- インタビュー
2024年06月11日
Apple Vision Pro発売で進化が期待されるXR、KDDIがラボで目指すオープンイノベーションとは
- KDDI株式会社
佐野 学 - パーソナル事業本部 サービス統括本部 5G xRサービス戦略部 ビジネス戦略G マネージャー
- KDDI株式会社
岡崎 竜也 - パーソナル事業本部 サービス・商品本部 auスマートパス戦略部 ビジネス開発G
近年、XRやメタバース領域が大きな注目を集める中、KDDIは4月24日、XRプラットフォーム「STYLY」を運営するSTYLY、大丸松坂屋百貨店やパルコやを運営するJ.フロントリテイリング、テックカルチャー・メディア「WIRED」を運営するWIREDと共同で、新たなオープンイノベーションラボ「STYLY Spatial Computing Lab(SSCL)」の設立を発表しました。
SSCLは、リアル空間とバーチャル空間の融合を実現し、オープンイノベーションを通じて、Apple Vision Pro向けのユースケース創出から社会実装まで、次世代ビジネスの創出に向けた研究開発を進めていきます。STYLYがXRプラットフォームと、9万を超えるグローバルクリエイターコミュニティのクリエイティブ力の提供、J.フロントリテイリングが顧客接点の提供とコンテンツ開発のナレッジの提供、WIREDがグローバルメディアの編集力の提供、KDDIがエンタメコンテンツ力やメタバース・Web3サービスの技術力を提供します。
KDDIとしてSSCLを担当されているパーソナル事業本部サービス統括本部5G xRサービス戦略部ビジネス戦略G マネージャーの佐野学氏と、パーソナル事業本部サービス・商品本部auスマートパス戦略部ビジネス開発Gの岡崎竜也氏に、SSCLの開設に至った背景や展望について話を聞きました。
KDDIでは長らくXR領域での取り組みを重ねてきましたが、STYLYさんの卓越したコンテンツ制作力、J.フロントリテイリングさんの豊富な顧客接点を組み合わせることで、大きな可能性が広がるのではないかと考えました。Apple Vision Proの日本発売前のこのタイミングからラボでの活動を始めることで、世の中に先駆けて、新しいユースケースを創り上げることができるのではないかとワクワクしています。
佐野氏
4月のローンチイベントには多数の報道関係者や業界関係者が来訪し、会場は熱気に包まれました。
社内外からの反応について、岡崎氏は次のように説明してくれました。
Vision Proの実機を体験した来訪者の反応を見て、従来の体験を遥かに超える高解像度映像と迫力の音響から、リアル×バーチャル融合が生み出す未知の体験のポテンシャルを実感することができました。技術開発を行っているKDDI総合研究所からは、プロジェクトの実証の場としてSSCLを活用し共同で取り組みたいなどの話がありました。
岡崎氏
今後、SSCLでは映像・コンテンツ、音楽・ライブ、スポーツなどの分野を中心に、ユースケース開発に注力していく方針です。KDDIは、最新テクノロジーの実証の場としても活用する予定で、魅力的なユースケースが生み出されれば、速やかにサービス化することも視野に入れているそうです。
左からJ.フロント リテイリングの林直孝氏、KDDIの佐野学氏、STYLYの渡邊遼平氏、WIRED日本版の小谷知也氏
通信会社であるKDDIが、XRやメタバース領域を使ったエンターテイメント分野に取り組む動きとしては、渋谷未来デザイン、渋谷区観光協会、クラスターなどと共同で進めている「バーチャル渋谷」や「バーチャルハロウィン」などのXRイベント、また、最近では、上野にeスポーツ施設「esports Style UENO」を開設したことも記憶に新しいところです。
企業の垣根を越えた幅広いパートナーシップを通じて、新しい体験の創出にチャレンジしていきたいと考えています。異なる強みを持つ企業が組むことで、これまでにない革新的な価値を生み出せるはずです。ぜひ多くの企業の参画を期待しています。特に、映像系のサービス会社やコンテンツホルダーと組んで、さまざまなユースケースを生み出していきたいと思います。通信会社の立場からこの分野の先駆者となり、Vision Proの日本発売を受けて、さまざまなサービスの実用化につなげていきたいです。
岡崎氏
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