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2024年09月06日

登壇25社から見えてきた課題傾向とは?ーーKDDI ∞ Labo全体会登壇まとめ第1弾【1月~6月・保存版】

KDDI ∞ Laboで定期開催している月次全体会。今回は2024年1月から6月までにご登壇いただいたスタートアップ25社をまとめてご紹介いたします。全体会では毎月テーマを決めていますが、一定期間を通してみるとまた別の傾向や視点が生まれてきます。記事として振り返ることで新たなつながりのきっかけになれば幸いです。


領域別全体傾向

登壇いただいたスタートアップ25社を領域・技術別にみてみると、「AI・テック系」、「物流・モビリティ」、「エンタメ」、「ヘルスケア」、「サステナビリティ」などの様々なテーマで挑戦しているスタートアップが多くなっています。

今、グローバルではAIへの投資が大きく動いていますが、国内でもその傾向はありつつも、各領域にバランスよくプレーヤーが分散している印象があります。また、サステナビリティなど、環境問題や社会課題の解決に向けてこれらの技術が積極的に活用されている点も見逃せないポイントではないでしょうか。

課題の傾向:既存システムや慣行の非効率性


(画像:アイカサウェブサイトより)傘のシェアリング「アイカサ」は誰もが考える難しい社会課題に挑戦

MUGENLABO Magazine編集部では、全体会にご登壇いただいスタートアップ創業者・登壇者のみなさんにインタビューを実施し、創業の経緯やサービスの特徴などを記録してきました。
この半年間に登壇したスタートアップ企業25社の事業立ち上げの経緯を分析すると、各社が直面していた多様な課題と、それらを解決しようとする起業家たちの熱意が浮かび上がってきます。
多くの企業に共通する課題として、既存システムや慣行の非効率性が挙げられます。

例えばSecureNaviは、情報セキュリティマネジメント業務において依然としてWordやExcelを使用した非効率な方法で行われている現状に問題意識を持ちました。同様にSrushも、企業内のデータ管理や分析が複雑化し、効率的な意思決定が困難になっている状況を課題として捉えています。
また、人材不足や労働環境も大きな課題です。CBcloudの「ピックゴー」は物流業界の人手不足と労働環境の改善を目指したシェアのアイデアで生まれたサービスです。

既存産業が新たな技術進化に期待するケースもあります。特に仮想現実や医療・健康、農業・バイオなどの領域ではこのような視点が多いかもしれません。例えばパリティ・イノベーションズは、SF映画で描かれるような空中映像技術が現実世界で実現されていないことに着目し、その技術開発に取り組んでいます。

医療や健康分野では、S'UIMINは、睡眠障害の問題に対して従来の睡眠検査の煩雑さを解消し、自宅で簡単に高精度な睡眠計測を行えるソリューションを開発しています。
農業やバイオテクノロジー分野のアグロデザイン・スタジオは、農薬開発における構造生物学の応用という新しいアプローチを採用し、より安全で効果的な農薬の開発を目指しています。ファーメランタも、合成生物学の技術を活用して、従来の物質生産方法の限界を超えようとしています。

スタートアップは、「社会課題」を解決するための装置とも言えます。Nature Innovation Groupでは、年間約8,000万本もの使い捨て傘が消費されている環境問題に取り組むために「アイカサ」を立ち上げました。エシカル・スピリッツも、廃棄予定の酒粕を再利用するという発想から、環境に配慮した新しい製品開発に乗り出しています。

創業者の顔ぶれ:学生起業からシリアルアントレプレナーまで


(画像:イノフィスウェブサイトより)大学の研究を事業化したマッスルスーツ

1月から6月に参加したスタートアップ創業者の顔ぶれもバラエティ豊かです。まず、企業や大学・研究機関での経験を活かして起業した比較的オーソドックスなケースです。
イノフィスの代表取締役社長である乙川直隆氏は、東京理科大学の小林宏教授が長年開発してきた「マッスルスーツ」の事業化を目指して起業しました。アカデミアでは、アグロデザイン・スタジオの代表取締役社長である西ヶ谷有輝氏が、東京大学の博士課程での研究テーマを実用化するために起業しています。

後継ぎ系の起業家では、CBcloudの代表取締役 松本隆一氏が挙げられます。松本氏は義父の配送会社を引き継いだことがきっかけで起業しました。現場での経験と、義父の遺志を継ぐという強い思いが、革新的な配送プラットフォーム「ピックゴー」の開発につながっています。
国際的な経験も創業者バックグラウンドとして役立つことが多いです。ファーメランタの代表取締役CEOである柊崎友祐氏は、学生時代にケニアでJICAの青年海外協力隊として活動した経験が、グローバルな視点での社会課題解決に取り組む動機となっていると言います。
パトスロゴス代表取締役の牧野正幸氏は、大手企業の3社に1社が利用している人事給与システム「COMPANY」の開発元であるワークスアプリケーションズの創業者です。

このように、様々なきっかけで起業されている皆様にご登壇いただきました。
次回記事から、領域別のスタートアップそれぞれについて詳しく見ていきたいと思いますのでお楽しみに!

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