- インタビュー
2021年03月19日
タブーをワクワクに。固定観念を変える「フェムテック」の未来 - fermata
- fermata
杉本 亜美奈 - CEO / Co-founder
KDDIは最先端のプロダクト販売を通じて女性のウェルネス向上に取り組むフェムテック企業 fermataに出資したことを公表しました。「KDDI Open Innovation Fund 3号」を通じたもので、出資額や評価額などの詳細は非公開。
今回はfermata CEO 杉本 亜美奈氏にお話を伺いました。
CEOの杉本亜美奈氏に伺いました
何をしている会社ですか?
杉本:「あなたのタブーがワクワクに変わる日まで」をビジョンに、フェムテックを日本およびアジア・パシフィック地域で活性化するための活動を行っています。
具体的には、世界初のフェムテック専門オンラインストアや東京・乃木坂の実店舗、百貨店などでのポップアップショップでフェムテックプロダクトを販売するほか、企業向けワークショップの提供やコンサルティング事業、各種リサーチ、国内外フェムテック企業の支援事業(薬事も含む)も行っています。
なぜ会社を立ち上げたのですか?
杉本:幼少期にアフリカで育った経験から、医療物資へのアクセスについて課題感を持っていました。アフリカの奥地の村には、コカコーラはあるのに、コンドームやマラリアの薬は届かないのを目の当たりにしていたからです。時が経ち、学生時代に東日本大地震があり現地で従事した際に、同様の課題は日本のような発展国にも存在することを知りました。医療物資が、必要な人に、必要な時に届くためには様々な壁が存在します。金銭だけでなく、新しい商品の受け入れに必要な安全性・品質を保つための規制や、人々の知識・文化などです。
社会人になり、スタートアップに投資をするベンチャーキャピタルに属していた時、「フェムテック」という新しい産業が欧米を初め広まりつつある事実を知りました。そして、日本・アジアでのニーズはあると確信はあったものの、新しい産業をこの地域で発展させていくためには、様々な壁が存在するだろうということも、今までの自信の経験からわかりました。弊社は、自社のプロダクトを持たない会社だからこそできることがあると考え、日本・パシフィック地域におけるフェムテック市場が根付くための環境・基盤づくりを行っていきます。
これからの目標はありますか?
杉本:2021年は、日本国内でフェムテックに触れられる場を増やします。都心など情報の集まりやすいところだけでなく、全国へフェムテックをお届けできるよう、ポップアップや店舗展開を計画中です。同時に、正しい知識をみなさんにお伝えできるよう、ユーザー向けイベントや、企業向けセミナー・ワークショップも積極的に行っていく予定です。
また、フェムテックは新たな価値観を持つ商品だからこそ、既存の法規制の枠組みに当てはまらないものも多く存在します。消費者の健康が守られ、現代のニーズに沿ったアップデートが行われるよう各所に働きかけています。これは欧米諸国に先駆けた試みにると考えています。一年後、「フェムテック」産業の国内浸透が世界でも日本がリードしていると言われるように事業を発展させていきたいと考えています。
その後、同様の動きを、シンガポール支社を中心にアジア・パシフィックに広めていく予定です。すでに、オーストラリア・ニュージーランドとの連携も取り始めています。
将来的には、世界中のフェムテック商品が集まり、自分にぴったりな選択肢が見つかる、アジアのハブのような場所を目指していきたいです。
資金調達を通して期待していることはありますか?
杉本:fermataに集まる様々な情報を活用して、今まで解明できていなかった「女性の健康」周りのデータの収集、分析を行うには、通信・テクノロジー技術の強化は必須であると考えています。より良いフェムテックの研究開発、消費者への適切な選択肢の提供など、本協業によって強固となる技術基盤を用いての事業展開を予定しています。
またfermataは、日本国内だけでなく、fermata Singapore社を拠点としてアジア・パシフィック地域のフェムテック市場をターゲットに機会創出を行っています。東南アジアに現地法人を多数持つKDDIとの協業により、各国・各エリアごとにローカライズされたフェムテックカルチャーの提供が推進できるのではないかと考えます。
最後に一言お願いします
杉本:「フェムテック」は、その言葉だけがひとり歩きするのではなく、女性をはじめ全ての人が「自分の体を知ること」「タブー視されてきた体の悩みにワクワクしながら目を向けること」という社会変化のきっかけになると考えています。フィンテックが私たちの生活の一部になりつつあるように、数年後にはフェムテックという言葉をわざわざ使う必要がないくらい浸透し、生活の一部になっている社会を目指しています。
今後ますます活発になるフェムテック領域で、企業の新規事業開発なども急激に増加してきています。弊社は企業様向けにェムテックのセミナーや新規事業サポート等も行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
https://hellofermata.com/
「あなたのタブーがワクワクに変わる日まで」
日本のフェムテック市場を創出し、今まで「仕方ない」と見過ごされてきたウェルネス課題への解決策を届ける。
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