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2020年12月21日

新技術をグループ各社につなぐーーフジ・スタートアップ・ベンチャーズ(FSV)

株式会社フジ・スタートアップ・ベンチャーズ
鈴木 修太
フジテレビジョン 総合メディア推進本部に所属し、経営企画局およびFMH経営企画局を兼務。三菱商事での事業開発、ベンチャー投資業務を経て、2002年に入社。2016年より出資先のSpectee、2020年よりThe ROOM4D社外取締役。

若月 賢一
経営企画局開発企画部所属。都市銀行、大手映画会社を経て2007 年フジテレビジョン入社。エンターテイメント、通販等を主なカバー領域とし国内外で大小の事業開発・M&A等に携わる。2019年より出資先のカプセルジャパン社外取締役。

企業の共創活動をリレー的に繋ぐコーナー、前回お届けした東急のCVC活動に続いてお届けするのは、フジテレビの「フジ・スタートアップ・ベンチャーズ(以下、FSV)」です。

フジテレビは昨年12月に2号ファンドとなる「フジ・スタートアップ・ファンド2号投資事業有限責任組合」を50億円規模で設立しています。2号ファンドでは国内外のミドル・レイターステージのスタートアップも対象とした事業領域を限定しない投資活動を進めていくとのことです。(太字の質問は MUGENLABO Magazine編集部、回答はFSVの鈴木修太さんと若月賢一さん)


CVC設立の経緯について教えてください

FSV:第1号ファンドはフジ・メディア・ホールディングス(以下、FMH)グループのメディア・コンテンツ事業とのビジネスアライアンスを目的に2013年に設立しました。ファンド規模は15億円で、インターネット・モバイル分野のシード・アーリーステージのスタートアップを中心に投資実績を積んできました。
昨年12月に設立した2号ファンドでは1号ファンドの特性を継承しつつ、革新的な技術やビジネスモデルを持つ幅広いスタートアップをターゲットにしています。そのため、投資領域やステージを限定していませんが、目的としてはFMHグループの新規事業領域開拓も見据えた投資戦略となっています。

FMHグループの新規事業領域の開拓も目的のひとつ、ということですが共創の事例などがあれば教えてください

FSV:まず、事業連携はFSV主導ではなく、どちらかというと現場中心で進めています。例えば、今年出資したビジネスデータ分析・機械学習システム開発のThe ROOM4D社とは、フジテレビの視聴データ活用に関する課題解決、配信データ分析の設計に共同で取り組んでいます。
また昨年出資した台北、香港、上海ほか東南アジアでインフルエンサーマーケティング事業を行っているカプセルジャパン社とは、FMH傘下のポニーキャニオンとの協業で日本-台湾でのタレントの発掘・プロモーションを開始するとともに、海外向けのYouTuberライブイベント配信などを計画しています。

FSV主体に出資の判断をしつつ、事業連携は各部門ごとに担当するという分担ですね

FSV:はい、FSVでは投資検討の初期段階でフジテレビをはじめグループ内で関連する事業に携わっている現場に、まずはヒアリングを行います。内容は、マーケット環境から、類似会社情報、事業の成長性など多角的かつ俯瞰的な視点で、あれこれ探っていく形です。その上で、投資委員として入っていただいている外部のキャピタリストの方々の専門的な見地からの意見も踏まえて最終的な投資判断を行っています。出資後の事業連携は、グループ会社の中で関連する事業を手がける部署が中心になって進めていきます。

改めてグループとして「CVC」部門を持つ意義を教えてください

FSV:FMHやフジテレビをはじめグループ各社でも直接投資を実施しています。直接投資は各社の事業に直結するアライアンスや事業連携が既に見えているケースが多いです。一方、CVCとしてのFSVの役割は、新しい事業領域の開拓や技術革新、将来性といった視点も持って投資検討を進めることにあります。出資後は出資先とグループ各社とのつなぎ役であり、またイノベーション創出や将来的なM&Aなど、双方の状況に合わせて、様々な選択肢を持っていることが重要であろうと考えています。

ありがとうございました。

ということでフジテレビのCVC活動についてお届けしました。次回はDNPの取り組みにバトンをお渡ししてお送りします。

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