- インタビュー
2022年04月04日
小型衛星による地球観測プラットフォーム - アクセルスペース
- 株式会社アクセルスペース
中村友哉 - 代表取締役
2022年3月17日、KDDI ∞ Laboの月次全体会において、書籍「スタートアップス」にて全国のVC/CVCから推薦されたESG領域のスタートアップ6社が大企業に向けてピッチを行いました。MUGENLABO Magazine編集部のめぇ〜ちゃんが登壇企業にインタビューを行いました。
1社目はアクセルスペースです。次世代地球観測プラットフォーム「AxelGlobe」を運営するスタートアップです。今回は、アクセルスペース代表取締役の中村友哉氏に話を聞きました。
- めぇ〜ちゃん
- 『AxelGlobe』は、次世代地球観測プラットフォームです。軌道上に配備された多数の小型衛星が地球上の広い範囲をほぼ毎日撮影し、それを分析して得られるビジネスインテリジェンスを提供します!
代表取締役の中村氏に伺いました
何をしている会社ですか?
中村:アクセルスペースは2008年に創業した小型衛星スタートアップです。これまで、ウェザーニューズ様向けに開発したWNISAT-1(世界初の本格商用超小型衛星)、JAXA様向けに開発したRAPIS-1(スタートアップとして初めて受託した政府衛星)を含む、合計9機の小型人工衛星を開発してきました。お客様のニーズに合わせた専用の衛星を開発する専用衛星事業に加え、2015年には大型資金調達を実施し自社衛星による地球観測ソリューション提供サービスであるAxelGlobe計画をスタートしました。2018年に1機、2021年に4機の衛星の打ち上げに成功し、現在5機体制で運用を行っています。
一つひとつの建物を認識できるほどの細かさ(地上分解能)で観測できるので、分析によりさまざまな情報を抽出することができます。また5機体制により2日に1回以上の頻度で撮影し変化を捉えることが可能となり、世界各地で急速に利用が進んでいます。定期的に指定地点の撮影データを提供するサブスクリプションサービスに加えて、過去の撮影データを割安で提供するアーカイブアクセス、Google Mapsのような広域雲なし画像を提供するクラウドレスモザイク、翌日の希望地点撮影が可能な緊急撮影サービスなどを提供しています。
次世代地球観測プラットフォーム「AxelGlobe」
なぜ会社を立ち上げたのですか?
中村:私はもともと宇宙少年だったわけではなく、大学で学生主導の人工衛星開発プロジェクトに興味を持ったことがきっかけで航空宇宙工学科に進学しました。そこで衛星づくりの面白さに魅せられ、博士課程を修了するまで6年間、衛星漬けの生活を送りました。小型衛星開発を自分の仕事にしたいと思ったのですが、そのようなビジネスをしている企業は皆無でした。途方に暮れていたところに、研究室の教授から設立準備をしている大学発ベンチャーをやらないかと誘いを受けました。起業などそれまで考えたこともなかったのですが、「これしかない」と即断しました。
当時は宇宙スタートアップに投資するVCは無く、顧客探しに翻弄し、最終的にウェザーニューズとプロジェクト開始に合意し起業に至りました。学生時代の経験を通して、宇宙は近い将来、もっと私たちの暮らしに身近なものになるという確信を得ました。これが「Space within Your Reach 宇宙を普通の場所に」というアクセルスペースのビジョンにつながっています。これからもビジネスを通して、宇宙を活用することで得られる新しい価値を社会に提案し続けます。
これからの目標はありますか?
中村:AxelGlobe事業において、世界のどこであっても1日1回観測できる体制を実現したいです。その後の発展として、我々の高頻度観測データを他の宇宙データや地上で得られるさまざまなビッグデータなどと組み合わせ、多様なサービスを生み出していきたいと考えています。ただ、これは1社では到底実現できないことであり、パートナーシップにより新しい社会インフラに育てていきたいと考えています。
最後に一言お願いします
中村:宇宙はITと似た軌跡をたどっていると考えている投資家が多くいます。インターネットは軍事技術に端を発し、その可能性に気づいた起業家が現れてB2B領域で急成長し、やがてB2Cにも拡大して社会インフラとして定着し、今やなくてはならないツールになりました。これと同じことが宇宙で起きつつある、ということです。
今まさに世界中で宇宙スタートアップが次々と生まれ、B2B事業が急速に拡大しています。この世界の潮流に日本が乗り遅れてはなりません。ぜひ私たちと一緒に、次世代の社会インフラのビジネス活用について考えませんか。宇宙はもはや特別な場所ではありません。お声がけお待ちしております。
- めぇ〜ちゃん
-
∞ Laboの卒業生であるアクセルスペースさん、これからもご活躍ください!
それでは次回もお楽しみに!
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