- インタビュー
2024年05月20日
物流・小売業界の人手不足を解消! - ROMS
- 株式会社ROMS
前野 洋介 - 代表取締役社長
2024年5月9日、KDDI ∞ Laboの月次全体会において、スタートアップ4社が大企業に向けてピッチを行いました。登壇されたスタートアップにMUGENLABO Magazine編集部のめぇ〜ちゃんがインタビューをしたので皆様にお届けいたします。
3社目はROMSです。ロボティクスを活用した小売業向け自動化ソリューションを提供しており、オムニチャネル戦略の企画・サービス構築に関する支援事業を展開するスタートアップです。今回は、ROMSの代表取締役社長 前野 洋介氏にお話を伺いました。
- めぇ〜ちゃん
- 「NFC(ナノ・フルフィルメントセンター)」は100~500㎡の設置面積で高処理能力・高保管密度の業界最高効率を実現する小型自動倉庫・ロボットピックを組み合わせた自動化ソリューションで、幅広く製造/EC/小売/物流/小売事業者様の倉庫・センター等でご利用いただけます。
代表取締役社長の前野氏に伺いました
何をしている会社ですか?
前野:EC/小売り/物流事業者様向けに、高性能小型自動倉庫とロボットピックを中心とした小型自動化ソリューションを提供しています。EC/物流事業者様向けの業界最高効率の小型自動倉庫システム「NFC(ナノ・フルフィルメントセンター)」や小売事業者様向けの小型無人店舗兼配送デポ「RCS(ロボティクス・コンビニエンス・ストア)」といった、100~500㎡程度の小規模にフォーカスしたソリューションを揃え、お客様のご要望に合わせて幅広くご提案をしています。
サービスイメージ
なぜこの会社を立ち上げたのですか?
前野:元々、大学時代から、起業家への漠然とした憧れから「起業」は意識していましたが、会社や上司、同僚、機会にも恵まれ、三井物産に14年くらい在籍していました。
自分自身も三井物産で新規事業等に従事していましたが、ある時点から、自分の中で会社方針を踏まえた勝手な忖度が始まり、事業案件を初期的検討するタイミングから、経営陣からOK貰えるだろうOK貰えないだろうを前提に動いてしまっていて、新規事業等に従事している身として健全ではない、常に挑戦をし続けたいと感じ、転職等をした上で、ROMSを立ち上げました。
自動化・ロボット領域を選んだのは、米国で自動化・ロボット領域の会社への出資、出向、売却を経験し、その領域の可能性も未成熟度も理解していたからです。その後、5年程度経って、一定の技術進化や技術浸透も進み、この領域で挑戦するいいタイミングだとも感じました。そんな折に、たまたま知り合ったポーランド人エンジニア達と、ポーランドと日本の2国間2拠点のグローバルスタートアップとしてスタート出来るのも刺激的で、有難いことにVCからの支援もあったことも、起業の決め手ではありました。
敢えて付け加えると、三井物産での仕事が常に刺激的であまりにも恵まれていたので、他の会社に転職するのがあまり魅力的に感じなかった、ならば、挑戦したいヒトにとって魅力的に感じる会社を自分で作ってしまった方が早いと考えたのもあります。
これからの目標はありますか?
前野:自動化は、普及している様で意外と普及していないです。ROMSとして目指すのは、無人化ではなく、ヒトがやった方がいいことはヒトで、自動化した方がいいことは自動化で、というハイブリッド稼働による省人化で、これを常態化させることです。勿論、無人化出来るなら無人化した方がいいとは思いますが、点での生産性だけを見ると、未だに自動化よりもヒトの方が圧倒的に生産性が高いです。
一方で、今後、更に深刻化するのは、人手不足とそれに伴う人件費の上昇です。そうすると、どんなにヒトの生産性が高くても、そもそもそのヒトがいないので、事業継続が出来ないということです。また、そうなればそうなるほど、ヒトにしか出来ないことにヒトをより集中させた方がいいという動きになります。そうすると、ヒトと自動化のハイブリッド稼働による省人化が必然になります。
ROMSは、そういった省人化の、今まで自動化が展開されていなかった中小規模領域におけるリーダーとなることを目指しています。
最後に一言お願いします
前野:自動化含めたHW領域は、実績を積む以外に改善やイノベーションは起こりえませんが、実績を積もうとするが実績が無いから前に進まないという、常に鶏と卵の議論が起きうる領域です(新規参入組には非常に参入障壁が高い領域です)。
一方で、大企業では、厳格な品質管理の下で、R&Dから抜け出せられないで埋もれてしまう技術も数多くあり、高い品質に裏打ちされたブランドイメージが定着しているからこそ、新しいものを出せないというイノベーションのジレンマに陥っているとも感じます。スタートアップは、良くも悪くもそういったジレンマがないからこそ、その機動力、柔軟性を活かし、一気に実用化に持っていくことが出来るとは思い、そういった観点でも大企業との共創の余地は多分にあるとは思います。
皆さんと共創出来ることを楽しみにしております!!
- めぇ〜ちゃん
- 物流業界の「2025年の崖」を解決するスタートアップなので、ROMS様の今後の動きに目が離せません!それでは次回もお楽しみに!
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