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2025年02月05日

領域を超えた連携を深掘る――宇宙×シティテックの共創可能性

2025年1月21日、東京都のイノベーションクラスター創出を目指す事業「TIB CATAPULT」に参画するMUGENLABO UNIVERSEと、Global CityTech Bridge(運営事業者:CIC Institute)による、領域を超えた事業連携の可能性を探る共同主催イベントを実施しました。


イベント当日は、宇宙分野、および都市課題の解決に取組むスタートアップによるピッチ、有識者によるパネルディスカッションをが行われました。本記事では、その内容を抜粋してお届けします。


TIB CATAPULTについて

TIB CATAPULTは、東京都の強みとなるインダストリーやテクノロジーの領域において、イノベーションを巻き起こすために組成された複数企業からなる「クラスター」と、東京都が協定を締結し、クラスター領域におけるスタートアップとの連携・協働を推進、イノベーション創出を目指します。採択されたクラスターはそれぞれ、グローバルに成長するスタートアップ創出に向け、3カ年で20件以上の大企業などとスタートアップによる協働実績の創出を目指します。

 

東京都・片山部長によるオープニングのご挨拶

 

登壇スタートアップ紹介

 

会場の様子

スタートアップと大企業、また宇宙×シティテックの連携可能性を模索するべく、各領域から2社ずつスタートアップにピッチいただき、大企業各社からの質疑応答を行いました。
今回ご登壇いただいたスタートアップの皆様はこちらです!

  1. 株式会社Delight Flow
  2. 衛星データを活用した都市の課題を解決する数理シミュレーション及びコンサルティング事業を提供。

  3. .株式会社ワイバーン
  4. スマートフォンで制御できるフレキシブルな薄膜シートヒーター「HeatFlux(ヒートフラックス) の提供。

  5. 株式会社Penetrator
  6. 衛星画像から特定の不動産をAIでピックアップし、不動産所有者への直接アプローチを実現するサービス「WHERE」の開発・販売、及び宇宙探査機の製造。

  7. 株式会社スペースシフト
  8. 地球観測衛星データを解析する独自のAIを開発し、建設業、農業、災害対応、環境対策など幅広い分野で革新的なソリューションを提供。

めぇ〜ちゃんめぇ〜ちゃん
ピッチセッションの中では、衛星データの都市開発への利用など、領域を超えた連携についての会話もされていました。

有識者によるパネルディスカッション

 

パネルディスカッションの様子

宇宙有識者として一般社団法人SPACETIDE /Corporate Partnership Team/PMの藤野 翔太氏と、シティテック有識者としてジャーナリスト/戦略イノベーション・スペシャリストの川端 由美氏に「宇宙×シティテック」について3つのテーマでパネルディスカッションを行っていただきました。

テーマ①:シティテック/宇宙ビジネスの概況
シティテックの領域は多岐にわたり、自動車との関りも大きく、政府のSocity5.0の実現に向けた「戦略的イノベーションプログラム( SIP )」も当初は自動運転技術に重点を置いていました。ただ、現在は交通計画やデジタルツインを活用した街の価値向上へとシフトしています。
こうした流れは日本に限らず、北米、ヨーロッパでも見られます。北米では、個人の自動車利用から地域が提供するマイクロモビリティへの転換など、公共交通の概念も変化しています。ヨーロッパでも公共性を重視し、既存のデータや技術の有効活用が活発になっています。

一方、世界の宇宙市場は約40兆円規模で、その大半は衛星通信やデータ活用、安全保障といった地上サービスが占めています。2040年には100兆円に成長すると予測され、日本国内でも2030年初頭までに市場規模を8兆円へ拡大する計画です。昨年スタートした「JAXA宇宙戦略基金」は10年間で1兆円の支援を行い、スタートアップの参入を後押ししています。さらに、宇宙スタートアップのIPOも相次ぎ、アストロスケール社は時価総額723億円を記録。業界イベントや異業種コラボの機会も増え、今まさに参入の好機です。

会場の様子

テーマ②:シティテック×宇宙の連携アイデア
シティテック側から宇宙を見ても、意外と共通する取り組みが多いです。特に、衛星データを活用したスマートシティ開発は、シティテックにとっても重要なテーマです。

また、宇宙技術とIoTの連携も今後の可能性として注目されています。スペースX社の宇宙通信の標準化が進めば、都市間データ共有の発展にもつながるでしょう。

さらに、宇宙服の技術がEVのバッテリー冷却に活用されるように、宇宙と都市の技術は互いに影響を与え合っています。こうした技術の融合が、新たな価値を生む鍵になると思います。

宇宙技術のシティテックへの利用については、災害対策やインフラ管理に衛星データやAIが活用されています。SAR衛星なら夜間や悪天候でも地上の状況を把握でき、デジタルツイン技術は都市計画やメンテナンスに役立ちます。
例えば、UMIAILE社は海洋観測の革新を目指し、天地人社の「宇宙水道局」は衛星データで老朽化した水道管を特定し東京都でも採用されています。また、スポーツや音楽など文化分野でも宇宙の可能性が広がっており、大規模構造物技術を活かした宇宙スタジアムの構想もあります。
宇宙では想像を超えた新しい文化や産業が生まれる可能性があり、皆さんと一緒に未来を考えていければと思います。

テーマ③:シティテック企業/宇宙企業との連携
シティテック側から宇宙との連携を考える一つの有効な方法として、シティテックだけでは解決できない課題を整理し、それを宇宙領域の方々と共有するアプローチが挙げられます。

宇宙分野はシティテックよりも先進的なビジネスモデルを持つことが多いため、競争が激しいシティテックの課題を広い視点で捉え、新しい視点や革新的な解決策を提供できるのではないかと感じました。

宇宙データは単なるデータセットなので、地上のセンサーと組み合わせることで新たな可能性が生まれます。まずは気軽に試してみることが大切です。
連携の面では、近年マッチングイベントやコミュニティが増えており、新たなアイデアやパートナーシップが生まれることもあります。小さな繋がりが広がることで、本格的なプロジェクトへと発展していくのではないでしょうか。

めぇ〜ちゃんめぇ〜ちゃん
次回は「宇宙の興行利用」というテーマで3月にイベントを開催します!
ぜひご参加ください!

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