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2026年03月09日
宇宙技術と生命科学が共に拓く新産業――MUGENLABO UNIVERSE~東京都TIB CATAPULT共催イベントレポート~

2026年2月24日、業界を超えた事業連携の創出を目的に、東京都のイノベーションクラスター創出を目指す事業「TIB CATAPULT 」に参画するMUGENLABO UNIVERSE(代表企業:KDDI)と、LINK-BioBAY TOKYO (代表企業:ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン)、宇宙ビジネス領域で交流促進を行う一般社団法人クロスユーの共催イベントを実施した。
(会場:GLOBAL LIFESCIENCE HUB)
当日は宇宙・ライフサイエンス分野に関する有識者による講演や、両分野で活躍するスタートアップのピッチ等を通じて、「宇宙×ライフサイエンス」のイノベーションの可能性を探りました。本記事では、その内容を抜粋してお届け!
TIB CATAPULTについて
東京都の強みとなるインダストリーやテクノロジーの領域において、イノベーションを巻き起こすために組成された複数企業からなる「クラスター」と、東京都が協定を締結し、クラスター領域におけるスタートアップとの連携・協働を推進、イノベーション創出を目指す。採択されたクラスターはそれぞれ、グローバルに成長するスタートアップ創出に向け、3カ年で20件以上の大企業などとスタートアップによる協働実績の創出を目指す。

基調講演~宇宙で進化する医療と生命科学~
本基調講演では、一般社団法人Space Medical Accelerator(SMA) 代表理事の後藤 正幸氏にご登壇いただき、宇宙医学および微小重力下ライフサイエンスがもたらす新たな医療・産業の可能性についてお話しいただきました!
後藤 正幸氏の講演の様子
講演テーマ:宇宙と医療 - 新産業の創出へ向けた日本の可能性
有人宇宙探査と商業宇宙旅行の拡大に伴い、宇宙医学と微小重力下ライフサイエンスの重要性が急速に増していることが強調された。2030年には宇宙旅行市場が約8,800億円、旅行者数が年1,000人規模に達すると試算されており、飛行前後のメディカルケア、診断・治療機器、医薬品、保険、宇宙服、居住空間など、多様な医療ニーズが顕在化すると見られている。宇宙での医療やライフサイエンス研究が、宇宙飛行者の健康維持と地上医療の革新の双方に資することが強調され、宇宙環境を「次世代ヘルスケア創出の実験場・起点」と位置づける将来像が示された。
宇宙環境の特異性から生じる健康課題として、微小重力(宇宙酔い、骨量減少、筋萎縮、視機能変化など)、宇宙放射線(発がん・循環器リスク、臓器への影響など)、そして特殊な閉鎖環境(心理ストレス、感染リスク、月面ダストの身体影響など)の三大要素が挙げられた。これらの課題に対し、小型超音波エコーのようなリアルタイム評価が可能で、低電力・ポータブルな医療機器は宇宙で有用であるとされ、国際宇宙ステーションISSでの早期帰還判断にも寄与した事例が紹介された。また、タンパク質結晶化による製剤改良や、微小重力環境を活用した三次元構造の細胞培養など、ライフサイエンス分野における新たな取り組みも、新規治療法の研究開発を加速する可能性が示された。
海外における宇宙医療・ライフサイエンスのエコシステムについても解説があり、米国ではTRISH(有人宇宙探査向け)やISS National Lab(地上科学貢献向け)が機能分化し、実装パートナー企業がビジネスモデルを構築していること、韓国ではHuman In Space Challengeを通じて技術を募り、宇宙を次世代ヘルスケア拠点と位置づけていることが紹介された。
日本においては、宇宙戦略基金(第1期:低軌道汎用実験システム技術、第2期:有人宇宙輸送の安全確保の基盤技術)や文科省のSX重点領域発展研究が進展しており、非宇宙企業も含めた参入促進が重要とされている。今後、産官学の垣根を越え、具体課題に対する開発投資と議論を加速することが、日本における宇宙医療の発展、ひいては地上医療への転用価値創出のために不可欠であると結論付けられた。
VCピッチ
宇宙・ライフサイエンス分野に強みを持つ2社のVC企業にご登壇をいただき、両分野における取り組みや注目事例についてお話しいただきました!
- Type One Japan株式会社
事業概要と米国発・宇宙×ディープテックの最新動向についてご紹介。
グローバルに展開する投資・事業支援の視点から、次世代産業を形づくるキープレイヤーの戦略と具体事例を共有した。 - Frontier Innovations株式会社
事業概要や投資方針、両領域に関連するポートフォリオ企業についてご紹介。
シード・アーリー期を中心とした投資の考え方や、政府機関等のキープレイヤーとも連携しながら価値創出を狙うスタンスを語った。
代表取締役社長 兼 General Partner 廣島 竜太郎氏のピッチの様子
代表取締役社長・ジェネラルパートナー 西村 竜彦氏のピッチの様子
登壇スタートアップ紹介
スタートアップピッチの様子
宇宙分野・ライフサイエンス分野で活躍されているスタートアップ3社が登壇し、各社の会社概要や具体的な取り組み内容を紹介した。
- Milk.株式会社
ハイパースペクトル解析技術とAIを用いた医療画像診断ソリューションを提供。
今後は人の目では捉えきれない微細な変化を早期に可視化することで、疾患の早期発見と予防医療の高度化を実現することを目指す。 - Amateras Space株式会社
宇宙環境で安全に活動するための生命維持技術や次世代宇宙服を開発。
将来的には宇宙滞在や月・火星探査を見据え、人の健康と行動を包括的に支える「宇宙×ヘルスケア基盤」の確立を目指す。 - 株式会社Dinow
DNA損傷評価技術を活用した放射線影響評価や健康リスク可視化サービスを提供。
宇宙滞在や航空・医療など高被ばく環境における個人差を踏まえた健康管理の高度化を見据え、宇宙・地上を横断する新たな放射線リスク管理の確立に取り組む。
めぇ〜ちゃん- ピッチを通じて、宇宙×ライフサイエンス領域における新たな可能性に挑むスタートアップの熱意とビジョンを強く感じる時間となりました!
おわりに
MUGENLABO UNIVERSEは、これからも分野や業界の垣根を越えたつながりを育み、新たな挑戦が生まれる場づくりに取り組んでいきます!
引き続きよろしくお願いいたします!
めぇ〜ちゃん- 次回は5月に「宇宙×防衛」をテーマにイベント開催予定です!ぜひご参加ください!
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