- 海外トレンドレポート
2025年03月17日
世界の最新テクノロジー最前線! 〜MWC 2025現地レポート【後編】〜

KDDIは、2025年3月3日から6日までスペイン・バルセロナで開催された世界最大級のモバイル・通信関連イベント「MWC Barcelona 2025」に出展しました。
本記事では、イベントへ参加したオープンイノベーション推進本部のメンバーが、現地で目にした最先端のテクノロジーやサービス、注目のトレンドをレポートします。後編では、世界中から集まった革新的な技術をご紹介します。
前編:https://mugenlabo-magazine.kddi.com/list/mwc_1/
MWC Barcelona 2025とは?
MWC Barcelonaは、世界中の通信キャリア、デバイスメーカー、スタートアップ、テクノロジー企業が一堂に会する超大型イベントです。毎年、最新のモバイル技術やイノベーションが発表され、業界の未来が見えてくる場として注目されています。今年は特にAIの進化とその実用化が大きなテーマとなり、多くの企業が最新技術を披露していました。
現地で注目を集めた最新テクノロジー
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「nubia AI」搭載スマートフォン
中国に拠点を置くZTE社は、AIアシスタント「nubia AI」を搭載したスマートフォンを展示。端末内でリアルタイムにAIが動作することで、よりスマートな操作体験を実現しています。ホテル・タクシーの予約から、同時翻訳、SNS投稿まで幅広くサポートが可能。
「nubia AI」を搭載したスマートフォンめぇ〜ちゃん
- 今話題のDeepSeekを基盤に開発しており、トレンドの活用の早さにとても驚きました。
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ウェアラブルデバイス「Mudra」
イスラエルに拠点を置くWearable Devices Ltd.が開発する手首装着型ウェアラブルデバイス「Mudra」は、筋肉の電気信号を読み取ることで、スマートフォンやタブレット、VR/ARデバイスなどを操作できる機器です。 めぇ〜ちゃん
- 手のわずかな動きでスマホやPCを操作できるため、ハンズフリーでのインタラクションが可能で、未来の操作方法として注目を集めていました。
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アシスタントAI
韓国に拠点を置くLG U+社は、電話の会話をリアルタイムで解析し、ユーザーに最適な情報をレコメンドするAI「ixi-O」を展示していました。例えば、「今から空港に向かうよ」と話すと、すぐにUberの予約ページを開いたり、「出張で泊まるホテルどうしよう?」と言えばホテルの予約サイトを提案したりします。まるで自分専用の秘書が通話を聞いてサポートしてくれるような体験です。 めぇ〜ちゃん
- 日常の一手間を解消してくれる便利なサービスでした!AI音声による詐欺電話も検知できる優れものです。
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HAPS(高高度疑似衛星)
ドイツに拠点を置くT-Mobile社は、成層圏に通信プラットフォームを配置し、地上の通信を補完するHAPS(High Altitude Platform Station)を展示。雪山におけるスキー大会の際の通信構築を一例にあげ、基地局の設置が難しい地域でも通信環境を確保できることをアピールしていました。 めぇ〜ちゃん
- HAPSなどのNTN(Non-Terrestrial Networks、非地上系ネットワーク)関連の展示は他社でもいくつかあり、注目度の高さが感じられました。
手首装着型ウェアラブルデバイス「Mudra」
ユーザーに最適な情報をレコメンドするAI
地上の通信を補完するHAPS
スタートアップが数多く集まる世界最大規模のイベント「4YFN」とは?
「4YFN」とは4 Years From Nowの略で4年後の成長が期待されるスタートアップが数多く集まる世界最大規模のイベントです。MWC Barcelonaと同会場で開催されて、MWC2025への来場者11万人のうち多くが4YFNへ足を運びました。2025年で開催は11回目となり、1,000を超えるスタートアップの展示がありました。参加者の56%はモバイルに隣接する業界におり、モバイル領域の大規模なDXが期待されます。
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パイナップルの皮を再利用した革製品「PEEL LAB」
日本発のスタートアップであるPEEL LABは、パイナップルの皮を特殊な技術で分解し繊維を抽出、ランドセルや衣服などに再利用する技術を説明していました。ヨーロッパではグリーンテックへの感度や注目度が高いこともあり、ピッチ登壇後はブースに各国のVCが殺到。現地で販売したランドセルは全点完売するほどの盛況ぶりでした。 めぇ〜ちゃん
- ランドセルは片手でも持てるほどの軽さにも関わらず、しっかりした造りでした!通常のランドセルよりも長持ちするそうで、こちらの手法が一般化する未来もあるかもしれませんね。
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ChatGPTの利用を可能にしたスマートリング「Vtouch,Inc
」
韓国発のスタートアップである「Vtouch, Inc」は、韓国の通信企業SKテレコムが設営した特設ブースにてスマートリングの実演展示を行いました。AI時代の到来によりChatGPTは身近なものになりましたが、文字を入力しなければ結果を抽出できない欠点もあります。同社のスマートリングは指先に話しかけるだけでスマホ内のChatGPTと連動し、天気や交通予測などの回答を受け取ることが出来ます。 めぇ〜ちゃん
- 写真は実践してもらっている時のものです!スマートリングは小さくて馴染んでいて、全然気づきませんね。これなら普段使いもできそうです!
パイナップルの皮を再利用した革製品「PEEL LAB」
スマートリング「Vtouch,Inc」
最後に
今年のMWCでは、AIを活用した新たなユーザー体験や、通信インフラの進化が大きなキーワードになり、特にエージェントAIやアシスタントAI技術の発展が顕著でした!
引き続き、世界の技術動向をウォッチしながら、最新情報をお届けしていくのでお楽しみに!
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