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2025年03月25日

宇宙の興行利用――広がり続ける宇宙をテーマにした民間ビジネス

2025年3月11日、「宇宙の興行(エンタメ)利用」をテーマに、宇宙共創プログラム「MUGENLABO UNIVERSE」の第5回定例イベントを開催しました。


イベント当日は、宇宙をテーマにしたVRコンテンツなどを手掛けるスタートアップによるピッチ、有識者セッション、ネットワーキングでのコンテンツ体験を通じて、宇宙×エンタメの連携事例について紹介しました。本記事では、その内容を抜粋してお届けします。


会場の様子

登壇スタートアップ紹介

スタートアップピッチの様子

「宇宙×エンタメ」の連携事例を深掘りするため、宇宙をテーマにしたエンタメコンテンツの開発に親和性のある4社のスタートアップにピッチいただきました。

今回ご登壇いただいたスタートアップの皆様はこちらです!

  1. 株式会社STYLY
  2. XR/空間コンピューティングデバイス向けのデジタルコンテンツ制作・配信プラットフォーム「STYLY(スタイリー)」の提供。XRを活用した宇宙空間シミュレーション・訓練環境の構築など、エンタメを超えた体験設計への可能性に言及。

  3. 株式会社DigitalBlast
  4. 地球軌道上での研究開発・材料開発等を実現する軌道上R&D/製造プラットフォーム事業を展開。宇宙事業は研究フェーズからエンタメなど様々なアイデアとの連携による発展フェーズにあると紹介。

  5. フォレストデジタル株式会社
  6. 大型のマルチスクリーンによる映像やサラウンド音響システム、自然のアロマ等を用いて、森や自然の中にいるような旅体験ができる空間型VR「uralaa(うらら)」の提供。宇宙のイマーシブ空間を開発することで、お子さまやご高齢者へ宇宙に包まれる感覚を伝えたいと説明。

  7. 株式会社日本XRセンター
  8. XRゲームやアトラクション、大手企業向けのXR研修等のコンテンツを開発。航空業界や大手スーパーのVR研修・トレーニングにて活用実績があり、宇宙VRアトラクションでの活用を提案。

めぇ〜ちゃんめぇ〜ちゃん
ピッチセッションの中では、どこでも宇宙を感じられる空間づくりなど、ワクワクする展望もお話いただきました。

有識者によるパネルディスカッション

パネルディスカッションの様子

2024年に東京ドームでリニューアルオープンした新宇宙体験施設「Space Travelium TeNQ (以下、TeNQ)」(※1)の企画運営に携わる方々をお招きし、宇宙エンタメコンテンツの企画から実現、そして将来の展望についてディスカッション形式でお話いただきました。

ご登壇者は株式会社STYLY 執行役員の野村 つよし氏、株式会社DigitalBlastConsulting 代表取締役CEOの堀口 真吾氏、株式会社東京ドーム 興行企画部ゼネラルプロデューサーの西見 敬一郎氏です。

テーマ①:企画から実現までの裏話

リニューアルの背景には、開業から約10年が経過し、施設の老朽化や来場者のニーズ変化がありました。より多くの人が楽しめる体験を提供するため、新たなテーマとして「宇宙旅行体験」が選ばれました。
企画の段階で、VR技術を活用した没入感のある宇宙体験を提供するアイデアが浮上しました。単なる映像鑑賞にとどまらず、リアルなストーリーを持つ体験型施設へと進化させることを目指し、さまざまな検討が重ねられました。プロジェクトには、VRやデジタル技術に強みを持つSTYLY社、宇宙関連事業をサポートするDigitalBlastConsulting社が参画し、東京ドーム社のコンセプトを実現するために連携を開始しました。
それぞれの企業が持つ専門性を活かしながら、宇宙エンタメの新たな形を模索し、短期間で企画を具体化しました。今回のリニューアルを通じて、より多くの人が宇宙を身近に感じられる施設へと生まれ変わりました。

テーマ②:リニューアルオープン後の気づき
VRによる宇宙体験が魅力の施設として生まれ変わったリニューアル後のTeNQは、新たな来場者層を増やしています。親子連れ、若年層、カップルなどが多く訪れ、SNSには「宇宙に行った気分」「リアルで没入感がある」「子どもが宇宙に興味を持つきっかけになった」といった声が多く寄せられています。
リニューアルのポイントは、初心者でも楽しめるストーリー性と学習要素を散りばめた体験設計です。宇宙旅行者のミッションなど、エンタメと科学的な正確性のバランスを重視したリアルな設定となっています。
さらに、進化したVR技術により、視覚や聴覚だけでなく、振動などの体感要素も加わり、よりリアルな宇宙体験を提供しています。これが新しい層への魅力となり、来場者の拡大につながっていると語られました。リニューアルを機に、宇宙を身近に感じさせる取り組みが進んでおり、今後の展開に期待が高まります。

テーマ③:宇宙の興行利用の可能性
TeNQの取り組みからも分かるように、宇宙領域とエンタメは非常に親和性が高く、非日常的な体験の提供を目指すエンタメ領域において、宇宙空間を忠実に再現することで、十分に魅力的なコンテンツが成立します。さらに、有識者の参画を促進し、より再現度を高めることで、宇宙空間の質向上に加え、エンタメコンテンツとしての質も向上すると語りました。
また、エンタメを通じて一般消費者が宇宙に触れる機会を増やすことで、より多くの人々が興味を持つきっかけが生まれ、宇宙産業に関わる関連人口の増加にも寄与すると語られました。関係人口が増えることで、新しいアイデアの創出が加速し、好循環が生まれるとされています。
例えば、エンタメ用途として制作されたコンテンツが、教育や宇宙飛行士の育成など別の用途にも転用できると話が上がりました。
宇宙とエンタメを掛け合わせることで、エンタメの1コンテンツとしてだけではなく、宇宙産業の裾野拡大や、エンタメの枠を超えた多方面への応用の可能性にも期待が寄せられていると語られました。
最後に、このようなオープンイノベーションを進めるにはスタートアップと事業会社の連携がカギであり、双方が互いの立場やビジネスモデルを理解し、積極的にコミュニケーションを取り合いながら、互いの強みを活かしていくことが重要だと締めくくられました。

ネットワーキング

ネットワーキングでは、スタートアップピッチにご登壇いただいたSTYLY社とDigitalBlast社にご協力いただき、宇宙×エンタメを体験できるコンテンツを用意しました。

  1. 株式会社STYLY
  2. Apple Vision Proによる宇宙空間でのXRアイスクリームショッピング体験

    現実世界と仮想空間を融合した無重力空間での没入型ショッピングを会場の皆さまにも体験いただきました。
    スペイン・バルセロナ開催のMWC Barcelona2025(※2)(3/3-3/6)でもKDDIブースにて展示いたしました!

  3. 株式会社DigitalBlast
  4. ライブ配信や、Xにて宇宙に関する話題を発信するVTuberプロジェクト『月女神イチ』によるYoutube配信の様子を会場スクリーンにて上映し、参加者の皆さまにもお楽しみいただきました。
    TeNQの公式アンバサダーも務めています!

    新人宇宙飛行士VTuberの月女神イチ(アルテミス イチ)

    ※1)Space Travelium TeNQ
    施設名:Space Travelium TeNQ(スペーストラベリウムテンキュー)
    所在地:〒112-8575 東京都文京区後楽1-3-61 黄色いビル6F
    開業日:2024年11月22日(金)
    営業時間:平日11:00~21:00、土日祝・特定日10:00~21:00(最終入館 20:00)

    ※2)MWC Barcelona 2025
    世界中の通信キャリア、デバイスメーカー、スタートアップ、テクノロジー企業が一堂に会するスペイン・バルセロナ開催の超大型イベント。毎年、最新のモバイル技術やイノベーションが発表され、業界の未来が見えてくる場として注目されています。
    詳細はこちらの記事をご覧ください!

めぇ〜ちゃんめぇ〜ちゃん
次回はMUGENLABO UNIVERSE1周年イベントを企画中です!
ぜひご参加ください!

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