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2024年05月17日

ヒトにも環境にも優しい新農薬の開発! - アグロデザイン・スタジオ

株式会社アグロデザイン・スタジオ
西ヶ谷 有輝
代表取締役社長

2024年5月9日、KDDI ∞ Laboの月次全体会において、スタートアップ4社が大企業に向けてピッチを行いました。登壇されたスタートアップにMUGENLABO Magazine編集部のめぇ〜ちゃんがインタビューをしたので皆様にお届けいたします。


1社目はアグロデザイン・スタジオです。農薬を中心に、タンパク質立体構造情報を活用した構造生物学の産業応用を推進。タンパク質のX線結晶構造解析サービス「AgroBox」を提供するスタートアップです。今回は、アグロデザイン・スタジオの代表取締役社長 西ヶ谷 有輝氏にお話を伺いました。


めぇ〜ちゃんめぇ〜ちゃん
農薬を中心に、タンパク質立体構造情報を活用した構造生物学の産業応用を推進しています。

代表取締役の前川氏に伺いました

何をしている会社ですか?

西ヶ谷:タンパク質の3次元立体構造解析をコア技術とした2つの事業『分子標的農薬の研究開発』と『創薬支援サービスAgroBox®』を展開しています。


タンパク質画像

なぜこの会社を立ち上げたのですか?

西ヶ谷:東京大学の博士課程在学時の博士論文テーマであった『硝化抑制剤』を実用化するため、国立化研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)を経て、起業しました。私の研究バックグラウンドは構造生物学という生体内のタンパク質(酵素など)の3次元の立体構造から生体機能などを解明や制御する分野であり、医薬品創出の基盤技術(分子標的薬の創出)として使われています。

ただ、農薬で使われた例がほとんど知られていなかったため、タンパク質構造解析技術を使った農薬の創出を行うスタートアップを立ち上げました。今では、『硝化抑制剤』以外にも『除草剤』、『殺虫剤』などにも取り組んでおります。

農薬は、医薬と異なり、農地に生息する多種多様な駆除対象生物を相手にする必要があることから、構造解析しなければならないタンパク質の種類も膨大です。そのため、当社では効率的にタンパク質の立体構造解析を行えるようプラットフォームを整えてきました。

現在では、創薬支援サービスAgroBox®として、タンパク質構造解析などの受託サービスを製薬会社などに向けて展開しております。このように当社では、コア技術であるタンパク質の立体構造解析を中心として、その産業応用に取り組んでおります。

これからの目標はありますか?

西ヶ谷:明確なエビデンスとともに安全安心な農薬を届けることを目標としております。現在販売されている農薬の中には、作用機序が不明確なものが存在しており、それが消費者の不安につながっている可能性があります。当社のコア技術は、タンパク質の3次元立体構造解析ですが、タンパク質の3次元データを取得できると薬の作用が分子レベルでわかります。この分子レベルのエビデンスとともに新規農薬を創出できるのが当社の強みです。

当社の技術により、明確なエビデンスとともに安全な農薬を届けることができれば、もはや無農薬栽培をする必要なくなる未来が来ると考えています。

最後に一言お願いします

西ヶ谷:農薬の実用化は、10年以上の歳月と数百億円の研究開発費がかかるため、当社だけでできるものではありません。共に開発をしていただける農薬会社様、化学会社様、商社様などを募っております。また、タンパク質の構造解析が必要な製薬会社様、農薬会社様、食品会社様などは、AgroBox®をご利用ください。

めぇ〜ちゃんめぇ〜ちゃん
農作物の生産に欠かせない農薬からイノベーションを起こすアグロデザイン・スタジオにこれからも注目です!それでは次回もお楽しみに!

株式会社アグロデザイン・スタジオ
https://www.agrodesign.co.jp
タンパク質のX線結晶構造解析サービス「AgroBox」の提供

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