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2023年12月25日

Spotifyから学ぶ、世界におけるZ世代のトレンド・カルチャーとは?ーCulture Next 2023レポートを解析ー

スポティファイジャパン株式会社
立石 ジョー
上級執行役員 広告事業部統括

5億7,400万人以上が利用する世界最大手のオーディオストリーミングサービスSpotifyは、世界におけるZ世代のカルチャーやトレンドを調査した年次報告書「Culture Next」の2023年版を発表しました。

SpotifyのZ世代ユーザーは、2023年上半期に音楽を5,600億曲以上、ポッドキャストを30億エピソード以上聴いており、前年比では76%増と急速に成長しているユーザー層です。Culture Nextでは、Spotifyにおいて高いエンゲージメントを有するZ世代ユーザーのデータを分析し、どのようにカルチャーを形成しているのかを紐解いて紹介しています。

そこで、今回はZ世代の特徴や企業が取るべきアプローチ方法について、スポティファイジャパン 上級執行役員 広告事業部統括の立石ジョーさんにお話を伺いました。


めぇ〜ちゃんめぇ〜ちゃん
「Culture Next 2023」のダウンロードはこちらから可能です。ぜひご覧ください!


スポティファイジャパン 上級執行役員 広告事業部統括 立石ジョーさん

2023年上半期、Z世代の楽曲・ポッドキャストの再生数が前年比76%増と急成長した理由は何でしょうか?

立石:Z世代は音楽とポッドキャストを日常的に聞き、気に入っているコンテンツを何度も聞いています。世界の5.74億人のSpotifyリスナーのおよそ半分がZ世代であり、彼らの1日あたりの平均再生時間は2.4時間となっていて、長時間、質の高いコンテンツをじっくり楽しむ傾向が見られ、50分以上のポッドキャストの聴取完了率は80%となっています。

Z世代は表面的な情報よりも深く探求したい欲が強いということですが、なぜ「深さ」を求めるのでしょうか?

立石:Z世代は自身のアイデンティティや意見の確立過程にあり、彼らはソーシャルメディアで散見される表面的な情報の裏に潜むカルチャー、世界、そして自分自身を追求したいと考えています。

例えば、カタログ・アーティスト(少なくとも1年半以上新曲をリリースしていないアーティスト)のストリーミング数は、10代の間で116%も増加しています。Z世代間での人気が高まったことで、リンダ・ロンシュタットからミレニアル世代のスター、ビーチハウス、エミネム、アークティック・モンキーズの楽曲などが世界的に再び注目を浴びています。


Culture Next 2023より引用

また、ポッドキャストにおいては、長くても最初から最後まで聞くリスナーが多いこともあり、カルチャーやストーリーにより深く触れることのできる信頼性の高い手段として注目が高まっています。スポーツ、科学などのカテゴリーのコンテンツの視聴も高まっており、都市伝説・ミステリー (平均エピソード尺 = 40分)やコメディ (平均エピソード尺 = 50分)の完全視聴率は80%を超えています。大衆的なカルチャーやニュースを配信するソーシャルメディアに対し、ポッドキャストは、より多様な意見や観点からトピックを深掘りできる場となっています。

Z世代のポッドキャストアクセス数は他世代と比べて増加率が高く、また学習カテゴリーが多いそうですね。

立石:日本におけるZ世代のポッドキャスト聴取は、前年比で109%増加していて、カテゴリー別では、教育カテゴリーが81%、宗教・スピリチュアルは143%、健康・フィットネスは92%、歴史でも75%の増加が見られ、Z世代は知識欲が旺盛であることがわかります。

なぜ、学ぶ手法としてポッドキャストが選ばれるのでしょうか?

立石:ポッドキャストで学ぶことの人気が高い理由の一つは、若い世代がその情報源を信頼しているからです。学界のエリートの見解ではなく、自分の経験を踏まえて語る多様なホストに対しては信頼を築きやすいのです。

51%の日本のZ世代が、「ポッドキャストを聴くことで学校で教えてほしかったトピックについて学べる」と述べています。本当であれば学校で教えてほしかった内容を彼らはポッドキャストを聴いて日々学んでいます。またその内容を彼らは信頼しています。

なぜならポッドキャストは、ひとつの観点や固定されたものの見方を押し付けるのではなく、あらゆる意見が寄せられ、討論やディスカションされる環境を提供しているからです。


Culture Next 2023より引用

また、音楽が他のカルチャーを知るきっかけにもなっているとか。

立石:そうですね。強い拡散力をもつデジタルプラットフォームによって、かつてはニッチであり特定の地域でしか聴かれていなかったサウンドが世界に広まっています。

こうしたローカルなサウンドが世界に響き渡るなか、Z世代ではボーダレス化が進み、日本ではZ世代の30%が2021年と比べて、音楽がほかのカルチャーを知るきっかけになっていると感じています。また、71%は、自分とは異なるカルチャーや経験を学ぶ手段として、音楽やポッドキャストを活用したことがあると回答しています。

企業がZ世代へアプローチするには、どういう考え方や戦略が重要ですか?

立石:レポート内のコカコーラさまのコメントが企業のZ世代のアプローチに関しては重要なポイントになるかと思います。

「自分の好きなもの」と直感的に思われない限り、広告はZ世代の眼中に入らないため、彼らの「好き」にいかに近づけるか、その 因数分解がものを言うと思います。Spotifyの探求心に根差した“DISCOVERY”要素によって、コカ·コーラとZ世代とのより大きな 接点を見出せると考えています。

日本コカ·コーラ 片岡メリー氏

Z世代は、自分の好きなものに誇りをもっています。Z世代のストリーミングデータを分析し、自社ブランドも含めてZ世代が好むものをさらに紹介するデジタル体験を創出して、一般的なものでもユニークなものでも自分の「好き」を大切にするようZ世代に働きかけましょう。


Culture Next 2023より引用

Spotifyではアルゴリズムを利用したプレイリストがあります。個人の好み が反映されたものや、今の流行りを反映した人気プレイリストがあり、プレイリストはSpotifyでカルチャーをシェアする手段になっています。「Discover Weekly」「On Repeat」「Release Radar」 のほか、地域ごとのヒット曲を集めた「Tokyo Super Hits!」や「令和ポップス」など、Spotifyが提供するプレイリストで、企業はターゲットとするオーディエンスにリーチし、さらに新しい情報を得るように促すことができます。

オーディオはカルチャーの中核的要素であり、Z世代はSpotifyを使って好きなコンテンツを再生しています。かなりニッチなジャンルのものでも、一般的なものでも、リスナーの関心事に合わせてカスタムしたデジタル音声広告を作成することをお勧めします。ぜひSpotify広告を活用してみてください!

ありがとうございました。

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