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2024年07月22日

アバターを通じて気軽に真剣な出会いを——「恋愛メタバース」開発のFlamersが目指す未来

株式会社Flamers
佐藤 航智
代表取締役CEO

2019年11月に創業のFlamersは、長期インターンのマッチングサービス「Voil(ボイル)」と、顔出しなしのアバターによる出会い・交流を実現する恋愛メタバース「Memotia(メモティア)」という2つのサービスを展開しています。


特に後者のMemotiaは、リリース時からPC版とVR版のサービスを提供してきましたが、2023年11月にスマホアプリをローンチしました。そこから右肩上がりでユーザー数が急増しています。なぜ「恋愛メタバース」という新しい領域のサービスを始めたのか、これからの事業の展望など、代表取締役CEOの佐藤航智氏に聞きました。


メタバースでパートナーと出会った実体験がきっかけ

Flamersでは、創業後の2020年6月にVoilをリリースし、その後コロナ禍が落ち着きを見せ始めた2023年4月にMemotiaをリリースしました。人材採用からメタバースへと大きく領域の異なる事業を始めたのは、メタバース上での佐藤氏自身の経験がきっかけだといいます。

2021年の頭に当時のFacebook(現Meta)が発売していたVRヘッドセット、Oculus Quest 2を買ったのですが、そのVR体験がとてもよく「これは世界を変えるかもしれない」と感じました。その後、色々と試して遊んでいるなかで、アバターで世界の人々と交流ができるメタバース『VRChat』で出会った方とお付き合いすることになったんです。そこで「顔も知らない人と出会ってお付き合いすることは、とても素敵な体験なのではないか」と気づき、アプリの開発を始めました。

佐藤氏

VRChat内のイベントに参加して現在のパートナーと知り合い、メタバース上で会う回数を重ねてお付き合いに発展、その後結婚したという佐藤さん。
その実体験をもとに開発したのが、Memotiaです。では、そもそも佐藤氏が起業を志したきっかけは何だったのでしょうか。

中学3年生だった2012年、当時放送されたテレビドラマ『リッチマン、プアウーマン』を観て、起業家という仕事があることを知りました。世の中を変えようとする姿がかっこよく、とても楽しそうだと思い、そこから漠然と起業したいと考えていました。大学入学後に先輩から誘われてスタートアップで長期インターンを始めたのですが、そこがまさにドラマで観ていたような世界でした。それをきっかけに「自分でもやりたい」と思い、起業に至りました。

佐藤氏

恋愛は本来、楽しいもの

東京都が独自にサービスを開始するなどパートナー探しを目的としたマッチングアプリの提供は、少子化対策をはじめとする社会課題の解決にも貢献すると考えられています。しかし佐藤氏は「本来、恋愛自体が楽しいことであるはず」という考えから、Memotia内のワールド(ユーザーが過ごす空間)の設計に配慮していると話します。

マッチングアプリのユーザーには、「早く相手を見つけて卒業したい」と思っている方が大勢いると感じます。しかしせっかく人生のパートナーを探すのであれば、楽しく恋愛できたほうがいいのでは、と自分は思うんです。そうした考えのもと、Memotiaのワールドは作成していますね。

佐藤氏

Memotiaでは、大きく2つのコンセプトのワールドを用意しています。1つは、人と人とのコミュニケーションを促進するギミックを備えたワールド。Memotiaでは、過去の恋愛経験が少ない人をターゲットユーザーにしています。そのため、初めて出会う人との会話が円滑に進められるよう、話題を振り出すような仕組みをワールド内に用意しているのです。

もうひとつは、水族館デートやドライブデートなど、実際のデートのような交流ができるワールドです。こちらはすでに一定のコミュニケーションを経て仲よくなった人と訪れ、自然に会話しながらより仲を深められるよう、現実空間の各スポットの環境音などを再現しながら設計されています。

どんなワールドを用意するかは、ユーザーの方からヒアリングする場合と社内の人間が考える場合、両方のケースがあります。例えば焚き火を擬似体験できるワールドは、「夜の空間のほうが深い内容の話をしやすい」というユーザーの声をもとにして生まれました。一方、ドライブデートができるワールドは、自分がパートナーと仲を深めたのが車を運転している最中の何気ない会話だったことをヒントにしてつくりました。 

佐藤氏

AIが自動でマッチング、内面重視の出会いが可能に

多くのマッチングアプリでは、登録されている顔写真などプロフィール情報をもとに交流したい相手をユーザーが探し、実際に会うというプロセスを経ます。しかしMemotiaは、顔写真の登録が不要で、プロフィールやMemotia上での行動情報をもとにAIが自動でデート相手をマッチングします。佐藤氏は「Memotiaには相手を選ぶ、自分が選ばれるという概念がない」と説明します。

Memotiaのユーザーには、既存のマッチングアプリを使っていたものの思うような出会いに結びつかなかったり、メッセージのやりとりに疲れてしまったりという方が多くいます。Memotiaは、その仕様上、性格などの内面をふまえた出会いが生まれるので、アバターを通じてゆったり交流を楽しみたいというニーズを叶えられます。その点は、他のサービスと比べて強みですね。

佐藤氏

アバターによるコミュニケーションは、実際に会うよりも緊張せずに話せたり、見ず知らずの人といきなり会う不安を払拭できたりといったメリットがあります。またメタバース上での交流を経て実際に会うため、その後の進展も円滑になります。Memotiaのユーザーの年齢層は20代後半から30代前半が多く、昨年のリリース以来、30組以上のカップルと6組の婚約者が生まれているといいます。

既存のマッチングアプリだと、どうしてもプロフィールの顔写真を見ながらタイプかどうかを判断するところから始まります。Memotiaでは相手の人と話してみて、趣味が合ったり、会話が楽しかったりというきっかけでお付き合いできるので、「まず内面から知って、恋愛を始められたことがよかった」という声を多くもらいますね。

メタバースマジック”と呼んでいるのですが、最初から実際に会うと外見や年収といった条件でお付き合いには至らなかったかもしれない方々が、メタバース上でお互いの仲が深まってから対面したためお付き合いに発展したケースもあるんです。

佐藤氏

パートナー同士の日常的なコミュニケーションの場に

Memotiaでは現在、男性ユーザーへの課金がメインのマネタイズ手段ですが、今後はアバターに着せる洋服など、デジタルコンテンツの販売や有料制のワールドの導入をはじめ課金ポイントを増やしていく方針です。昨年11月には京都市と連携し、京都の街並みを再現したワールドでMemotiaユーザー向けの街コンを開催しており、今後は企業とのコラボレーションも予定しています。

現在は出会いからお付き合いに至るまでの期間をサービスの対象にしていますが、今後はお付き合いしているカップルや結婚したパートナー同士もコミュニケーションできるような場にしていきたいと佐藤氏は意気込みます。

Memotiaのワールドで遊ぶことを、家でNetflixを一緒に観たり、渋谷へご飯を食べに出かけたりといった選択肢のひとつにできればと思っています。Memotiaで出会ってお付き合いが始まった方もそうですし、Mmotia以外の場で出会ってお付き合いしたり、結婚している方々にも使ってもらいたい。それが私たちの目指す、Memotiaの将来の姿です。

佐藤氏

今年7月には、「メタバース婚活普及推進協会」を設立。メタバースでの出会いを世の中の人にとってますます身近なものにするべく、Flamersのチャレンジは続きます。

 

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