- インタビュー
2023年05月02日
一次産業の課題解決を目指す- YUIME
- YUIME株式会社
上野 耕平 - 代表取締役
KDDIは、「農業の人材派遣・農作業受託を中心に一次産業をサポートする」スタートアップ、YUIME株式会社へ出資したことを公表しました。「KDDI Regional Initiatives Fund」を通じたもので、出資額や評価額などの詳細は非公開。今回はYUIME株式会社代表取締役の上野耕平氏にお話を伺いました。
代表取締役の上野耕平氏に伺いました
何をしている会社ですか?
上野:YUIMEは、日本の食の問題が叫ばれる昨今において、一次産業のあらゆる課題を解決していく会社です。
現在は、一次産業の最大の課題である一次産業従事者の高齢化や新規の担い手不足に対応するために、産地の繁忙期に派遣を行い、短期的な労働力不足を解消する人材支援事業を実施しております。
また、日本全国で稲作から畑作への転作の流れが進む中で、畑作のノウハウが無いため上手くいかない場合が多々ありますが、弊社が請負うことで転作の一助を担う場合もあります。
2021年8月からは、一次産業のコミュニティーが少ないことに起因し、なかなかノウハウが受け継がれていないという課題に対して、一次産業の課題を集め、解決していくプラットフォーム「YUIME Japan」の運営(情報支援事業)も始めております。
Credit:YUIME
なぜ会社を立ち上げたのですか?
上野:YUIMEの物語は、沖縄の青空にそびえ立つ一本の高い煙突から始まりました。設立当初は、IT関連の派遣業をしておりましたが、ある時、沖縄の製糖工場から、人材の派遣の要請を受け、沖縄の南大東島の工場に見学に行った際に、農業は、日本という国の存在意義と精神が根付いていることに強く感銘を受け、農業を守る、日本を守るために農業支援事業への参入を決意しました。
農業への派遣をする中で、一次産業自体が慢性的な人材不足に悩んでおり、これらを解消することは容易いことではありませんが、弊社では、日本人はもちろん外国人材の双方を雇用することで、これまでにはない、新しい道を切り開きたいと考えております。
これからの目標はありますか?
上野:現在、外国人を主体とした人材支援事業と、課題解決のための情報支援事業の2つを事業の柱として一次産業の課題解決をしておりますが、まだまだ課題が山積みの状況です。弊社としても、一次産業の課題を一つでも多く解決するため、既存のサービスの充実を図るほか、様々な新規サービスを提供することを計画しており、2023年7月に新規サービスのローンチを計画しております。
弊社は、日本経済の基盤は一次産業にあり、その活性化こそが日本の「100年後の未来」と「今」を結びつけると考えております。
これからも様々な課題を解決できるサービスを提供し、一次産業従事者が、今よりももっと生き生きと仕事が出来ることにより、憧れの職業になっていく世界をつくりたいです。
KDDIからの出資を通して期待していることはありますか?
上野:今後、日本では少子高齢化の流れが加速していく中で、どうしても外国人材の人手を借りて、日本という国を運営せざるを得ない状況になると思っています。また、人手がどんどん少なくなっていく環境の中で、産地のIOTを進め、効率を良くしていくことが求められる時代が間違いなく来ると考えています。
弊社の事業を飛躍させるためには、外国人材とどのように共生していくか、産地のIOT化が課題となっていくと考えており、KDDIさんにも、日本を代表する通信インフラを保有する企業として、様々なご助言やサポートをいただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
最後に一言お願いします
上野:SDGsや排出権取引等の流れを受け、一次産業にご関心のある企業様も多くいらっしゃると思います。弊社の特徴として、一次産業の生産者との密度の濃いつながりが非常に多く、また次代の担い手である若い層との関わりがある会社です。
まずはご関心を持っていただける企業様と、より一次産業の未来に向けてディスカッションさせていただけらと思いますので、お気軽にお声がけください!
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