- インタビュー
2021年10月20日
CO2フリーの新エネルギーを開発 - クリーンプラネット
- 株式会社クリーンプラネット
林 雅美 - グローバル戦略室長
2021年9月17日、KDDI ∞ Laboの月次全体会(完全オンライン実施)において、スタートアップ6社が大企業に向けてピッチを行いました。MUGENLABO Magazine編集部の新米記者めぇ〜ちゃんが登壇企業にインタビューを行いました。
5社目はクリーンプラネットです。CO2フリーの新エネルギー「量子水素エネルギー」を開発するスタートアップです。今回は株式会社クリーンプラネット グローバル戦略室長の林 雅美氏に話を聞きました。
- めぇ〜ちゃんMUGENLABO Magazine編集部
- 本誌の新米記者。事業共創やオープンイノベーション、CVCに関する知識を勉強しながら、MUGENLABO Magazineの制作に携わる。
- めぇ〜ちゃん
- クリーンプラネットは日本の数少ないユニコーンスタートアップの1社です!CO2フリーの新しいエネルギー「量子水素エネルギー」を開発しています!
グローバル戦略室長の林氏に伺いました
何をしている会社ですか?
林:脱炭素社会を目指して、「量子水素エネルギー」という新しいエネルギーを開発している会社です。クリーンプラネットが独自で開発した量子水素エネルギーは、安価に入手できるニッケルと銅を使用したナノスケール金属複合材料に、微量の水素を高密度に吸蔵させ、水素が量子拡散する過程に起きる発熱反応を利用します。
「量子水素エネルギー」の熱発生原理
その発熱密度は都市ガスの10,000倍以上、しかも水素が燃料なのでCO2を排出しません。量子水素エネルギーは、火力発電、原子力発電の代替となり得る次世代クリーンエネルギーとして期待されています。
この新しいエネルギーは世界でもここ数年で注目され始めていますが、弊社は技術面でも特許面でも世界を先行しています。2012年9月に会社が創立されてから、国内ではすでに31件の特許を出願し、これらに基づき順次海外へも出願しています。これまでに取得した特許の数は世界21カ国で計46件に上ります。
なぜ会社を立ち上げたのですか?
林:弊社代表の吉野は英会話スクールGabaの創業者ですが、2004年にGabaをエグジットした後はクリーンエネルギーの投資家として国際的に活動していました。その後2011年の東⽇本⼤震災の惨事をきっかけに、「GX=グリーントランスフォーメーション」こそが⼈類にとって最も急務であると信じ、科学先進国の⽇本から世界にエネルギー⾰命を起こそうという想いで様々な分野の科学者を結集し、2012年9月、震災の1年半後にクリーンプラネットを起業しました。
初めの頃は、エネルギー革命を起こす、燃やさない文明を作る、と言っても話が壮大すぎて相手にしてもらえないことも多かったようですが、科学者の皆様が基礎研究を順調に進めて下さったお蔭で2019年には三菱地所と三浦工業からご出資頂き、同年10月からは「KAWASAKIベース」を構え、現在は実用化に向けて着々と開発を進めています。
このところは毎日のように、脱炭素、水素利用、ESG投資などがニュースに取り上げられていますが、一方で世界中で異常気象のレベルが加速度的に上がっています。社内では「一日も早い実用化の実現を」を合言葉に、チーム一丸となって毎日の業務に取り組んでおります。
これからの目標はありますか?
林:弊社の量子水素エネルギー装置は大量の熱を発生するため、まずは熱利用ということで、1000℃以下の温度帯の熱を利用する産業でこの新エネルギーを使って頂きたいと考えています。再生可能エネルギーというと太陽光発電や風力発電がよく知られていますが、実は日本のエネルギー消費の56%は熱エネルギーなのです。
既にいくつかの企業様とお話をさせて頂く中で、弊社の想定していなかった熱の活用方法をご提案頂くこともあり、様々な方法でこのエネルギーをご活用頂けるのではと感じています。将来的には発電やモビリティ分野にも実装を進め、まずは2050年のネットゼロに向けて、安心・安全・安価なこの「量子水素エネルギー」で世界のエネルギー革命をリードしていきたいです。
最後に一言お願いします
林:クリーンプラネットでは、各企業様のネットゼロ目標の達成をお手伝いさせて頂きたいと考えています。CO2フリーの熱エネルギーを利用していただける企業様、CO2の排出量を削減していきたい企業様がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけ下さい。
それでは次回もお楽しみに!
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