボできる点でも注目を集めているといいます。同社は女性ファンをターゲットとする、IPの開発に注力しています。

    実際に1IPあたり100億円規模の売上が上がっている事例もあり、1人当たりの売上はVTuberよりも大きいそうです。またオンラインでの配信にとどまらず、全国でドームツアーを開催している歌い手グループも存在するといいます。

    同社代表取締役CEOの倉田将志氏は、誰かの夢を応援することが好きだという自身の経験から、才能ある人々の夢を応援する会社を創立しました。ウタイテは、2.5次元IPの開発・運営だけでなく、その周辺領域のIPやクリエイターサポートにも注力しています。

  9. 新時代を切り開くweb3メディアを運営! – N.Avenue
  10. N.Avenueはweb3領域で世界最大のメディア「CoinDesk」の公式日本版も運営している企業で、ビジネス向けにはweb3をリサーチ・推進する大手企業のビジネスリーダー向けの有料会員サービス「N.Avenue club」を運営しています。このサービスは昨年7月に開始され、年会費は100万円(2024年4月時点)で提供しています。

    「N.Avenue club」の主な特徴は、月例の「ラウンドテーブル」と年3回の「ギャザリング」です。ラウンドテーブルでは、国内外のゲスト講師を招き、特定のテーマに関するレクチャーとディスカッションを行います。ギャザリングでは、会員企業と関連スタートアップや有識者との交流を促進します。

    代表取締役社長の神本侑季氏は、ブロックチェーン技術による「価値革命」がもたらす大きなイノベーションに着目。2018年より培ってきた官民及びグローバルな一次情報とネットワークを活用し信頼性の高い情報とビジネス機会の提供を目指しています。

ヘルスケアとウェルネス

ヘルスケアとウェルネスの分野では、テクノロジーの力を借りて個人の健康管理がより精密かつ効果的に行われるようになっています。S'UIMIN社の睡眠計測サービスは、高精度なセンサーとエッジコンピューティング技術を組み合わせて、リアルタイムでの健康データ分析を可能にしています。また、イノフィスの「マッスルスーツ」も、装着型センサーを用いて使用者の動きを正確に把握し、適切なアシストを提供してくれます。

  1. 最高の睡眠を提供! – S'UIMIN

  2. S'UIMINが提供する「脳波で睡眠検査」ができるソリューション

    S'UIMINは、私たちの「眠り」に新たな光を当てています。同社が開発した脳波測定デバイスは、家庭で簡単に使える形で最先端の睡眠計測技術を提供しています。このサービスは、自宅で気軽に「脳波で睡眠検査」ができるソリューションです。

    同社は「最高の睡眠から人生100年時代のウェルネスを」というビジョンを掲げ、単なる睡眠の質の向上だけでなく、人々の全体的な健康とウェルビーイングの向上を目指す企業です。良質な睡眠がメタボ・メンタル・認知症等の重大疾患の予防につながるという認識のもと、睡眠課題を本質的に解決できる社会の実現を目指しています。S'UIMINのサービスは主に3つの事業展開を行っています。1つ目は睡眠を改善するサプリや寝具などの評価を行う研究支援事業、2つ目は健康診断のオプションサービスとしての健診・クリニック事業、3つ目は企業の健康管理や生産性を高めるための健康経営支援事業です。これらの事業を通して、ユーザーの課題解決を行うとともに、ビッグデータを構築し、さらなるイノベーションにつなげていくことを考えています。外の取引まで事業を拡大し、より円滑な国際取引の実現を通じて、「必要な人に必要なモノが届く世界」を目指しています。

  3. 働く人の活躍を支援する「マッスルスーツ」を提供 – イノフィス

  4. イノフィスの提供するマッスルスーツは電気を一切使用しないのが特徴

    イノフィスは、身体機能のサポートという観点から健康とウェルネスにアプローチしています。同社が開発した装着型ロボット「マッスルスーツ」は、人間の動きを補助するデバイスとして注目を集めています。

サステナビリティと環境技術

サステナビリティと環境技術の領域では、廃棄予定の素材を活用した製品開発や、シェアリングエコノミーを推進するサービスなど、環境負荷を低減しつつ新たな価値を創出する試みが見られました。また、バイオテクノロジーと合成生物学の分野でも革新的な技術開発が進んでいます。アグロデザイン・スタジオはタンパク質構造解析技術を農薬開発に応用し、ファーメランタは合成生物学を用いて新しい物質生産方法を開発しています。これらの技術は、従来の手法では解決できなかった課題に新たなアプローチをもたらしています。

  1. 急な雨でも大丈夫!傘のシェアリングサービスを提供 – Nature Innovation Group

  2. 提供サービスアイカサ

    Nature Innovation Groupは、傘のシェアリングサービス「アイカサ」を展開し、都市生活者の利便性と環境保護の両立を目指しています。このサービスは、「雨の日を快適にハッピーに」「使い捨て傘をゼロに」をミッションに掲げ、年間約8,000万本と言われる使い捨てのビニール傘の消費削減に繋げようとしています。

    全国約1,500箇所に「傘スポット」が設置されており、スマートフォンアプリを通じて簡単に傘の貸出・返却が可能で、24時間140円という価格設定になっています。代表取締役の丸川照司氏は、シェアリングサービスの可能性に着目し、傘の年間消費量の多さを知ったことがきっかけで「アイカサ」を立ち上げました。現在、会員登録数は55万人(2024年6月時点)に達し、突発的な雨にも対応できる便利なサービスとして支持を得ています。

    Nature Innovation Groupの目標は、2030年までに使い捨て傘の使用をゼロにすることです。そのために、コンビニエンスストアよりも身近な場所にシェア傘のインフラを構築し、誰もが簡単にアクセスできるサービスとして、スポット数3万箇所、会員数1,000万人以上のサービスになることを目指しています。

  3. 廃棄予定の酒粕から「新しい美味しさ」を届ける- エシカル・スピリッツ

  4. 提供商品イメージ

    エシカル・スピリッツが手掛けるクラフトジン「LAST」シリーズは、日本酒製造の副産物である酒粕を原料としており、循環型経済の可能性を広げるとともに、日本の伝統的な発酵文化に新たな価値をもたらそうとしています。

    LASTは単なるアップサイクル製品にとどまらず、その品質の高さから国際的な評価を得ています。ウイスキー業界で最も権威ある品評会「WWA」のジン部門で国別の最高賞を、英国「IWSC2021」では最高賞であるGOLD OUTSTANDINGを受賞し、世界での上位9作品に日本勢として唯一選ばれました。

    さらに、エシカル・スピリッツは2021年5月に世界初の再生型蒸留所「東京リバーサイド蒸溜所」を東京蔵前にオープンし、エシカルな生産と消費の新たなモデルを提示しています。この蒸留所内には、オフィシャルストアと自社で運営するクラフトジンに特化したバーダイニングも併設されています。

    代表取締役CEOの小野力氏は「Starring the hidden gem(隠れた才能をステージへ)」を理念に掲げ、味わったことのない「新しい美味しさ」を世の中に届け、世界をリードするサステイナブルなスピリッツブランドを目指しています。

  5. トレーラーハウスで自然共生型の宿泊施設を実現 – BLANC

  6. BLANCのトレーラーハウス「BLANC HOTEL_BLANC FUJI」

    BLANCは、自然との共生を体現する宿泊施設を通じて、環境保護と観光産業の新たな関係性を模索するスタートアップです。同社は自社開発したトレーラーハウスを活用し、美しい自然の中で安心して快適に宿泊できる自然共生型ホテルを展開しています。

    代表取締役社長CEOの山中拓也氏によると、BLANCの事業は宮古島での経験から始まったそうです。ありのままの自然が残る土地に出会い、「美しい自然と共生しながら快適に過ごせる場所を作る」という決意が、BLANC誕生のきっかけとなりました。

    同社の「トレーラーハウス」というアプローチは、これまで建築規制により活用が難しかった自然公園や国立公園内での宿泊という課題に対する答えとなっています。国土の約15%を占める自然公園を、日本の貴重な観光資源として守りながら活用することで、今まで泊まれなかった自然の中に泊まる体験を提供しようというものです。

    同社の目標は、5年間で15施設のBLANC HOTELを作ることです。また、点在しているBLANC拠点を面で繋ぎ、日本を代表するエコツーリズムの観光拠点としてのブランディングを目指しています。山中氏は「建築を移動」させることで、環境、店舗経営、土地活用にイノベーションを起こしたいと述べています。

  7. ヒトにも環境にも優しい新農薬の開発! – アグロデザイン・スタジオ

  8. タンパク質画像

    アグロデザイン・スタジオは、農業分野において革新的な「分子標的農薬」の開発に取り組むスタートアップです。同社は構造生物学の知見を応用し、環境への負荷を最小限に抑えつつ、効果的な病害虫・雑草管理を可能にする画期的な技術を開発しています。

    代表取締役社長の西ヶ谷有輝氏によると、同社のコア技術はタンパク質の3次元立体構造解析で、この技術を用いることで、農薬の作用が分子レベルでわかり、標的生物以外への影響を最小限に抑えることが可能になります。

    同社の目標は、明確なエビデンスとともに安全安心な農薬を届けることです。西ヶ谷氏は、現在販売されている農薬の中には作用機序が不明確なものが存在し、それが消費者の不安につながっている可能性を指摘しています。同社の技術により、分子レベルのエビデンスとともに新規農薬を創出することで、無農薬栽培をする必要がなくなる未来の実現を目指しています。

  9. 低コストで環境に優しい素材を開発できる新技術! - ファーメランタ

  10. ファーメランタが提示する商品化イメージ

    ファーメランタは、合成生物学を応用して植物二次代謝産物(PSM)の微生物発酵生産に取り組む石川県立大発のスタートアップです。同社は、アルカロイドやテルペノイド、フラボノイドなど多様な物質の発酵生産に成功し、さらに人工生合成経路のデザインにより天然に存在しない化合物の合成も可能にしています。

    同社の強みは、独自の「生合成経路設計技術」や「多段階生合成遺伝子のバランス制御技術」など、アカデミア研究から培われた経験による技術です。これらの技術を組み合わせることで、実用的な生産菌株の構築に成功しているそうです。

    同社の目標は、微生物を工場とする持続可能な物質生産方法により、地球規模の様々な物質生産の課題を根本的に克服することです。この技術により、医薬品、食品、化粧品、農薬などの分野で、これまで実用レベルでの利用が難しかった多様な有効成分を用いた製品開発が可能となり、世界中の人々の健康に貢献することが期待されています。

    めぇ〜ちゃんめぇ〜ちゃん
    2024年上期は幅広い領域のスタートアップへご登壇いただきました。KDDI ∞ Labo下期の登壇スタートアップも今後注目です!

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