- インタビュー
2024年03月25日
顧客の「小さな声」を収集・見える化、UX向上に繋げられる分析ツール「ホンネPOST」 - はこぶん
- 株式会社はこぶん
森木田 剛 - 代表取締役
2024年3月15日、KDDI ∞ Laboの月次全体会において、スタートアップ6社が大企業に向けてピッチを行いました。登壇されたスタートアップにMUGENLABO Magazine編集部のめぇ〜ちゃんがインタビューをしたので皆様にお届けいたします。
3社目ははこぶんです。顧客の声の可視化・分析からファンづくりのアフターコミュニケーションまで一気通貫で行える顧客コミュニケーションツール「ホンネPOST」を提供するスタートアップです。今回は、はこぶんの代表取締役 森木田剛氏にお話を伺いました。
- めぇ〜ちゃん
- 顧客の生の声を集められず、インサイト発掘や事業の意思決定に悩んでいるような事業者向けに、ホンネPOSTという顧客の本音が届くコミュニケーションツールを提供しています。
代表取締役の森木田氏に伺いました
何をしている会社ですか?
森木田:弊社は「埋もれている心の声を流通させ、日本の事業創造力の底上げをする」をミッションに、「商いコミュニケーションDX」軸にしたVOC(Voice of Customer:顧客の声)ソリューション・コンサルティングサービスを提供するスタートアップです。プロダクトとしては、顧客の声の収集・分析からアフターフォローまで一気通貫で行える、デジタルレターの顧客コミュニケーションツール「ホンネPOST」を運営しています。
【サービスサイト】
https://honne-post.com/
【特長】
(1) ふと伝えたくなる現場の顧客接点づくり
ホンネPOSTでは、現場の認知導線を行動経済学・デザインにこだわって設計サポートします。 また通常の設問式アンケートのような調査感を強く出さず、エスノグラフィ(行動観察)の手法に近いアプローチで 「顧客の率直な声が具体的に届く」ような仕組みを構築します。
(2) アフターコミュニケーション
届いた声には匿名のまま返事が返せるなど、接点づくりが難しい利用顧客とも手軽に双方向コミュニケーションができ、ちょうど良い距離感で良好な関係を築くことでファンづくりにも活用できます。
(3)感情分析による「声の数値化」
届いた声は「好意的な点・改善の余地がある点」に分類、順位化することで具体的な数値で見える化し、 情緒的価値や意思決定までの背景の深掘り、潜在ニーズの洗い出し等が可能です。
「ホンネPOST」イメージ
なぜこの会社を立ち上げたのですか?
森木田:立ち上げた理由は2点あります。
(1) 顧客視点での課題感
顧客として、⽇常⽣活のあらゆるビジネスシーンで顧客と事業者のラストワンマイルの顧客コミュニケーションの非効率に課題を感じていました。ニーズの個別化が進む中、⽬に⾒えない顧客の隠れた本⾳を的確に掴むことが、ビジネスの成功のために今後さらに不可⽋な要素であると考えました。一方、顧客側の「直接は伝えづらい」という⼼理的ハードルや、事業者視点の「設問が決まっている」アンケートフォームでは、顧客の「思いの深い部分」を引き出すことは困難です。
また、SNSや⼝コミは「一方的に事業者側を評価する」ことが前提になる性質上、恣意的で心無い投稿も散⾒され、「素直な声を事業者に伝え、コミュニケーションをとる場」としては⼗分に機能していません。このように「言いたいけど言えない」「聞きたいけど聞けない」という両者の溝を解消することで、顧客体験の向上及び事業成⻑を促進できると考えています。そこで第1弾として、顧客の素直な⾔葉が事業者にまっすぐ届き、新しい関係性を築ける場を提供するため、「ホンネPOST」をリリースしました。
(2) 事業者として感じたVOC施策の非効率
前職の住友商事時代、「現場の顧客の声を社内に共有すること」にいつも苦労していました。会話の中で拾われた顧客の"生の声"は「間接情報」となり解像度が落ち、チームへの情報共有や正確な課題分析を難しくしています。「お客様の声が分からず、顧客起点の施策や改善ができない」という課題は、業態問わずあらゆるシーンで起きています。そういった課題に対して、顧客の声というファクトをダイレクトに経営・マネジメント層に届けることで本質的な意思決定をスピーディに行える仕組みが必要と痛感し、それを解決するために開発したのが「ホンネPOST」です。
ホンネPOSTには、「評価ではない素直な感想」を引き出す仕掛けが多く組み込まれており、事業成⻑のカギとなる「良質なフィードバック」が、事業者にまっすぐ届くような設計を⼼がけています。また、感情分析のページを URLで簡単に社内共有できることで顧客の声を色褪せずに関係者に共有できる仕組みを整えています。
これからの目標はありますか?
森木田:総人口の減少、消費者ニーズの多様化、新規参入による競争激化、広告の獲得効率の悪化などの様々な要因で新規顧客獲得の難易度が上がっており、既存顧客を重視したLTV最大化がより重視される時代トレンドの中で、商売における顧客コミュニケーションの重要性は今後より強まっていきます。
また、躊躇いなどの⼼理的ハードルでコミュニケーションが阻害され、社会が⾮効率になっているシーンは数多く存在します。当社はその交差点に⽴ち、ホンネPOSTを通じて事業者と顧客の間で「⼼の声の流通」を加速させ、手触り感を持った事業成長ができるサービスを通じて日本の事業創造力を底上げしたいと考えております。
最後に一言お願いします
森木田:2000年代に入り基本的な生活ニーズが広く満たされ、ITの発展で多様な選択肢が手に入ることで、顧客の購買判断の主軸が「品質や機能性」から「パーソナライズされた体験やサービス・関係性の構築」にシフトしてきております、また、商品・サービスが飽和状態で顧客体験の差別化がより求められるようになってきました。
顧客体験とは「小さな気配りの積み上げ」です。ホンネPOSTに届く、顧客の「ちょっとした一言や小さな声」には、顧客体験を最短で向上する多くのヒントが多く詰まっています。顧客ニーズを深く理解したい、VOC施策を強化したいというシーンがあれば、是非お話させていただけると幸いです。
- めぇ〜ちゃん
- 3月全体会の参加者へ「ホンネPOST」を利用してアンケートを実施することで、これまでよりも「パートナー企業様の率直な声」を集めることができました!それでは次回もお楽しみに!
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