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2024年05月22日

インフルエンサーのファッションアイテムを購入できるフリマ「Pickyou」、冨田代表に聞いた挑戦と展望/【推しスタ】

株式会社ピックユー
冨田 理央
代表取締役社長

インフルエンサーの着用済みアイテムを取り扱うマーケットプレイス「Pickyou」を運営するピックユーは4月、プレシリーズAラウンドで1.4億円を調達しました。


同社は「循環をスタンダードとして楽しむ未来を創る」をミッションに掲げ、サステナブルなファッション市場の成長にチャンスを見出しています。


大手企業との協業関係を築きつつ、プロダクトの機能強化とマーケティング戦略の両輪で存在感を一気にアピールしようとしている同社の現状と今後について、創業者で代表取締役社長の冨田理央氏に話を伺いました。


学生時代からの原体験を胸に起業

ピックユーはインフルエンサーの着用済みアイテムをフォロワーに販売するマーケットプレイスを提供しています。代表取締役社長の冨田理央氏は、アルバイト代のほとんどを洋服に費やしていた大学時代の体験を振り返ります。

クローゼットに長く残っていた洋服は、ほとんどが好きな人からもらったモノでした。大切に着ていた服には、インフルエンサーからもらった思い出が詰まっていたんです。

冨田氏

洋服を介したインフルエンサーとフォロワーの特別な絆から、冨田氏は「双方を繋ぐマーケットプレイスがあれば需要に応えられる」との確信を持ちました。大学生の頃からインフルエンサーの洋服を扱うイベントを主催するなど、その手応えを感じていていたそうです。

そうした原体験から、冨田氏は2022年8月、河合航大氏と共にインフルエンサーの古着がメインのマーケットプレイス「Pickyou」をβローンチしました。今年4月発表のプレシリーズAラウンドで調達した資金は、主に新機能開発とマーケティング強化に充てられます。

Pickyouのサービスモデルは、出品者であるインフルエンサーから古着を一括で受け取り、商品情報の登録から発送業務までをすべて引き受けることで、出品者の手間を最小化することが大きな特徴です。

従来のフリマサービスは、プロセスが分散していて非常に面倒でした。弊社を介すことで、インフルエンサーは商品説明と着画写真を登録するだけで参加でき、購入者には大手ECサイト並みのスムーズな体験を提供できます。

冨田氏

サステナブルファッション推進の機運と相まって、古着・リユースファッション市場は急速に拡大しています。冨田氏は「ピックユーが新しいスタンダードになる」と成長性に確信を持っています。

企業とのコラボで新分野を開拓

2024年3月、MIYASHITA PARKで開催したコラボイベントの様子
(Pickyouのインスタグラムから)

若年層に強い訴求力を持つピックユーは、企業とのコラボレーションによるブランディング強化にも着手しています。東京・渋谷のMIYASHITA PARKで開催したコラボイベントでは、2日間で2,700人もの来場者を記録しました。
TikTokで展開する動画コンテンツ「今日何着てる?」が若者を中心に人気を集めており、それを背景とした集客力と影響力を強みに、今後は、大手企業とのタイアップも視野に入れているそうです。

ニーズに合わせてプロダクトの強化を行う一方で、大手企業との協業を活発化させ、マーケティング施策を両輪で回していきます。

冨田氏

一方、認知向上を図る上で大企業との協業を活発化することで、まだ浸透していないマーケットを開拓したいと考えています。多数のパートナー連合各社が集結するMUGENLABOとの共創の可能性も、この辺りにあるようです。

当面は調達した資金を活用するなどして、ユーザー体験の向上に繋がる新機能の開発やオペレーション体制の構築が進められます。さらにSNSを中心としたデジタルマーケティングの強化、大企業とのタイアップ企画など、マーケティング施策の幅を大きく広げていく計画です。

環境意識が高まる中、ファストファッションの反動から生まれた「サステナブル」「エシカル」といったムーブメントに対し、ピックユーの挑戦は若者のみならず、あらゆる世代の人々に新たな選択肢を提供してくれるかもしれません。

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