- インタビュー
2021年02月02日
「シルクフード」で持続可能な「食」の未来をつくる ‐ エリー
- エリー
梶栗 隆弘 - 代表取締役
2021年1月21日、新年初のKDDI ∞ Laboの月次全体会において、スタートアップ6社が大手企業に向けてピッチを行いました(完全オンライン実施)。今回はその登壇企業をリレー形式で紹介いたします。(全6回)
3社目はエリーです。 私たち日本人にとって馴染み深い「蚕」を原料とした「シルクフード」を開発し、タンパク質不足問題に真っ向から立ち向かうスタートアップです。 今回はエリー代表取締役の梶栗隆弘氏に話を聞きました。
シルクフードとは
100種類以上の健康機能性成分・ 60種類以上の栄養素を含む高タンパクかつ糖質0という高いポテンシャルを持つ蚕を原料とした次世代の食品。
蚕を原料とした食品「シルクフード」
代表取締役社長の梶栗隆弘氏に伺いました
何をしている会社ですか?
梶栗:昆虫の「蚕」を原料とした食品「シルクフード」の研究開発を行っています。近年、世界中で代替タンパク質の開発が進んでいます。蚕という昆虫はタンパク価が高く、生産における環境負荷も低いことに加えて、味や栄養価に優れ、サステナビリティと健康性が求められるこれからの時代に適したタンパク源です。
当社は日本でこれまで積み重ねられてきた「蚕」研究の成果を応用し、蚕を新たなタンパク質源としてリノベートすることで、持続可能な「食」の未来をつくることを目指しています。 現在は市場創造のため、主にtoC商品とtoBの加工原料の開発・販売に注力していますが、将来は食品価値の高い蚕を自社で生産すべく研究を進めています。
なぜ会社を立ち上げたのですか?
梶栗:代替タンパク質市場は将来の成長市場である一方、昆虫食分野は大企業が参入しにくい領域で、スタートアップが取り組む意義、チャンスが大きいと考えました。また、食品メーカー勤務時には大豆タンパクを取り扱っていて、新素材やタンパク質原料を普及させることに面白さを感じていたことも理由の一つです。
当社は創業時よりオープンイノベーションにてこの分野に挑戦することを方針としており、これまでも多くの企業と協業を進めてまいりました。当社をはじめとし、日本企業が一丸となることで、この新市場を先導していくことができると考えています。
これからの目標はありますか?
梶栗:この3年以内にシルクフード、昆虫食が抵抗感なく受容される時代をつくっていきます。その間に生産分野の研究を進め、栄養価が高い蚕を安定的に低コストで生産できる蚕の自動生産システムを実現します。 生産~食品の製造までを完結できれば、それを観光資源化するなどあらたな展開も生むことができると考えていますので、ぜひアイデアいただけますと嬉しく思います。
最後に一言お願いします
梶栗:業界問わず協業の可能性が検討したく、どうぞよろしくお願いいたします。
――昨今では肉類や大豆類等の従来のタンパク質に代わる代替タンパク質として「昆虫食」に注目が集まっていますが、昆虫と言うと躊躇してしまう人が少なくないのも事実です。 そんな状況下で新たに登場した高い栄養価に加えて美味しさをも兼ね備える「シルクフード」は、私たちの生活に大きな変革をもたらすと思います。
それでは次回もお楽しみに!
https://www.ellieinc.co.jp/
世界と比べても研究が非常に進んでいる「蚕」を新たな食原料「シルクフード」へとリノベートし、持続可能な食の未来そして次世代の食文化の創造に挑戦している。 2020年に実験店シルクフードラボを期間限定でオープンした際には約1,700食を販売し、90%以上のお客様から「おいしい」との評価を獲得した実績を持つ。
関連リンク
関連記事
インタビューの記事
-
登壇25社から見えてきた課題傾向とは?ーーKDDI ∞ Labo全体会登壇まとめ第1弾 【1月~6月・保存版】
2024年09月06日
-
RevCommから学ぶ海外戦略!~日本SaaSこそ東南アジアに勝機~
2024年08月27日