- インタビュー
2025年06月23日
シルクの力で、新しい未来を実現 - ユナイテッドシルク

- ユナイテッドシルク株式会社
清谷 啓仁 - 執行役員
2025年6月20日、KDDI ∞ Laboの月次全体会において、スタートアップ6社が大企業に向けてピッチを行いました。登壇されたスタートアップにMUGENLABO Magazine編集部のめぇ〜ちゃんがインタビューをしたので皆様にお届けいたします。
2社目はユナイテッドシルクです。スマート養蚕システムによる蚕・繭の生産をするスタートアップです。今回は、ユナイテッドシルクの執行役員 清谷 啓仁氏にお話を伺いました。
めぇ〜ちゃん
- ユナイテッドシルクは、シルクのトータルソリューションカンパニーとして、繊維用途に限らず、化粧品・食品・医療・バイオ原料など新しい領域に挑戦しています。
執行役員の清谷氏に伺いました
何をしている会社ですか?
清谷:ユナイテッドシルクは、シルクを活用したトータルソリューションカンパニーとして、素材の研究・開発・製造を行うスタートアップです。従来は繊維用途に限定されてきたシルクを、化粧品原料、食品素材、医療用途、さらにはバイオ素材へと再構築しています。当社は独自の精製・分離技術を活用してシルクの主要構成成分であるフィブロインを高純度で抽出し、原料の生産から用途開発、パートナーとの製品化支援までを一貫して担い、伝統素材に革新を加えたサステナブルな新産業を創出しています。
なぜこの会社を立ち上げたのですか?
清谷:創業の背景には、「伝統素材であるシルクを、未来の産業に変えたい」という強い想いがありました。世界的にサステナブル社会への移行が進む中、シルクには未活用の可能性が数多く存在します。しかし現実には、その用途は99%以上が繊維に限られ、かつ中国依存度の高い産業構造が続いています。
私たちはこの構造的な課題を解決し、シルクを再定義することで、持続可能かつ高付加価値な産業を日本から再構築したいと考えました。特に、地域に根ざした養蚕農家や事業会社との連携を通じて、シルクを素材としてだけでなく「産業インフラ」として捉え直す必要があると考えています。
私たちは、テクノロジーと伝統の融合によって、環境に配慮した新たな素材産業のモデルを世界に発信したいと考えています。そしてこの挑戦は、日本の養蚕業の再生や地方創生とも深く結びついており、「素材から社会を変える」というビジョンのもと、挑戦を続けています。
これからの目標はありますか?
清谷:ユナイテッドシルクが目指すのは、シルクを軸とした多用途展開によって、環境と経済の両立を実現することです。具体的には、化粧品原料・食品素材・医療用途・生分解性容器といった各分野において、それぞれの業界ニーズに応じた製品開発を進めています。
例えば化粧品では、高機能かつエシカルなシルク由来の成分を提供し、サステナブルビューティーを牽引するプロダクト・ブランドの構築を目指しています。食品分野では、健康食品や機能性食品への応用が期待されています。さらには、シルクコーティングによる食品の賞味期限延長等、今後のフードテック分野にも可能性を広げています。生分解性を活かした化粧品容器・食品パッケージの開発では、石油由来プラスチックの代替素材として開発を進めています。
私たちはグリーンサプライチェーン構築の実現を通じて、日本発のサステナブル素材産業を世界に広げていきます。
最後に一言お願いします
清谷:私たちは、伝統素材であるシルクを、最先端のNew Materialと進化させることで、環境・産業・社会に貢献したいと考えています。この挑戦には、素材開発だけでなく、技術連携、製品化、販路開拓など、さまざまなパートナーの力が不可欠です。分野を越えた共創によって、持続可能な未来を一緒に創造していきたいです。
めぇ〜ちゃん
- シルクに未活用の可能性が数多く存在するとは、、!これからの環境と経済に大きな影響を与える存在になりそうですよね!それでは次回もお楽しみに♪
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