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2022年03月03日

スイングバイIPOで グローバルIoTプラットフォームを 目指す - ソラコム 玉川憲 氏

KDDIはこの度「KDDI ∞ Labo」立ち上げから10周年の感謝を込めて、書籍「スタートアップス -日本を再生させる答えがここにある-」を出版することになりました。MUGENLABO Magazineでは特別に、書籍の掲載内容の一部を切り出してご紹介していきます。


はじめに

第2章では「過去10年にスタートアップが引き起こした変革」として上場、M&Aなどの形でエグジットした8社のトップが、これまでの10年にそれぞれの領域で起こした社会の変革について語ってもらいます。今回はその中でもソラコム代表取締役社長兼共同創業者 玉川 憲 氏のインタビューの一部を特別にご紹介いたします。

インタビュー風景

スイングバイIPOでグローバルIoTプラットフォームを目指す

起業のきっかけクラウドの勃興の経験から起業へ

ソラコムの創業にはAWSでの経験が影響しています。AWSの立ち上げに取り組むなかで、2013年頃からさまざまな日本の企業がクラウドを利用するようになり、IoTにも注目が集まり始めたと感じるようになったのです。同時に、リアルの〝モノ〞から取得したデータをクラウド上に蓄積しようとした場合、多くの企業が通信部分に課題を感じていることが分かってきました。すでにスマートフォンは普及していましたが、携帯通信をIoT向けに企業が利用しようとするといくつも問題がありました。この問題を解決できれば「何か面白いことができるのではないか」と考えていた時、アイデアのベースになったのが「AWS」の仕組みでした。そもそも、AWSは高性能なコンピューティングやストレージ、データベースなどのインフラをクラウド上に展開し、誰でも簡単かつ手軽にWeb上で利用できるようにした仕組みですが、AWSの登場によって多くのスタートアップが少ない資金でも起業できるようになりました。

AWSの登場前は、ある程度大規模なWebサービスをつくろうとすると初期費用として数千万円が必要だったといわれていたのが、AWSを使えば簡単にスモールスタートできるようになったのです。数多くのWebサービスが作れるようになって、イノベーティブなサービスが生まれる原動力になりました。

AWSと同じ様に、通信をはじめとするIoTに必要なテクノロジーを、誰でも簡単かつ手軽に利用できる仕組み、プラットフォームが実現できれば、きっとたくさんのイノベーティブなIoTを使ったシステムが出てくるはずだと考えたんです。

IoTの民主化を目指す

我々がやりたいことは、端的に言えばAWSのIoT版を目指しています。様々なIoTのテクノロジーを、ソラコムが誰にでも使いやすい形で〝民主化〞することで、多彩なIoTシステムが生まれてくれればと思っています。SIMカードをWeb上で1枚単位から購入できるようにした『SORACOM Air』などは、まさにそれを実現するためのサービスの1つです。

まだAWSに在籍していたころ、ソラコムが提供するプラットフォームのイメージを考えるにあたり、最初にやってみたのがプレスリリースの作成でした。もちろん、仮想的なものなんですが、AWSでは何か新しいものを考える際、伝統的に仮想のプレスリリースを作成するカルチャーがあったんです。自分が考えているサービスでも同じことをやってみようと思ったんです。

2014年でしょうか、アマゾン本社がある米国のシアトルへ出張した際に、少し時間があったのでプレスリリースを1晩で書き上げたところ、自分でも手応えのあるものが出来上がったんですね。このプレスリリースをベースにしたアイデアをAWSに携わるなかで知り合ったスタートアップや投資家に相談したところ、「それは絶対にやった方がいい。サポートしますよ」と評価してくれたたんです。これもソラコム創業の原動力になりました。

めぇ〜ちゃんめぇ〜ちゃん
玉川さんが語るこれからの10年とは何かが気になりますね。
続きは書籍「スタートアップス -日本を再生させる答えがここにある-」にてご覧ください!

「スタートアップス -日本を再生させる答えがここにある-」書籍概要

次の10年で、日本が世界での競争力を再生させていくうえで不可欠となる、スタートアップと大企業による事業共創がどのような変革をもたらすのか、過去10年で日本経済に影響を与えてきたスタートアップ企業トップへのインタビューを通じて明らかにする。
更に日本を代表するベンチャーキャピタル(VC、CVC)71社への調査を実施。ESG関連企業への投資意欲について分析するとともに、VC、CVC各社が推薦する有力スタートアップ92社をリストアップ。どのようなスタートアップたちが日本経済の再生をリードしていくのか、示唆を打ち出す。

目次

  • 第1章「日本のイノベーション、これからの10年 スタートアップと大企業の共創で実現」

対談:SHOWROOM 前田裕二氏/小学館 畑中雅美氏/KDDI ∞ Labo 中馬和彦

  • 第2章「過去10年にスタートアップが引き起こした変革」

上場、M&Aなどの形でエグジットした8社のトップが、これまでの10年にそれぞれの領域で起こした社会の変革について語る
◆ソラコム 玉川憲氏
「スウィングバイIPOでグローバルIoTプラットフォームを目指す」
◆ウォンテッドリー 仲暁子氏
「仕事に夢中になれる人を増やしたい」
◆ラクスル 松本恭攝氏
「インターネットとソフトで仕組みを変え産業のムダをなくす」
◆BASE 鶴岡裕太氏
「ロングテール対象にECを民主化」
◆マネーフォワード 辻庸介氏
「FinTechはこれからが面白い」
◆ビザスク 端羽英子氏
「エキスパートネットワークサービスを日本に定着」
◆オイシックス 高島宏平氏
「ECでサステナブルな食を届ける」
◆ビジョナル 南壮一郎氏/mediba 江幡智広氏
「今の日本には伸びしろしかない」

  • 第3章「VC・CVC ESG関連スタートアップ投資動向調査」

8割超が重要テーマに挙げるが、リターンは未知数。日本のVC、CVC 71社のスタートアップへの投資方針、ESG分野の投資に対する意識などを独自調査から明らかにする

  • 第4章「ESG関連有望スタートアップス VC、CVCが選んだ92社」

ESGの視点を意識しつつ、これからの10年で日本を変える可能性のある92社の有望スタートアップを紹介

Amazon-スタートアップス 日本を再生させる答えがここにある
https://www.amazon.co.jp/dp/4296110462/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_QT0RYMWY70JF6CJA8WY9
日本のスタートアップと大企業の共創がこれからの10年を創る

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