- インタビュー
2024年07月01日
【衝撃】リアルから仮想へ!VTuberで「HADO」が可能にーー累計31億円調達し上海に旗艦店も【KDDI 推しスタ】
- 株式会社meleap
福田 浩士 - CEO
ARスポーツ「HADO」を開発・運営するmeleapは5月、シリーズCラウンドでの資金調達を公表しています。増資を引き受けたのは中国を拠点とするVCのQC Investmentをリードに、ニッセイ・キャピタルと新潟ベンチャーキャピタルが新規投資家として加わっています。これに日本政策金融公庫からのベンチャーデットによる融資を加え、同社の増資等による資金調達額は累計で31億円に到達しました。
2014年の創業以来、meleapはARスポーツ「HADO」を世界39カ国で展開してきました。現在、450のコートを持つ直営・フランチャイズ施設網を構築し、累計600万人以上のプレイヤーを獲得しています。また、2020年から開始した視聴者参加型のLive Entertainment事業では、グローバルで500万人以上の視聴者を集めるなど急成長を遂げています。
meleapは今回調達した資金を、新規AR競技・機能の開発、Live Entertainment事業のリーグ拡大、上海でのフラッグシップショップ「HADO Arena」の開設、そして優秀な人材の採用に投資する予定です。
リアルから仮想へ「VTuberでHADO」が可能に
今回の増資をきっかけにmeleapでは二つの新サービスも発表しています。ひとつは「HADOカスタマイズ機能」で、プレイヤーがゲーム内の様々な要素を自由にデザインできるようになります。同社CEOの福田 浩士氏のお話によると、元々、HADOには地域や企業とコラボレーションしてPR活動に役立てるなどの展開があるのですが、その際カスタマイズのリクエストが一定数あったそうです。
今回のカスタマイズ機能の提供はそれを受けてのもので、ゲームやアニメ、タレントと連携することで、ユーザーが好きなキャラクターと戦うなどの展開も可能になるそうです。その中でもとりわけ注目すべきポイントは「バーチャルキャラクター対戦システム」です。これによりVTuberとのHADO対戦や新しい配信コンテンツが可能になります。現在はまだ開発中ですが、この機能を使うことでユーザーは(配信などの画面上に表示される)バーチャルキャラクターとしてゲームに参加することができるようになります。
現在、meleapでは一般のユーザーたちがコートでHADOを楽しむコンシューマー向け事業とは別に、もうひとつの柱としてLive Entertainment事業を手掛けています。これはリーグ戦形式でアイドルやYouTuber、声優といったタレントたちがHADOをプレーし、ユーザーがそれを応援するという視聴者参加型の事業です。チケットや投げ銭などが収益モデルになっていて、ファンと選手が一体になれる楽しみが人々を惹きつけ、現在は500万人以上の視聴者を集めることに成功しています。この領域をさらに一歩先に進める可能性があるのが今回のバーチャルキャラクター対戦システムであるとのことです。
ここ数年、大きな盛り上がりと共に新たな市場を作ることに成功したVTuberがHADOと掛け合わさるイメージで、これまでのゲーム実況や「歌ってみた」などの活動に加え、その動きの幅を広げる可能性があります。
キャラクターの裏側にいる人物が実際に設備のある場所でプレーをする必要があるため、例えばヘッドセットなどの端末があればどこでも、というわけにはいきませんが、これによってVTuber同士のリーグ戦などが開催されれば、これまでとは違った層の参加が期待できそうです。
中国・上海に旗艦店をオープンへ
中国で人気のHADO Image credit:meleap
さらに今回、meleapは6月に中国・上海市で世界最大となる2,000平方メートルのフラッグシップショップ「HADO Arena上海店」をオープンする予定です。福田氏によると、HADOは日本以外でもイギリスや、オリンピックを控えているフランスなどで人気を博していたそうですが、特に中国での熱が非常に高いというお話でした。上海にできるこの新店舗は5つのコートと250席の客席を備えたグランドステージを有し、中国での事業展開の拠点となるそうです。
バーチャルとリアルの融合をARスポーツという形で結実させつつあるmeleapは、海外展開と視聴者参加型のモデルで、独自の拡張現実世界を楽しむユーザーを拡大させています。今後はこの拡大していくエリアとユーザー層がどのようなビジネスとして結実していくのか、引き続き注目したいと思います。
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