- インタビュー
2025年07月21日
地球の水道水を守るサービス「宇宙水道局」- 天地人

- 株式会社天地人
櫻庭 康人 - 代表取締役社長
2025年7月2日(水)~7月4日(金)の3日間に渡り、京都市勧業館「みやこめっせ」およびロームシアター京都をメイン会場として「IVS2025」が開催されました。この記事では、本イベントのメインコンテンツの1つであるピッチイベント「IVS2025 LAUNCHPAD」の参加企業レポートをお届けします!
今回ご紹介するスタートアップは株式会社天地人です。「宇宙ビッグデータを使い人類の文明活動を最適化する」をミッションに掲げ、地球の社会課題の解決に取り組むスタートアップです。代表取締役社長の櫻庭 康人氏にお話を伺いました。
めぇ〜ちゃん
- さまざまな宇宙ビッグデータを活かしたサービスを提供している天地人。宇宙からの視点で、企業の課題や、地球規模の環境問題・社会課題の解決を目指しています!
代表取締役社長 櫻庭 康人氏に伺いました
何をしている会社ですか?
櫻庭 :主要事業の一つである「宇宙水道局」は、深刻化する水道インフラの老朽化問題に対応するサービスです。日本全国で法定耐用年数40年を超過した水道管は地球約4周分の17万キロメートルに及びます。更新費用は1km2億円とも言われており、効率的な維持管理が急務となっています。
従来の音聴調査では把握が困難だった地下にある水道管の状態を、人工衛星から取得したデータと地上データ、水道管の布設情報、過去の事故履歴などをAIで統合解析することで可視化して、漏水リスクの診断をします。限られた予算で効率的なインフラメンテナンスを実現し、持続可能な水道事業に貢献したいと思っています。
宇宙水道局イメージ
なぜこの会社を立ち上げたのですか?
櫻庭 :前職で農業向けIoTセンサーを開発する中、農業向けIoTセンサーで点データを拾うだけでは、気候変動に追いつけないと感じていました。
そんな折、JAXAの友人に誘われて S-Boosterに挑戦し、衛星開発エンジニアの百束と出会います。「衛星データでもっと色んなことができる」という彼の言葉をきっかけに、まるで宝の山を掘り当てたみたいに話が一気に盛り上がりました。
2017年はS-Boosterに落選、2018年に『宇宙から見つけるポテンシャル名産地』というテーマでトリプル受賞をして、それをきっかけに2019年に天地人を創業しました。
自社の強みについて教えてください!
櫻庭 :世界ではじめてJAXAが出資をした民間企業であり、JAXAから技術が評価されたJAXA認定ベンチャーであることです。
宇宙水道局においては、宇宙から観測される地表面温度や地盤変動等が漏水リスクと関係することを見出した世界初の技術であり、累計で40以上の自治体に導入いただいており、80,000kmを超える管路長に対する分析実績があります。
これからの目標はありますか?
櫻庭 :天地人はこれまで、地球温暖化やインフラ老朽化といった社会課題に対し、衛星データを活用した解決策を提供してきました。
中でも「地表面温度」は、農業や都市計画、水資源管理などに関わる重要な指標として、創業当初から注目してきたデータです。
こうした背景から、自社初の衛星開発「Thermo Earth of Love プロジェクト」を始動しました。プロジェクト名には、地表面温度が伝える"地球からの温もり"と、私たちの地球への想いを込めています。
今後は、この衛星による観測を通じて、より高精度な分析と社会実装を進めるとともに、「宇宙水道局」などのソリューションを国内外に広げていく予定です。
めぇ〜ちゃん
- 衛星データを活用することで、様々な社会課題を解決する天地人。新プロジェクトの「Thermo Earth of Love プロジェクト」の活躍にも注目です!それでは次回もお楽しみに♪