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2023年06月30日

ChatGPTを自社のセールスマンに変えるーーSELFのChatGPT連携「SELFBOT」について聞いてきた

SELFは4月11日、自社開発のコミュニケーションAIとOpenAI社の「ChatGPT」を連携させた相互連携システム「SELFBOT」を開発しました。これにより、企業はChatGPTのテキスト生成能力とSELFの高度な会話コントロール能力を組み合わせて、より高度なチャットシステムを構築できるようになります。


ChatGPTは、テキストの生成や言語の翻訳を行うことができる強力なツールです。しかし、企業が「顧客対応」を目的として、ChatGPTを利用する際には、いくつかの課題があります。例えば、ChatGPTは企業と関係のない話題にも対応してしまうことがあります。また、会話の内容をハンドリングできない、ライバル会社の製品に言及してしまう、会話やユーザーを記憶できない、会話ログを管理しづらいなどの問題もあります。


SELFがこれまで独自に開発してきたコミュニケーションAIは、会話からユーザーの理解を行い、短期から長期にわたるユーザーとの関係構築に強みを持っています。このSELFのコミュニケーションAIとChatGPTを連携させることで、企業はこれらの課題を解決し、より高度なチャットシステムを構築することができる、というわけです。


この両者の利点を組み合わせるといくつものメリットが生まれてきます。


例えば、会話範囲を限定することができ、不要な話題に展開することを防ぐことができたり、ユーザーの特性情報を取得・記憶し、ChatGPTに応用することができるようになります。さらに、ChatGPTに新たな情報を付与したり、提案や会話に優先度を付与したり、ユーザーのネクストアクションを起こしやすくすための選択肢を追加したりすることにより、ユーザーにより有益で効率的なチャット体験を提供できるようになります。


SELFとChatGPTの連携システム「SELFBOT」は、現在ベータ版で提供されており、この件についてSELF CFOの佐藤史章さんに詳しいお話を伺ってきました。


4月の発表内容について教えていただいてもよろしいですか

佐藤:今回、私たちのコミュニケーションAIの一番の強みである「ユーザー理解」とChatGPTの強みである「文章生成能力」を組み合わせて、顧客対応や社内問合せ対応などを自動化することができるようになったというところなんです。

通常のチャットボットや検索システムなどでは、ユーザーが自分で情報を探しに行く手間や、GPTのようにプロンプトを入力して情報を引き出すという作業は手間がかかりますよね。

私たちのコミュニケーションAIは、元々ユーザーに対して能動的なアクションを起こし、ユーザーからのヒアリングを行ったり、例えばサイトであれば訪問の目的を尋ねたりすることで、ユーザーのデータを属性化して取得し、蓄積しています。それを会話や商品の提案などに活かしています。

ですので、特定の属性を持つ人に対して、個別に異なる会話や提案を展開できるという「ユーザー理解」の仕組みは、従来のチャットボットや検索システムでは実現されていなかった部分で、私たちの特有の技術が前面に出ています。

ChatGPTは相当のインパクトがありましたよね。ある意味では競合のような存在にもなります

佐藤:ChatGPTが登場したという点で、確かに今回は衝撃が走りました。他のチャットボットの開発者たちも戦々恐々としていると思いますが、ChatGPTをよく調べてみると、私たちとしては、ChatGPTを組み合わせることで新たな展開が可能なのではないかということが分かってきました。

むしろ、私たちは「ユーザー理解」という自社の強みを活かしつつ、ChatGPTの文書生成能力と連携させる仕組みを構築することで、導入をより効率的に進められると考え、今回の連携を開始しました。

今回の連携メリットや具体的な連携内容を改めて教えてもらえますか

佐藤:例えば営業と話しているときに、突然旅行のプランを立てる話題に飛んでしまったり、競合他社の製品について言及するのはやはり問題です。また、ChatGPTはユーザーデータを蓄積・記憶することができません。これらの問題点に対して、今回私たちがChatGPTと連携することで、その問題を解決することができます。これまで大手各社さんのサイトやアプリに導入してきた経験から、ユーザーとの対応には自信を持っています。

ユーザーとの対応は私たちが一次的に担当し、会話をコントロールすることで、対話文章の生成部分にGPTを効果的に活用していきます。


ChatGPT連携イメージ

具体的には、実際に動いているデモがありますので、サイトでご覧いただければ、さまざまな機能が表示されます。例えば、会計のソフトウェアのセールスマン役などもあります。

通常のChatGPTでは出てこない選択肢が表示されるようSELF側でコントロールしており、ユーザーが次のアクションをしやすくするようにしています。
要するに、ユーザーに入力内容を考えさせるのではなく、選択肢を押させることで会話を展開しやすくしていくことができるようにしているのです。

個人情報の扱いもよく懸念点として挙げられますよね

佐藤:はい、セミナーの質疑応答などでも、セキュリティに関するご質問をよく頂きます。「SELFBOT」では、たとえば電話番号や@を含むメールアドレスなどが入力されると送信できないようにするという制御ができます。

さらに、ユーザーからのインプットの話題が全く異なる場合、その話題は扱えないと伝え、話題が逸脱しないようにできます。

また、他社のFAQボットなどの場合、QとAをあらかじめ登録しなければならないという手間があり、導入ができないという声をよく聞きました。今回のGPT連携によりSELFBOTではその事前のQA設定が不要になりました。具体的には、案内したい情報が載ったサイトURLや、営業資料などのドキュメントを読み込むだけで、その範囲に関して質疑応答や案内を行うことができるようになるのです。そのため、導入やメンテナンスが本当に簡単になりました。

すごい進歩ですね。どういった範囲に利用できるようになるでしょうか

佐藤:顧客対応やセールス、カスタマーサポートなどにはもちろん活用できます。

さらに、社内対応においても利用可能で、FAQやPCサポート、人事サポート、従業員のメンタルケアなどにも活用できます。社内のドキュメント検索などですと、欲しい結果が得られないという声や、社内のドキュメントが活用されていないという声はよく聞きます。「SEOBOT」では、それらのドキュメントを読み込ませるだけで、対話形式で教えてくれるようになります。

ChatGPTと連携するビフォーアフターで、どれぐらい御社として提供内容が変わりましたか

佐藤:まず、導入費用が変わりました。これまでは導入に数百万円以上の予算が必要で、価格帯の問題により導入を見送るというケースがありました。今回のChatGPTとの連携により企業のニーズに応じて、ライト・ミドル・カスタムプランといういくつかのプラン構成を用意することができたことは、非常に大きな進歩です。

今回のサービスの向き・不向きについてはいかがでしょうか

佐藤:先にGPT自体の性質についてお話ししますと、GPT自体は新しい発想を必要としない既存の情報に関しては非常に的確に答えてくれます。要は、会話ができるという点よりも情報を整理する力が高いというのがGPTの注目すべきポイントです。つまり、発想力を必要としない情報交換においては、検索するよりも、さらには人に聞くよりも早く的確に情報が得られるのです。

そういう観点で言えば、例えばセールスなどの市場に関しては大きく変わるでしょう。というのも、企業からユーザーに製品の情報(既存の情報)を届けることは、情報整理を得意とするGPTが変革を起こしうる領域だからです。また、個人間でも同様で、安い商品やそれを持っていればどうかといった情報交換は、おそらくGPTやそのようなシステムに置き換わる可能性が高いと考えています。

一方で提案力が不足していたり、持っているノウハウをどう活かせばいいのかわからないといった課題があります。これは少し高度な課題ですね。

ありがとうございました

めぇ〜ちゃんめぇ〜ちゃん
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それでは次回もお楽しみに!

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