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2022年01月20日

東急、プロロジス、ウィルポートが協業——「個宅向け配送混載モデル」で、ラストマイル配送の効率向上目指す

東急、物流不動産世界的大手のプロロジス、共同配送管理システムと物流サービスを提供するウィルポートの3社は、「オープン型ラストワンマイル配送プラットフォーム」を構築し、東急線沿線エリア(東京都および神奈川県)で2022年2月1日から運用を開始すると発表した。このサービスでは、プロロジスがラストワンマイル拠点の整備・運営ノウハウを、ウィルポートが共同配送管理システム(TMS)を、東急が既存配送拠点と傘下の「東急ベル」の配送スタッフ(ベルキャスト)による配送を、それぞれ提供する。


近年、EC の急伸とともに、物流業界全体でのドライバー不足、ドライバーの長時間労働が社会問題化しており、コロナ禍以降は、その傾向がより一層顕著となっている。また、トラックドライバーの時間外労働への上限規制が厳格化する「2024年問題」を見据え物流工程の見直しが行われる一方で、配送の担い手不足によるさらなる配送遅延や配送コスト増大も危惧されている。今回3社の協業では、TMS を活用した「個宅向け配送混載モデル」により、ラストワンマイルにおける配送効率の向上を目指す。

TMS は、ドライバーの空き状況確認や配車に加えて、ドライバーの技能、研修履歴、車両整備 状況などを一元管理するクラウドシステムで、各ドライバーの配送状況をリアルタイムに把握し、配送技術を評価(配送品質の見える化)することで、適切かつタイムリーな配車と、配送品質の向上が可能。ベルキャストは東急ベル独自の研修を受講し、認定を受けた者だけが業務に従事しているため、確実に荷物を届けることに加え、届け先の顧客からの問合せや要望を受けたり、丁寧に接客したりすることに取り組んでいるという。

今回の協業は物流業界全体が抱える課題に対し3社が力を合わせることで一石を投じたいとの意識をきっかけにスタートしました。現在 EC 事業者等に共同ヒアリングを実施しているが「EC事業の限界」を補う要素として「ラストワンマイル配送の進化」を期待する声は非常に強いものがあり、通常配送では叶わない「プレミアム配送」と呼ぶべき潜在的ニーズがあることも確認しています。そのニーズに応えうる新たなプラットフォームの確立を目指します。

東急 リテール事業部 東急ベル推進G 営業企画担当 課長 鈴木寛人氏

賃貸用物流施設のリーディングプロバイダーであるプロロジスは、郊外型の大規模施設に加えて都市部におけるマルチユースな物流施設の開発を進めています。ECビジネスの一層の拡大が見込まれる都市部では、ラストワンマイル配送の拡充は喫緊の課題です。三社協業により新たなプラットフォームを展開することで、物流業界の課題に挑みサービスの多様化を図ります。
プロロジスは物流施設+ソリューションでお客様のビジネスを支援してまいります。

プロロジス 広報室 ディレクター 古川志織氏

ウィルポートは、「オープン型ラストワンマイル配送プラットフォーム」の開発を通じてラストワンマイルに特化したサービス・ノウハウ・運用システムを自社内のみで使用するのではなく、他社にもオープンに活用いただく事でウィルポートの配送ネットワークを構築し、さらに、ウィルポートのフラグシップ的な「地域密着型生活支援物流サービス」を全国に展開する配送インフラとして活用する事を目的としています。

ウィルポート 取締役 新事業開発統括マネージャー 城山憲明氏

今回の協業では、TMS を使って3つのタイプのラストワンマイル配送が提供される。

  1. 「センター出荷型配送」:荷主の倉庫から配送拠点に届いた荷物を仕分けし、ラストワンマイル配送を行う
  2. 「リアル店舗出荷型配送」:荷主の店舗にある荷物を東急ベルがラストワンマイル配送を行う
  3. 「シェアリング型配送」:買い物代行などの配送を行う

東急ベルは、東急線沿線エリアでの運用開始に先駆け、既にウィルポートの TMS を利用し、渋谷区・港区などで大手アパレル企業の店舗・倉庫から個宅への配送を実施し、配送品質について荷主企業、利用者双方の顧客から評価を受けた。「個宅向け配送混載モデル(狭小圏共同配送サービス)」では、ラストワンマイル配送エリアを定義し、そこに存在する EC 事業者の荷物や小売り・サービス店舗の宅配業務、買い物代行などさまざまな荷主の荷物を混載・一元管理することで、ラストワンマイル配送の効率化を目指す。

ウィルポートは2015年の創業。2021年11月に関西電力グループの合同会社 K4 Ventures から、12月には日本政策投資銀行から(2億円)、2022年1月には池田泉州キャピタルが運営するファンドから、それぞれ資金調達した。関西電力とは、関西地区を中心に「買物支援」と「共同配送」を組み合わせた、地域に密着した新しい配送サービスの事業化に取り組み、買物困難者の増加とドライバー不足という二つの課題解決を図り地域の活性化に貢献を目指すとしている。

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