代表取締役CEOの岡田氏に伺いました

何をしている会社ですか？

岡田：株式会社データグリッドは、2017年に創業した京都大学発のスタートアップで、生成AIの黎明期から一貫して研究開発に取り組んでいる、生成AIのパイオニア企業です。

具体的には大規模言語モデル（LLM）、動画・画像生成AI、音声生成AIを活用し製造業をはじめとした各産業特有のデータを基にカスタマイズ開発した生成AIソリューションを提供しています。教師データを生成AIで合成することで、エッジケースを含む多様なパターンを網羅した学習データセットを構築し、AIの精度を向上させるアプローチが特徴です。

プロダクトの中でも、外観検査領域で不足しがちな不良品画像の教師データを生成AIで合成し、検査AIの精度を改善する「Anomaly Generator」は現在50社超の企業様に導入されています。

なぜこの会社を立ち上げたのですか？

岡田：祖父が繊維商社を起業して、父がその後を継ぐ形で経営をしていました。当時祖父がインドやアラブの国々と取引をしていたので、外国からのお客さんを自宅によく招いていたんです。祖父や父の姿を近くで見てきたので、自分で事業を営む、世界を相手にする、ということに自然と関心があったのかもしれません。

当時FacebookやLINEが流行し始めた頃だったので、将来的に世界中のたくさんの人に使ってもらえるサービスを作りたいという想いから、京都大学の工学部情報学科に進学しました。

当時の最先端技術であった生成AIのGAN（敵対的生成ネットワーク）の存在を知り、衝撃を受けました。今後、GANが世の中で使えるものになっていくと、良いサービスやプロダクトを作ることができるのではないかと思いました。しかし、日本の企業でGANを取り扱っている企業はほぼなく、海外でも研究は進められているものの実用化まで踏み込んでいる企業はありませんでした。それなら自分で会社を作ろう！と決心し、データグリッドを創業しました。

アイドル自動生成AIや着せ替えソリューションなど、当時としては斬新なサービスの開発を経て、現在は「すべてのデータに、命を与える。」というミッションのもと、生成AIによってあらゆるデータに価値を創出し、人々がより創造性を発揮できる社会の実現を目指して邁進しております。

これからの目標はありますか？

岡田：私たちデータグリッドは、日本の基幹産業である製造業を中心とし、あらゆる産業現場の課題を生成AIおよびAIエージェントで解決し、コア業務での業務効率化、さらなる競争力の向上を実現することを目指しています。

例えば、「Anomaly Generator」の提供を通じて、自動外観検査の早期立ち上げを可能にし、最小限の人員で品質管理できる生産現場の実現に貢献します。「Anomaly Generator」をはじめとして、生成AIという革新的な技術を様々なドメインに展開し、日本から世界をリードするAIプロダクトを生み出すことを目標としています。

最後に一言お願いします

岡田：生成AIは、革新的で素晴らしい技術でありながら、まだ現場に十分に根付いているとは言えません。その可能性を最大限に引き出し、実際の業務やビジネスに活かすためには、技術の進化とともに、各業界や現場特有の課題に寄り添った開発が不可欠です。

当社は、生成AIの黎明期から研究開発を続け、独自の技術的アセットを蓄積するとともに、最新のテクノロジーも常にキャッチアップしています。特に、生成AIの中でも解決が難しい課題に対して、当社の強みを最大限に発揮できると自負しています。

パートナーの皆様が直面している現場の課題に、弊社の強みを掛け合わせることで、新たな価値を創出するサービスを共に開発し、最終的には生成AIの力でデータに新たな命を吹き込み、人々がより創造性を発揮できる社会の実現を目指してまいります。