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2024年07月30日

スタートアップや大企業、VCが集結~新共創プログラム始動/MUGENLABO UNIVERSEイベントレポ

KDDI∞Laboでは、スタートアップと大企業による、宇宙を活用し地球上の課題解決を目指す共創プログラム「MUGENLABO UNIVERSE」を運営しています。7月17日、定例会の「オリエンテーションイベント」を開催し、様々な領域のスタートアップ・大企業・VCの方々が集まりました。

本記事では、イベントレポートとして、外部講師による講演やスタートアップピッチの内容をお届けします。


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事業領域拡大に関心ある全領域のスタートアップからのエントリーをお待ちしています!詳細・エントリーはこちら

共創プログラム「MUGENLABO UNIVERSE」とは

宇宙ビジネスは民間主導の新時代へと突入し、宇宙を活用したオープンイノベーションも身近になりつつあり、宇宙企業だけでなくあらゆる企業が宇宙を活用できる時代になっています。KDDI∞Laboが運営する宇宙共創プログラム「MUGENLABO UNIVERSE」では、宇宙空間を活用した実験環境、新たな技術や事業アイデアを持つ全ての領域のスタートアップ、参画大企業、支援メンターとのオープンイノベーションにより「地上」のLX(Life Transformation)に貢献します。

外部講師による講演「スタートアップの新たな事業戦略~宇宙の活用可能性~」

今回は、グローバル・ブレインパートナー兼宇宙エバンジェリストである青木英剛氏をお招きし、「スタートアップの新たな事業戦略~宇宙の活用可能性~」をテーマに講演いただきました。

講演の様子

  1. 宇宙産業の成長
  2. 2005年には約20兆円だった宇宙産業の市場規模は、2023年には60兆円から95兆円に急成長しました。これは、半導体や医療機器の世界市場と同等の規模です。さらに、世界経済フォーラムでは2035年には270兆円に達するとの予測もあり、今後も大きな成長が期待されています。

    その中で、現状は宇宙産業では、放送通信や地上インフラ、位置情報における分野が重要な役割を果たしており、大きな利益を上げています。特に、スマートフォンの地図アプリや新幹線、飛行機の運行にも欠かせないGPS技術は、宇宙技術がなければ成り立たないものであり、私たちの生活に深く浸透しています。また、今後の新たなビジネスチャンスとして、ビッグデータやインターネット、惑星探査、宇宙旅行などが注目されています。

  3. 日本政府の取り組み
  4. 日本政府は、宇宙産業に対する予算を増加させ、スタートアップへの支援を強化しています。10年前には約3800億円だった予算が、現在では約9000億円に達しています。この予算の一部はスタートアップに向けられており、特に宇宙関連の新規事業に対する投資が重要視されています。

    日本には約150社の宇宙スタートアップが存在しており、その数は今後も増加すると見込まれています。これにより、宇宙ビジネスの成功確率は他の分野と比べても高く、スタートアップにとって非常に有望な市場となっています。

  5. グローバル動向
  6. 世界的には、アメリカやヨーロッパ、インド、中国など多くの国で宇宙スタートアップが活躍しています。特にアメリカとイギリスは宇宙ビジネスの中心地となっており、多くの新規参入企業が成功を収めています。また、日本企業も多くが宇宙ビジネスに参入しています。

  7. スタートアップによる宇宙活用の成功戦略
  8. 宇宙活用による事業拡大において成功するための5つのポイントを述べました。
    1. 自社におけるニッチ市場の発見-大企業が参入しにくいニッチな市場を見つけること。
    2. Start small, Fail fast - 失敗を恐れずに早く取り組み、改善を重ねること。
    3. 意思決定は早く – 意思決定はスピーディーに決断すること。
    4. 支援の最大活用 – 政府やJAXAをはじめとする支援を最大限活用すること。
    5. 忍耐強く - 長期的な視点が必要であり、忍耐強く取り組むこと。

めぇ〜ちゃんめぇ〜ちゃん
その他、具体的な宇宙活用事例などもお話され、宇宙産業には新たなビジネスチャンスが多く存在することが強調されていました!

外部講師×スタートアップによる宇宙活用セッション

宇宙活用セッションでは、外部講師と宇宙活用に関心あるスタートアップが登壇し、スタートアップによるピッチ・宇宙活用に向けたディスカッションを行うコーナーです。今回は、放射線耐性のあるロジック半導体を開発する株式会社Catalis Partners Group 代表取締役CEOの井上誠也氏にご登壇いただきました。

何をしている会社ですか?

井上:弊社は、宇宙環境でも正常に作動できるよう放射線耐性のあるロジック半導体の研究開発を行っています。加えて、宇宙事業者向けに放射線照射を中心にした信頼性試験や宇宙部品や民生品の選定のご支援も行なっております。

宇宙用半導体における課題について

宇宙を活用して実現したいことはありますか?

井上:Interplanetaryな世界を実現したいです。アフリカ大陸から全世界へ人類が拡大し繁栄してきたこれまでの長い歴史の中で、今度は地球から他の惑星・小惑星・衛星といった天体へと拡大しさらなる繁栄をするタイミングに差し迫っていると言えると考えています。アルテミス計画では数年以内に再び有人月面着陸を行い、2040年では1000人規模の人類が月面で生活していることを構想している団体もあります。とはいえ、過酷な宇宙環境の下では無人ロボットを活用した探査を十分に行った上で、人間にバトンタッチしていくことが賢明だと考えており、そのために高性能なコンピュータを宇宙に届けたいです。

これからの目標はありますか?

井上:宇宙データセンター事業者などのエッジコンピューティングを必要とする事業者とのLOIに基づくパートナーシップを結ぶことを目標としています。ディープテックとして技術リスクの検証ばかりに目を向けられがちですが、早い段階から顧客と向き合ってマーケットリスクの検証を進めてまいりたいです。その上で、国内よりも海外の方が宇宙でのエッジコンピューティングについて議論が進んでいるので、DAY1からしっかりグローバルでの事業展開を意識しております。

青木氏は、ディスカッションの中で、仲間づくりやポジショニングを明確にした上での他社との戦い方、そして戦う場所として月のように放射線が降り注ぐエリアこそビジネスチャンスがあるとお話されました。また、最後には「宇宙でのものづくり」が世界的にホットであり、今こそ日本のものづくりの力を活かすチャンスだと語りました。

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MUGENLABO UNIVERSEは今後も月次定例会を開催していきます!次回のイベントレポートもお楽しみに!

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