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2024年04月30日

TOKYO VENTURE CAPlTAL HUBに入居している、VCの推しスタ6社をご紹介/KDDI ∞ Labo4月全体会レポ

KDDI ∞ Laboでは毎月、オープンイノベーションに関わる∞Laboパートナーとスタートアップの共創をサポートする全体会を開催しています。4月に開催した会では、パートナーとして参加いただいている96社の方々と、スタートアップ6社が協業や出資などのきっかけを求めて、東京・麻布台のTOKYO VENTURE CAPITAL HUBに集まりました。

TOKYO VENTURE CAPITAL HUBとは、アメリカのVCが集積するSand Hill Roadの日本版を目指して、2023年にできた「麻布台ヒルズ」のガーデンプラザ4階・5階にオープンしたベンチャーキャピタルの集積地です。日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)や独立系VC、CVCなど約70社がここに活動拠点を置いています。

今回はTOKYO VENTURE CAPITAL HUBに入居するVC6社の東京大学エッジキャピタルパートナーズANOBAKADIMENSIONDRONE FUNDインキュベイトファンドSpiral Capitalがそれぞれ1社ずつ推薦し、合計6社がピッチ登壇しました。


めぇ〜ちゃん
本稿では、登壇した6社のピッチステージの内容をお送りいたします。

〝ヒト版ETC〟技術で、買い物や入場をハンズフリーにする「Sinumy Technology」

Sinumy VP of Business Development 倉内亮弥氏

Sinumyは「リアルな世界にシームレスの体験を」というビジョンのもと、ハンズフリーの認証技術「Sinumy Technology」を開発しており、現在は実証実験フェーズにあります。インターネット上で商品を購入する際、本人確認やパスワード入力、決済などは数秒で完了します。しかし、リアルな日常で買い物するときは、スーパーでレジに並んだり、財布から現金やカードを出し入れしたり、さまざまな手間が発生しています。

一方、現実世界でも決済が数秒かつハンズフリーで完了しているのが高速道路のETCです。ETCのコア技術は決済対象の車両を特定する「位置測定」と不正利用を防ぐ「セキュリティ認証」です。ETCの技術を人に転用することは非常に困難とされています。車両と異なり数十cm間隔で人が並んでいる場合、1人の決済対象者を特定するのが難しいためです。

「Sinumy Techonology」イメージ

そこでSinumyは「ヒト版ETC」の実現に向けて、Sinumy Technologyを開発しています。

この技術が実現すれば、人と人の間隔が10cm程度でも決済対象者を確実に特定でき、Bluetoothを活用することでセキュアな本人認証も可能です。店舗での決済や、イベントやアミューズメントパークでの入場チケットの確認、オフィスの出入口での入館証の提示などがハンズフリーで、スマートフォンをかばんやポケットから取り出すことなく行えるようになります。

倉内氏

協業ニーズとしては、認証技術はあらゆるサービスに絡むため、不動産や交通はもちろん幅広い分野から要望をヒアリングしたいと考えているそうです。また、社内施設のアクセスコントロールやログ取得などを効率化したいという相談にも対応可能だといいます。

現在は実証実験フェーズですが、実用化に向けて順調に進んでいます。インターネットサービスの認証に関連するため、(ここに集まっている)ほとんどの企業にとって何らかの関係があり、協業させていただける可能性があるのではないでしょうか。ハードウェア製造のためパートナーも探しているところです。

倉内氏

2024年問題で期待増、ドライバー支援とDXで物流課題を解決するCBcloud

CBcloud 代表取締役CEO 松本隆一氏

昨今、2024年問題としてドライバーの労働時間が制限されることにより、輸送リソースが減少することから「モノが運べない時代」が到来すると言われています。そんな中、CBcloudは「ドライバーの価値の向上」というアプローチで、2024年問題の解消に取り組みます。

CBcloud代表の松本さんは、羽田空港で航空管制官を務めた後、義父の運送業を引き継ぐことになり、空から陸へのキャリアチェンジとともにCBcloudを設立しました。CBCloudの特徴は、大手運送会社ができない柔軟な配送対応です。

具体的なサービスは2つあります。1つ目は配送プラットフォーム「ピックゴー」です。BtoBの企業配送やBtoCのラストワンマイル配送などの需要に対し、全国約7万名以上の配送パートナーを即時に手配可能です。24時間365日対応のサポート体制や配送員評価制度、カーリース、即時入金による個人事業主支援など、運送事業者に向けたサービス環境も充実しています。

配送プラットフォーム「ピックゴー」

ピックゴーの強みは、業界No.1となる全国51,000人のドライバー登録数や、99.2%のマッチング成功率です。2t・4t・10tのトラックから2輪車まで、多様な配達ニーズに対応できるネットワークを構築していることです。

松本氏

ピックゴーに多くのドライバーが登録している背景には、ドライバーが働きやすい環境づくりがあります。たとえば貨物保険や1日車検、車両メンテナンスといったドライバーを支援する仕組みを、自動車メーカーや保険会社と提携することで実現しています。

もう一方のサービスは、顧客課題に応じたDXを実現するオーダーメイド型のシステム開発事業「SmaRyu(スマリュー)」です。ドライバーが使用するシステムやアプリの開発を、運送業界を理解した社内のエンジニアが行うことで、運送現場の仕組みをデジタル化するサービスとなっています。

CBcloudの事業展開は、ピックゴーとSmaRyuの2つが軸です。ドライバーさんに対しては、仕事を集め働き方を変革することで価値を高め、他方で、物流現場の業務システムやアプリケーションの開発を行い、運送・物流の仕組みを刷新することで、現場の効率化と価値向上を図っています。

このような価値提供が可能なのも、多くのドライバーさんが参画してくれているからです。CBcloudではドライバーの保険運営、メンテナンスサポートのドライバー支援の仕組み作りにも注力してきました。将来は車両の提供なども検討しています。ドライバーさんを支援し、ひいては物流サービスの質の向上を目指しているのです。

松本氏

取締役会DXで企業の成長を加速、日本企業の株価を10倍にしたい「ミチビク」

ミチビク 代表取締役 中村竜典氏

ミチビクは「経営を、あるべき姿に導く。〜日本企業の株価を10倍にする〜」というミッションを掲げ、取締役会DXプラットフォーム「michibiku」を提供しているスタートアップです。「株価10倍」という数字には、直近30年間で生じた日米の株価の差を埋め、誇れる日本を取り戻したい思いが込められているといいます。

ミチビク代表の中村さんは取締役会という場に、役員や監査法人、取締役会事務局として参加してきた経験から、多くの企業の取締役会で、企業成長に寄与する議論がなされていないと感じたそうです。

たとえば新規事業やM&A、資本政策など中長期的に事業を前進させるためのアジェンダを扱うべきところ、月次の生産計画や細かい規程の改定などに大幅な時間が割かれているケースを多く目の当たりにしてきたといいます。

上場企業の取締役会をDXすることは、企業の成長だけではなく、消費者や関連企業などへの良好なインパクトにもつながると、ミチビクは考えます。

「michibiku」イメージ

取締役会における意思決定が硬直化したせいで、企業で新しいチャレンジが生まれなくなり、結果として失われた30年が生じてしまったと考えています。海外企業がインフレで停滞し、再度日本の企業に注目が集まっている今日のチャンスをどのように生かすのかが、今後数十年の日本の経済成長を左右していくでしょう。その際に企業の最高意思決定機関である取締役会が、トップダウンで、スピード感を持って決断を下すことが何より重要だと思います。

中村氏

取締役会を変革していくためにはまずは現状を見える化することが非常に重要です。michibikuを使って、まずは会議の音声をAIで書き起こしし、そのテキストデータを使って、どのアジェンダにどれぐらいの時間を使っているのか、誰がどれくらい発言しているのか、説明と議論のどちらが多いのかなどを見える化するところがスタート地点になります。

michibikuは取締役会の事務局の負担も軽減します。事務局は社内から議案を集めて招集通知を作成し、役員にメールで展開する中で膨大なメールのやり取りが発生します。出席者用に大量の紙を印刷したり、音声を人力で文字起こしして議事録を作成したり、最終的には議事録を印刷して印鑑リレーしたりするなど、アナログな作業が詰まっているのが事務局の業務です。

地上波を使って3次元測位、位置情報インフラに新潮流をもたらすMetCom

MetCom 取締役 CFO 荒木勤氏

MetComは屋内外でのシームレスな3次元の測位(位置情報)システムを展開しています。位置情報といえば「GPS」をイメージする方も多いでしょう。このGPSに代表される衛星測位は、屋内や高さが不得意という課題があります。人の過ごす時間が圧倒的に多い屋内の位置情報をカバーできていない衛星測位は、位置情報インフラとしては不十分と考えられます。

MetComは地上波の仕組みで衛星測位を補完・代替する技術を開発しています。一般的に衛星測位の仕組みは、時刻情報を上空2万キロから受信することで位置情報を計算しています。しかし、それでは距離が遠いのです。MetComの技術は、ビルの屋上から地上波で、衛星測位と同じ情報を伝播することにより、圧倒的に近い距離で送受信ができる。これにより、屋内や地下での位置情報がわかるようになります。

また位置情報といえば一般的に2Dの世界ですが、MetComの仕組みであれば3D、すなわち高さの情報も認識可能です。MetComの技術は、GPSと同等の地上波による測位と気圧データ分析のハイブリッドにより、高精度の垂直測位も実現している点で、特許を取得しています。この特許技術により、対象者がビルの何階にいるのか判別できるわけです。

「MetCom」 イメージ

社会的な位置づけとして、MetComは測位という無線利用インフラを地上波というレイヤーで日本初のポジショニングを実現します。テレビを見るときや電話をするときに地上波の仕組みを活用するように、測位も地上波の仕組みで行うのです。

荒木氏

テレビ放送や通信においては、地上波システムが実用領域を提供し、衛星が補完的な役割を果たしていますが、測位の領域では衛星システムのみに実用性への期待がかかり続けています。MetComは測位に地上波という実用性のある仕組みを持ち込むことにより、広域性と精度をバランスさせた3D位置情報を提供していきます。

ただし、これを実現するためには電波免許という大きなハードルがあります。MetComは5年の歳月をかけて準備を重ね、ついに2024年4月、総務省においてプラチナバンドと呼ばれる周波数の割り当てに向けた審議がスタートしました。プラチナバンドが割り当てられることで、MetComの技術は日本全国に浸透していきます。

MetComの測位技術は、GPSを利用している全てのサービスに活用可能です。人や物の位置から自動車やドローンのような移動体の位置までトラッキングできます。SIerや通信キャリア、アプリ開発者、データ分析事業者、広告関連事業者、モビリティ事業社などに地上波を活用した位置情報を提供することで、警察や消防からアプリやゲーム、人流分析、自動車やドローンまでさまざまな領域の事業やサービスを促進します。

位置情報は、これからすごく基本的な情報インフラになります。パートナー企業と協力して、建設、公共安全、防災、モビリティなど幅広い分野でのユースケース創出を目指しています。企業の皆様といろいろユースケースを作って、安全・安心・便利な社会を実現したいと思います。

荒木氏

輸出企業に朗報、外貨決済や送金のコストダウンと消込処理を効率化する「RemitAid」

RemitAid 代表取締役CEO 小川裕大氏

RemitAidは海外企業との取引を決済で支援するクロスボーダー決済サービスを展開しています。内需が縮小する日本において、外貨の獲得は非常に重要なテーマです。実際に国としても農林水産省が2030年までに30億円の輸出を後押しする支援をしています。また、経産省は中小機構やジェトロと共同で中小企業1万社の輸出を支援する取り組みを行っています。

ただこうした企業が輸出をするときに、必ずぶつかる壁が高額な手数料です。具体的には海外送金の仕組みです。海外の企業からお金を受け取ろうとすると、中継銀行を挟んで取引が行われ、コストも非常に高く不明瞭、スピードも遅いなどの欠点がある仕組みが10年以上も変わっていません。

さらに企業側のオペレーションも複雑です。一般的に海外取引用のポータル画面もしくは銀行からの電話でどこからいくら入金があったのかという情報をExcelファイルで管理し、取引のチェックは目視で行われている状況です。これらの課題に対してRemitAidは決済のオペレーションコストを削減するソリューションを開発しました。

「RemitAid」イメージ

RemitAidが提供する価値は大きく分けて3つです。1つ目は従来の国際送金の仕組みを使わない決済サービスです。2つ目が情報の見える化を行い、入金確認の業務を効率化します。3つ目が決済における不要なプレイヤーを排除することで決済手数料を最適化することです。

小川氏

RemitAidは大きく2つの決済手段を具体的なソリューションとして提供しています。まず、振込のソリューション。そしてデジタル決済のソリューションです。2つのうち、今後弊社のメインの決済となっていくのが海外振込サービス「海外ラクヤス振込」です。海外ラクヤス振込にはいくつかの特徴があります。

まず9つの国と地域において、RemitAidがアライアンスを組んでいる資金移動業者を活用し、海外に支社や拠点を持たなくても海外の口座を作ることができます。たとえばアメリカの企業と取引するときに、アメリカ側の企業は国内振込で、日本企業に支払いができるため、手数料や業務負荷を削減できます。

また、日本企業が海外企業と取引するとき、インボイスと口座の名義が異なるケースが多くありますが、取引はExcelの代替となる管理画面に反映されるため、振込元も一目瞭然で判別し突合・消込できます。今後は日本の金融機関との連携を拡大しながらサービスの幅を拡大していく展望です。

固定の月額、処理手数料、為替手数料をいただくビジネスモデルを採用しています。月間3,000万円の取引がある会社なら、理論値で30万円のコスト削減効果があることになります。現在は8社と契約していて、今後本格展開する計画です。マーケットサイズは約7,000億円と見ていますが、足元のデジタル決済と振込だけでも2,000億円以上の需要があると判断しています。

小川氏

Web3メディア「CoinDesk」日本版や企業・キーパーソンのコミュニティを運営するN.Avenue

N.Avenue 代表取締役社長 神本侑季氏

N.Avenueは2018年からWeb3・ブロックチェーン領域で情報発信をしています。N.Avenueのミッションは「価値革命時代の地図とコンパスを作る」です。価値革命とは情報革命に次ぐバラダイムシフトで、Web3領域の技術の進化とともに、仮想通貨やNFTなどの新たな価値がブロックチェーン上でやり取りされるようになり、世界中の多くの人の価値交換がスムーズになるイノベーションを指します。

一方、こうした領域はグローバルかつスピードも速い領域であるため、情報にキャッチアップするのは容易ではありません。そこでN.Avenueは、日本社会におけるWeb3領域に特化した地図とコンパスを作ることを使命に活動しています。

N.Avenueは複数のサービスを提供しており、その一つがメディアです。Web3メディア「CoinDesk」の日本独占ライセンスを保有し、「CoinDesk JAPAN」を運営しています。CoinDeskはビットコインが誕生した約15年前から存在し、ロイターやブルームバーグなど出身の、金融に関する高い報道ポリシーを持ったチームにより運営されています。

Web3メディア「CoinDesk」

CoinDesk JAPANは正確性・信頼性・中立性の3つを編集方針に掲げ、暗号資産やNFT、ブロックチェーンゲーム、大手金融機関のデジタル通貨推進に関する最新情報などを紹介しています。また、有識者のオピニオン記事やアナリストレポートなどにより、投資家や未来を学ぶビジネスパーソンの役に立つ情報も発信しています。

神本氏

2つ目のサービスがWeb3振興のためのコミュニティサービス「N.Avenue members」です。過去2回開催したブロックチェーンカンファレンス「btokyo」では金融庁や内閣官房などの官公庁をはじめ、スイス財務省やシンガポール金融管理局からもゲストを招聘。国内からはトヨタグループや野村グループ、J.P.モルガンなどの大手企業も参加し、国内最大規模となる約3000名でWeb3領域の共創を促進しました。

3つ目のサービスがWeb3領域のビジネスを推進、リサーチする法人向けの招待性コミュニティ「N.Avenue club」です。N.Avenueのネットワークを活用し、Web3業界の貴重な情報のシェアや企業の新規事業や経営企画部門に共創機会の提供などをしています。

私たちの会員サービスでは、経営陣やリーダー層に向けて、ブロックチェーン技術の基礎から応用までを啓蒙し、その可能性を最大限に引き出すための知識を提供しています。企業がこの先進的な技術を理解し、自社のビジネスモデルにどのように組み込むことができるかを探求する手助けをしています。

神本氏

めぇ〜ちゃん
各社のご紹介記事も公開しておりますので、お楽しみに~!

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